戦場

今日もたくさん傷ついた。毎日毎日、言葉のナイフが私を突き刺す。少しずつ、少しずつ傷は深くなっていく。痛くて痛くてたまらない。それでも私があの人にしがみついてるのは、自分に自信がないから。これを逃したら、もう。私にはあの人しかいないんだ。

今日もたくさん傷ついた。降り注ぐ刃物はついに私の心臓を捉えた。瀕死の私の恋心はとうとう事切れた。戦友の亡骸の前で、明日からのことを思った。それでも私にはあの人しかいないから。流れる涙に話しかける。
「あなたはまだ生きてたんだね」
たくさんの墓標を背に、私はまた死地に向かう。

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