ウエスト症候群④サブリル服用決断までの葛藤
2021年12月後半、私はサブリルの使用同意書にサインをしました。
ACTH退院後、次に予定しているサブリル(ビガバトリン)は処方医療機関が限られているため、市大病院へ転院する必要があるとのこと。
私は娘を出産した今の病院にとても親近感があり、ACTH入院の際も安心して娘を預けることが出来ました。医師はもちろん、たくさんの看護師さんに見守られ助けてもらった感謝しかない病院です。離れるのは心細いけれど、娘のための次のステージ。次の病院は、父が緊急搬送された際にも命を救ってくれたことのある大きな病院だから、きっと大丈夫!そんな思いで、市大病院へ通うこととなりました。
早速、サブリル(ビガバトリン)の説明から始まります。
海外では主流で歴史が長い薬品であり、日本国内では使用されるようになってから数年で、すでに効果的な実績が多く報告されているんだとか。医師は気軽に「次はサブリルを行っていきましょう」と言います。
視野に問題が出ることがありますが、チームと薬品会社全体で管理して見て行きます。異常はすぐに発見して、その際は投薬をやめます。と、安全そうに言います。それなら安心していいのかな、と聞いている時点ではそう思っていました。
帰宅して資料に目を通す。
サブリルについて一般的に配布される資料はやたらと幼稚園タッチで優しい案内がほとんどです。しかし内容は、重い副作用についてや注意事項だらけ。
視野狭窄、視野障害、視力障害、視神経萎縮、視神経炎といった目への副作用報告が多いために、服用中は定期的に眼科への検査入院が必要となります。不眠症や傾眠、食欲減退といった副作用も伴います。
さらに、使用同意書に添付されている堅い文書をよく読むと、視野狭窄のほかにも、てんかん重積状態、ミクローヌス発作、呼吸障害、脳症症状、頭部MRI異常、運動障害といった重い副作用の報告もごくわずかにある等、リスクについてさらに詳細に書かれていました。異常が出た場合には、元に戻ることはない、と。
これは、恐い、恐ろしい、なんて恐ろしい。
「どんな症状がでたとしても、全て親御さんの了承を得た上のことですよ〜」
使用同意書からそう聞こえてくるような気分でした。
娘にしてあげられることが、今、これしかない。
こんなにリスクのある毒のような薬。それを与えるのは親。
こんなに苦しいことはない と暗い時間を過ごしたのを覚えています。
でも、娘の発作を減らしてあげたい、娘の笑顔が見たい。
これまでに一番効果的だったACTH2回目の治療は、1回目から半年以上間隔を空けないと行うことができない。
悩みに悩んで熟考の末の同意書提出となりました。
しかしサブリルは娘にとって全く効果がなく、二度目の眼科検査で数値に異変が発見され服用中止となります。
急な服用中止や減量ができないため、減量は計画的に行われました。異常がでていると解っていても服用させなければならない。とても苦しい減量期間でした。
服用記録
服用(処方)記録
1/16服用開始 400mg 脳波検査 変化なし
1/18 600mg 脳波検査 変化なし
1/24 眼科検査 異常なし
2/1 800mg 脳波検査 変化なし
2/8 1000mg
2/14 1000mg 脳波検査 変化なし
2/22 1200mg最大量 脳波検査 変化なし
3/1 1200mg最大量 脳波検査 変化なし
3/15 1200mg最大量 脳波検査 変化なし
3/31 1200mg最大量
4/7 1000mg 減量開始
4/11 眼科検診2回目 異常あり
4/15 800mg 杏先生の治療にかかるようになりここから減量スピードを個人的に早めました
4/25 600mg
4/30 400mg 実際の服用終了はこの頃
5/5 200mg
5/10 終了
⑤食欲不振と体重減少 薬の整理 へつづくよ