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百物語61話目「ヤマトの諸君」(実話怪談)

私は宇宙戦艦ヤマトが大好きで、テレビシリーズの全話が収録されているレコードセットを持っている。(昔はアニメもレコードで声だけ録音が出てたの)

途中打ち切りとはいえ、当時は1年続くのが当たり前だから、全部聞き終えていない。実家に眠っている。

ちなみに「うる星やつら」のテレビシリーズも全話LDで持っている。

で、実家にいた頃の話だ。

受験勉強をしていた夜中、十二時をまわり、起きてるのは私だけなのだけど。

どこからか話し声が聞こえてくる。

人はこういう怪異に遭遇したときに、どういう行動をとると思う?

私、怖がりなんだけど、怖がりだからこそ、原因を突き止めにいこうとするのよ。

「な~んだ、そういうことか」

って安心したいからさ。

で、その夜も、私は勉強机から離れて、声の出元を探った。

「ヤマトの諸君……」

原因がわかった。消していたはずのレコードプレイヤーの電源がついている。

昔はレコードで聞いていても、聞いたところで止めるのが難しから、その時点で電源を落としていたの。すると聞いてたところで針が止まったままになる。次に聞くときに、電源入れれば続きを聞くことができるというわけ。まあ、レコードにも針にも悪いんだけど、楽でさ。

だから、急に電源が入ったレコードから、地道に聞いていた「宇宙戦艦ヤマト」が聞こえてきてたわけよ。

「な~んだ。急に電源が入っただけか……」

じゃないよ!!

急に電源が入ることがおかしいんだよ!!!

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