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元保育士母が考える「保育園見学のポイント」

ついに私も「保育園見学」に行ってきました。

今までは保育士側だったので、なんとも言えない不思議な感覚に・・・

いざ案内される側になってみたことで「どこを見ればいいの?」「質問ありますかって言われたけど、具体的に何を聞けばいいの?」となる感覚がよくわかりました。あれ、何がなんだかわかんないまま終わりますね。

というわけで今回は実際に見学したときのことを踏まえて、私が「見学時のポイント」だと思う点をまとめてみます。

「こういう保育園はダメ」ということではなく「こういう可能性があるかも」「こういうところを見るのもありかも」という感覚で捉えていければ幸いです。

※保育園選びに悩んだ際は「子どもがすくすく育つ幼稚園・保育園」をぜひ!保育園のシステムから早期教育のことまで、幅広くわかりやすくまとめてあります。

園長の対応

今回行った保育園では、見学の対応はすべて園長先生が行っていました。

・最近の保育園事情(こども園への切り替えについてなど)
・この保育園がこだわっているところ

について簡潔に話してくださった後「じゃあ自由に見学していただいてOKです!」というフリースタイル。

自由に見ていいということは「見られて困るところはない」ということかな?すごい自信だなぁと感心?してしまいました(笑)

乳児(0~2才)の部屋など入りづらいところは案内してくださったり、質問に答えてくださったりというフレンドリーな空気。

保護者さんの「保育参加」もやってるんですよ。昨日はおふたり来てくださいました。

とおっしゃっているのを聞き、各クラスの動きも園長が把握しているのかなと。

保育園によっては、

・園長は運営に関することしかやらない
・見学案内時は「こんな保育をしています」と話すが、表面的なことのみで実際はノータッチ

というところもあったりします。

園長方針で保育の進め方が決まることは多いので、現場を把握していない人がトップだと「それは違うんじゃ?」となることも・・・

実際、「園長がやりたいこと」と「現場に必要なこと」が離れていき、一斉に保育士が退職したところもありました(ちなみにそこは園長がヨコ○ネ式を強引に進めたのが原因でした)

そのあたりを踏まえて、個人的には「園長が普段から保育に関わっているか」というのが重要ポイントだったりします。

「園長が園内を歩いていて子どもたちとの会話があるか」というのもひとつ目安になるかもしれません。普段から子どもたちとの関わりが多い方なら、子どもから「園長先生何してんのー?」なんて声をかけられたり、園長先生が「お、○○ちゃん今日髪の毛結んでるんだねー」なんてさり気なく話しかけたりすることもあるかも。

園庭(運動場)の有無・広さ

園庭の有無・広さは子どもたちの日々の遊びに直結します。

「必ず園庭がなくてはいけない」「狭いのはダメな保育園だ」という気は全くありませんが、体を動かす遊びはどう確保しているのか(普段はどこで遊んでいるのか)確認しておいた方が良いように思います。

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保育園内で体を動かす場合、体育館(ホール)・屋上などを活用しているところが多いかな。スペースがどうしてもないところは、体操教室の間だけひとつ部屋をあける(その部屋の子どもたちに移動してもらう)というパターンもありました。

園庭がない代わりに、必ず毎日さんぽに行くのを決まりにしている保育園も。ただ、園庭がないとなると外遊びができるのは基本的に「午前中のみ」になると思います。午後はお昼寝・おやつ・お迎えがあるのでなかなか園外に出ることはできません。

園庭がある園は、おやつを食べ終わったら外遊びというところが多いです。毎日が積み重なると、外遊びができる時間が大きく変わってくるとは思います。

園庭はあるけれど園児数に対してせまい場合、各クラス順番に使うことも多いです。曜日でクラスを決めていたり、時間で区切ったり、やり方はいろいろ。

都会は特にスペースが限られているので、保育士さんたちもどうにか工夫して遊べるように頑張ってくれています。

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今回見学した園庭は広く、あちこちに植物が植えられていました。端のフェンス沿いには雑草もちらほら。

以前「自然とのふれあい」を重視している保育園に勤めたことがあります。園庭を囲むフェンスの外側には園長ご自慢の花壇があり、いつも季節の花々が咲いていました。

フェンス越しに花壇の花には触れます。でも、キレイに植えてある花をちぎるのは×。園庭内には雑草は一切ありません。

砂遊びをしていてよくあるワンシーン、カップに砂をぎゅぎゅっと詰めて、ひっくり返して「ケーキ!」その上にお花や葉っぱを飾り付けて遊ぶのはどこの園でも定番の遊びですが、そこでは飾る植物がありませんでした。

保育士が十分に足りている時は少しだけフェンスの外に出て、下に落ちた花びらを拾って園庭に戻ります。その時の子どもたちの嬉しそうな顔。

ちなみにこの保育園では砂場に水を入れるのも禁止。いつもサラサラの砂で、あそびに使える植物もなくて・・・遊びの幅がずいぶん狭められているように感じて、残念だったのを覚えています。

