日向

日向(ひなた)と言います。短編小説を中心に稀に投稿。猫のように気ままに。気楽にいこう。

日向

日向(ひなた)と言います。短編小説を中心に稀に投稿。猫のように気ままに。気楽にいこう。

最近の記事

無音

僕らに、言葉は必要無かった。 言葉を交わさずとも意思疎通は可能だった。 お互い何を考えているかが、わかっていた。 君が前を歩けば僕はそれについて行き、僕が立ち止まれば君は振り向いて立ち止まってくれた。 君が怒っているときには僕は頭をすぐに下げ、僕が悲しんでいる時には、君は頭を撫でてくれた。 笑うタイミングだって、一緒だった。 普段通りの日々、言葉が要らない僕らの距離。 その距離が嫌に居心地が良くて、きっとこの日々は当たり前にいつまでも続いていくんだと、そう思って

    • もう叶わぬと自覚する日まで

      失恋した。 とは言っても、告白すらしていないのだが。 ただ、失恋した。 告白していないのに失恋する、なんて言うからには答えは俺の中では、ひとつだけ。 彼氏というものが出来たらしい。 らしい。たぶん。 本人確認はしていないが、インスタに仲睦まじい姿がストーリーとして投稿されていたからには俺の心の中はそれ一択で染ってしまった。 今更ながら、告白していればこれほど哀しむこともなかったのではと考えてしまう。 自分と、彼女とで答えを明確に示していれば、綺麗さっぱり

      • 模範解答

        「〜〜〜〜を答えよ。」 嫌に高圧的なその用紙を目の前にして、僕は片手にシャープペンシルを回しながら目の前の黒板の日直の名前を眺めていた。 どうしてこう、テストと言うものは歳を重ねるごとに偉そうになっていくんだろうか。 小学生の頃はまだ控えめに、答えましょう。とか答えてください。だったのに。 気がつけばこれほど偉そうになってしまっている。 そりゃ解く気もなくなるってもんである。 わかってる。自分が傲慢で不遜な態度をとっていることは。わかってはいるのだ。 気がつけ

        • 猫の日暮れ

          人間というのは億劫だ。 毎朝ほとんど決まった時間に起きて、ご飯を食べ、学校や会社に行き、くたくたになって家に帰り、布団に沈むように寝て、また次の日に目を覚ます。 仕事や勉強でなくても、家に残って、掃除や洗濯、料理をして、誰かの帰りを待ち、ときに叱って、叱られて、誰かを傷つけ、誰かに傷つけられて。 有意義なようで無意味な、そんな日々の繰り返し。 決められたレールを走る列車のように、人間というものはとにかくルールに縛られていることが好きなようにしか見えないね。 時間に縛

          はじめまして。

          この記事を読んでくれてる皆様。 日向(ひなた)です。笑 はじめまして、ですね。 当たり障りのない開始文句通りの、これと言った特徴の無い、ただの実社会に生きる人間です。 短編小説を書いたり、小説にもなりきれない散文を勝手に置いて帰ったり、日記みたいなことをしたり、何かに縛られる事をせず、猫のように気ままに更新できたらなと思います。笑 猫、好きなんですよね。皆さんはどうですか? …脇道に逸れそうになったところで、皆さんにお願いがあります。笑 日向はお題を常に募集して

          はじめまして。