【講座レポ】イノベーションは意図して起こせる「システム思考でアイデアを発想する」戦略的イノベーション講座〜ひなたMBA「つくる経営」①〜
2023年度ひなたMBA人材育成講座個別スキルプログラム「つくる経営」がスタートしました。
「つくる経営」は、目まぐるしい日々を過ごす経営者や経営幹部の方に向け、経営方針や戦略を専門家と共に考え、見つめ直すことを目的としたプログラム。経営全体を専門家と俯瞰してみることで、会社の現状と将来像、その間のギャップを明確にすることができるもの。一旦立ち止まり、自社の経営を専門家と考える機会として行っています。
第1回講座の今回は、「システム思考でアイデアを発想する」と題した戦略的イノベーションを学ぶ講座。10月15日(日)ホテルニューウェルシティ宮崎で行われました。県内の多種多様な企業の経営陣、個人で事業を手掛ける方など、20名が集まりました。
講師は、合同会社JudgePlus代表広瀬毅さん。教育機関や民間企業で、新規事業創出やマーケティング支援を行っていらっしゃいます。システム思考やデザイン思考のプロフェッショナルです。
<講座詳細>
■テーマ:システム思考でアイデアを発想する
■講 師:広瀬 毅(合同会社JudgePlus 代表)
■開催日:2023年10月15日(日)10:00~17:00
■会 場:ホテルニューウエルシティ宮崎(アンジェラス)
<講師プロフィール>
広瀬 毅氏(合同会社JudgePlus 代表)
すべてはシステムでできている!システム思考とは
講師の経歴や自己紹介のあと、まず「システム思考」の概念についてお話されました。
まず投影されたのが、こちらの画像です。
一見、普通の肺のレントゲン写真。実は、右上赤丸部分にゴリラが写っています。
専門家の方は80%以上が「ゴリラが写っているはずがない」と考え、見逃してしまうとのこと。人の認知には、無意識にバイアスがかかってしまう。特に、特定の集団であるほど、特定のバイアスにかかってることが多いことを学びました。
多様性を活かしながら、積極的にバイアスを外し、見えていないところを見に行くために有効なのが「システム思考」です。
「システム思考」とは、全体俯瞰と構成要素の繋がりを意識して、可視化・多視点化・構造化する思考のことを言います。さらに、システムとは、定義された目的を成し遂げるため、相互に作用する要素を組み合わせたものです。
つまりは、「万物はすべて”システム”でできている。」とも考えることができます。
イメージしやすいものでいうと、webシステムや太陽系などが考えられ、実は「箸」もシステムと考えることができます。箸は「ものを支える・はさむ・刺す」部分と、「手で操作する」部分があり、互いに相互に作用することではじめて、食事を摂るという目的を達成することができます。
要素を分解し「新しいスポーツを作ってみよう」
システムの定義を理解したら、次は「仕組み」や「構造」を理解する頭のトレーニング!グループで「新しいスポーツを作る」ワークを行いました。
まずは、既存のスポーツを要素分析。
サッカー・テニス・水球・ビーチバレー・アイスホッケーが事例に挙げられました。競技フィールドを「固体、液体」とグループ分けができたり、より細かく「土(砂)、アスファルト(人工物)、水や氷」といったグループ分けもできる。人数で「複数名でやるのか、個人か」と分けることができるなど、要素分解の方法を知りました。
要素を分解した上で、要素のアレンジや組み合わせにより、新たなスポーツを生み出す。世界を “システム” として捉え、分析・統合することにより新たなものを生み出す手法を学びました。
そして、グループごとに新しいスポーツを考案しました。
競技フィールドを"サイバー空間"に設定した「サイバー空間マラソン」や、吹き矢の筒で紙風船を上に向かって吹き続け、落とすまでの長さを競う「フーフー」など、どのグループも非常にユニークな案が発表されました。
プロセスに沿って「イノベーティブなカレーライスを考えよう」
続いて、今回のメインワーク。戦略的にイノベーティブな発想を生み出す方法を、「誰も見たことも聞いたこともないカレーライス」を考案することで体感しました。
考案したいカレーライスシステムには、どのような要求があり、どのような機能を持たせるのかを考えていくため、様々な分析方法や手順をレクチャーいただき、皆でアイディアを出していきました。
最後に、各グループの発表が行われました。
こちらは、「遠泳をしながら食べることのできる、おにぎり型カレーライスシステム」を考案したグループ。
海面上に保温性のある容器を設置し、太陽光で常に温められた状態で、おにぎりになったカレーライスを食べられるというものでした。
続いてのグループが考案したのは、「バンジージャンプしながら食べられる、カレーライスシステム」。
カレーの入った袋を背負って、カレーライスを食べるというもので、「逆バンジージャンプの実体験のある方から話を聞き、バンジージャンプ中の条件を踏まえながら考案しました」といった説明がなされました。
どのグループも、システムエンジニアリングプロセスに沿って、考え抜いた「イノベーティブなカレーライスシステム」が生まれていました。
講座終了後、参加者たちからは「普段使わないような頭の使い方をして、とても難しかった!でも、楽しかった」「フレームワークに沿ってイノベーティブな施策を考えることができるので、組織としても活用しやすそう。ぜひ今後試してみたい」といった声が挙がっていました。
今回の学びを活かし、各々のビジネスでイノベーションが生まれることを願っています。
ご参加いただき、ありがとうございました!
次回のひなたMBA「つくる経営」講座②は
■2023年11月9日(木)10:00~17:00
■テーマ:「自社の状況を把握するための決算書の読み方」
■講師:河野 宝(河野宝税理士事務所 代表)/ 新田 裕章(株式会社インターグロー 代表取締役)
■参加申込み締切:2023年11月6日(月 )
…となります。こちらもお楽しみに!
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▼11/6(月)には、ひなたMBA×丸の内プラチナ大学「先進事例から知る、フードビジネスイノベーションのカギ」も実施されます!
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取材・構成・執筆:東郷 あすか
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