子どもたちが自由な発想であそびを広げられる、ゆったりした環境がある保育園がいいなぁ。

室内の様子(おもちゃ・ロッカーなど)

次は室内、子どもたちが普段過ごすお部屋の様子です。どこを見たら良いのかわからないまま終わってしまうことも多いので、ポイントに分けてみました。

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まずはおもちゃや絵本。「どんなものが部屋に置かれているか、子どもたちはどんな風に遊んでいるか」です。

あまりに汚すぎたり収納の仕方が雑すぎたりする場合、環境設定にあまり力を入れていないのかな・・・と少し不安になってしまいます。

かといってあまりにキレイすぎるのもそれはそれで少し不安。子どもたちが遊びやすかったり、片付けやすかったりといった配慮を感じるところが理想です。

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子どもたちのロッカー、引き出しなども意識してみると良いかも。保育園によっては中を見せてくれるところもあるかもしれません。どんな服をどれくらい持ってくるのか、入園後のイメージが湧きやすくなると思います。

紙オムツなのか布オムツなのか、汚れたものは持ち帰りかどうか、そこも要チェックです。保護者向けの掲示物(クラスだより・給食メニューなど)もチラッと見ておくといいかも。

給食(展示食・配膳方法・お弁当)

時間にもよりますが、給食の「展示食」が出ているところもあります。実際の給食がガラスケースなどに入って置かれているものです。これを見ると実際にどんなものを食べているかイメージしやすいと思います。

保育園によっては、人気メニューのレシピメモが持ち帰れるところも。

離乳食の時期だと、中期食・後期食というように分けて展示してあることもあります。どんな形状の物をどの程度食べればいいのか、目安がわかってありがたいという声がよく出ていました。

配膳方法もいろいろ。給食室ですべて盛り付けたものを配るところもあれば、すべてクラスで配膳するところ、汁物のみクラスで配膳するところ、様々です。

「お弁当の日」がある保育園もあるので、そこも確認しておくと安心。

幼児の姿

入園時の我が子はまだ赤ちゃんなことも多いですが、少し先を考えて、幼児さんたちの姿もぜひ見ていただきたいところ。幼児さんたちの姿は、我が子の数年後の姿です。

のびのびと遊ぶ、保育士の話をよく聞くなど、どんなお子さんに育ってほしいかは各ご家庭で違うと思います。こんな風になってほしいなぁと思えるようなお兄ちゃんお姉ちゃんたちの姿が見られると少し安心できるかもしれません。

また「幼児に対して保育士がどんな風に対応しているか」も意識してみると良いかも。

今回行った園では、お兄ちゃんお姉ちゃんたちが「わー、赤ちゃんかわいい!」と一斉に駆け寄ってきてくれました。保育士はそれをすぐに止めることはなく安全に気をつけながら見守ってくれて、しばらくしてから「じゃあ赤ちゃんにバイバイしようねー」と声かけ。

ここで例えば「今は○○の時間でしょ!」と部屋に戻るのを促す保育士さんもいるかもしれません。もちろん幼児さんの活動のタイミングもありますし、その一場面だけで何かを判断できるわけではありませんが、声掛けの仕方から普段の様子が少し伝わってくるかもしれません。

テレビの有無・使い方

次に、テレビについて。ない保育園もあるし、あるところも結構あります。

雨の日など計画を立てて使う(体操・しまじろう・アンパンマンなどを見ながら体を動かす)というところもあれば、夕方は毎日一斉にEテレを見せるというところもありました。

テレビ自体が悪いとは思いません。ただ保育園でわざわざ見せる必要があるのか?というと、個人的には「うーん・・・」というところです。

保育園でテレビを見せるのはどういう時なのか、なぜ見せるのか。私は「子どもに対して保育士が少ない時、事故やトラブルを防ぐため」なんじゃないかと思うのです。

テレビを見ているとき、子どもは画面に集中します。その間は保育士がほぼ何もしなくても、トラブルが激減するんです。

子どもたちが自由に遊んでいたり、立ち歩いていたりすると、怪我や事故の可能性は格段に上がります。転んで頭を打つかも、子ども同士ケンカして引っかき傷や噛み跡を付けてしまうかも。一部屋にいろんな年齢の子を集めている時は、大きい子が赤ちゃんを踏んでしまうかも。赤ちゃんが幼児さんのおもちゃを口に入れてしまうかも。

そういうリスクをぐっと下げ、保育士の労力も格段に下がる(少人数でも見やすくなる)のがテレビのパワーなんじゃないかと思うんです。

朝や夕方など「延長保育」の間、保育士数が少なくなります。その時間の子どもの数や状況によっては、テレビに頼らざるを得ない状況もあるのかもしれません。現場の先生方はきっと一生懸命がんばってくれています。

※ブログ「ヒナスイッチ」2017年9月27日の記事を移動しました

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