ひとりぐらし

京都の大学生。物書きもどき。基本的にエッセイ書いてますが、小説書いたり起業したりもして…

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京都の大学生。物書きもどき。基本的にエッセイ書いてますが、小説書いたり起業したりもしてます。フォローやスキ、コメントいただけると嬉しいです。よろしくお願いします。Twitterフォローもお願いいたします。

マガジン

  • 毎日デルタ

  • 京都での暮らし

  • 賀茂川アンダーザブリッジ

    [小説] 京都、賀茂川、出町橋の下。鴨川デルタのすぐそばで、僕は「姫」と出会った。

  • 絶対に僕が傷ついて終わるんだろう恋の話

    鴨川、初ナンパ、煙草、金髪

  • 思い出

最近の記事

ハンザキ 第1話

雨上がりの鴨川には、誰もいなかった。サンダルを履いた僕の裸足を、伸びすぎた雑草が濡らした。 深夜一時、蛙の声が耳障りな川辺で立ち尽くす。大抵の遠距離恋愛が続かないのは、知っていた。でも僕と彼女の関係が「大抵のもの」だと、僕は知らなかった。どうやら彼女は随分と前から知っていたようで、狼狽える僕と対照的に電話越しの声は軽やかにすら聞こえた。 東京から京都、新幹線で二時間の距離は三年分の思い出を、たった二ヶ月で灰にした。大した苦労もしたことのない大学一年生にとって、こんな「

    • 旅立つっていうほどじゃないけど、卒業していく皆へ

      〜〜〜 乾杯!卒業おめでとう! いやあ、しかしあっという間だよな。俺たちもう4回生終わっちまうんだぜ。 いやあ、しかしこないだの追い出しコンパも盛り上がったよな。あいつ、酔っ払って路地裏で泣いてたらしいぜ、笑えるよな。 いやあ、俺たちほんと幸せもんだよ。大体のやつがいい企業就職したり、院進したりして。俺みたいに休学とか留年してるやつもいるけど、なんやかんや楽しくやってるし…わるくない、わるくない!そう思うんだ。 〜〜〜 ほんとに、そう思う。 俺はMOROHAではない

      • 服を買って、服を捨てる

        ゴミ袋がぱんぱんだった。やっと結べるくらい、僕がいつだか着てた服が入ってた。 どれも、2000円とか3000円とか、そこらの服だ。 売れるかもなーって、少しは思った。古着屋、メルカリ、友達にあげる、一応手段は浮かんで、それらは「めんどくさい」っていう一単語に殺された。 捨てたのは昨日だから、服たちはもうぐちゃぐちゃに潰されて処理場で火あぶりの順番待ちをしてるんだろう。 捨てなきゃよかった、とは思わないけど、ほんの少しだけ可哀想に思う。 新しく買った服。大切に出来るだ

        • インスタ、始めました

          どうも、ひとりぐらしです。 昨年11月末くらいから「毎日デルタ」というマガジンを更新していたのですが、やはり画像を見せるならインスタだなあということで インスタやってます(どーん) ひとりぐらし (リンクです) ただただ(ほぼ)毎日、鴨川デルタの写真を載っけるだけのアカウントですが、意外と好評でしてフォローやいいねをそこそこ頂いております。 (以下お気に入りのデルタ写真3枚です) 家から出る気力のない日は更新ありませんが、元気な時は橋の上まで出かけてiPhone8

        ハンザキ 第1話

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        • 毎日デルタ
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        記事

          帰省をしない

          今年の年末年始は実家に帰らない。 この大きいんだか小さいんだかよく分からない決断を下した。僕だけではないだろう。実家に高齢者がいる、コロナになったら村八分を受けるような田舎出身、両親が持病持ち。帰らない理由はたくさんで、帰る理由なんてのは意外とない。 失ったのは、 家族との久しぶりの時間 地元の友人との食事 過去の恋愛を思い出す機会 お年玉 新幹線から見る景色 禁煙の機会 代わりに得たのは、 煙草とコーヒーの写真をわざわざ撮る機会 乗るはずだった新幹線代 自分や家族のた

          帰省をしない

          ネコノート@鴨川

          いつも通りタバコを吸いに、鴨川沿いのベンチに座ろうとすると、なにか置いてあるのが見えました。もう夕方で暗かったので、スマートフォンのライトで照らして見ると 「ネコノート」 と書かれた大学ノートがありました。 「どなたでもご自由にお書(描)きください」 と書かれたノートの横には、ボールペンが2本置いてあります。前日にここに来た時には無かったはずなので、今日置かれたものでしょうか。面白いことをする人がいるものです。とりあえず開いてみます。 割と多いし、ものすごく上手い人い

          ネコノート@鴨川

          「性格」は死んでから決まる

          明るい。落ち着いている。怒りっぽい。論理的。引っ込み思案。夢見がち。冷たい。 「性格」と呼ばれる人間のパーソナリティは他にも色々あるが、大抵皆自分がどういう性格なのか自負を持っているものだ。 私は明るくて人当たりが良い性格だ。 僕は落ち着いていて論理的だが、少し冷たい性格だ。 こんな感じに。 さて、じゃあ何故自分はその性格になったのだろうか。もっと言えば、何故自分がその性格だと思うようになったのだろうか。 自分がそういう行動をしてきたから、である。 ここで一度、他

          「性格」は死んでから決まる

          毎日デルタ(2020/12/17)

          毎日デルタ(2020/12/17)

          毎日デルタ(2020/12/14)

          毎日デルタ(2020/12/14)

          毎日デルタ(2020/12/12)

          毎日デルタ(2020/12/12)

          カフェで煙草を吸うということ

          この間、京都西陣のほうにある「逃現鄉」というカフェに行きました。お洒落で、CDが沢山置いてあるような、落ち着いた木造のカフェです。店主らしき人の「いらっしゃい」は低く、柔らかい良い声でした。 テーブルには、当たり前のような顔をして灰皿が置いてありました。いえ、きっとこのお店や店主、そして灰皿自身からしたら当たり前なのでしょうが、それが当たり前ではない時代なので少し驚きました。 メニューには珈琲が何種類も並んでおり、迷いました。苦すぎるのも得意ではないので、浅煎のモンスーン

          カフェで煙草を吸うということ