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シェムリアップの山の天気の変化を体験して感じていること3つ

 早速サンセットを見にトゥクトゥクに載せてもらって出発しました。ちょっと雲行きは怪しいかなと思ったけれど、日本から傘を持ってきてたけれど、ユニクロのパーカーがあればどうにかなるかなと高をくくってました。
 結果はずぶ濡れ、濡れネズミのようになりました。
 何故かと言うと、折角だから山の上のお寺まで登ってそこからアンコールワットを見下ろせるところでサンセットを見るのがいいよっていう、ホテルのスタッフのお兄さんのご意見を聞いてそうしたの。
 そしたら300メートルに満たないくらいの低い山の上なんだけれど、滝のような雨が降ってきて、おまけに雷までなって、それでも時々太陽が見える。ふもとは全然雨が降っていなくて、濡れているのは私達だけ。
 それもある瞬間突然降りだした。
 私はおなかも弱いし、ここで風邪をひいて、体調崩すわけにはいかないなあ・・と思ったのだけれど、ついてきてくれたトゥクトゥクのドライバーはきっと逆で、旅行者は何としてでも見たいんじゃないか?って気を遣ってくれて、彼は、もっと普通の生地のホテル支給のTシャツを着ていたから、雫が出るくらいだった。逆にその姿を心配して、「あなたそんなに濡れたら風邪ひいて、明日お仕事できなくなったら大変じゃない?」って言ってみたら、「自分はこれで帰れば家に帰るだけだから大丈夫だよ!」ってにっこりしてくれる。そっか、こういう国の人はきっと体が丈夫なんだ。だからとことん付き合おうと思った。ちゃんとちょっと小やみになった隙に、目指す寺院の急な階段も昇って、更にずぶ濡れになりながら、アンコールワットのお写真もパチリ。ガイドブックはみんなきれいな写真だけれど、雨の中の写真は自分のもの。きっと普通のツアーだったら中止になっているだろうから、これも貴重な体験!
 帰るきっかけは、靴が水にぬれてフガフガ言い出した。私はこの靴しかないから、乾かさないといけないんだけれど、ドライヤー乾かすしかないかな・・って言ったら、ホテルスタッフに言ってもらったら、何かしてくれるかも? さらに、私のズボン、これしかないんだけれど、相談に乗ってくれるかな?って言ってみたら、スタッフに行ってみたらいいと思う、そんな会話をしているうちにまだ日は落ち切っていないけれど、自然と帰る雰囲気になった。
 帰ったら、スタッフの人に「靴、明日までに乾かしたりしてもらえないかしら?このズボン、乾かしてもらえるかしら?」と言ったら、ランドリーに何とか出来るか聞いてみると言ってくれて、結局速攻回収に来てくれた。さあ、いつお戻しかわからないけれど、明日の集合は4時45分。だって日の出ツアーだもの。

前置きはこのくらいにして・・・

1.山は大雨でも麓は晴れていたら、麓の人は大雨だと想像が出来ない。
  これは、改めてそうだな、って実感したこと。同じ地域で本当に近所に行っているだけだから、まさかずぶ濡れになっているとホテルのスタッフは想像すらついていないと思う。日常でも、ほとんどおんなじじゃんって思っていて実は違うって言うことはいくらでもあって、そういう想像力が働かない人は残念だなあ・・と思う。でも逆に自分も危ないと思う。だから麓にしかいなくて、山の上のことをあれこれ言うのはやめよう。

2.状況がわからなくても、困ってる人を見たら何とかするというのが、人として本当に基本問題だと思う。
  実際には、そこまでずぶ濡れって、声をかけたフロントの人は全く想像していなかったと思う。だけど、私が何とかできない?って頼むから、快く何とかしようとしてくれた心意気がこのホテルの真のホスピタリティ。
  よくいるんですよね。「そんなはずはない。」とか言っちゃって、てこでも動かない人。「ほんまなん?」って言いながらでも、希望に沿ってあげられるような優しさを持ちたいと、心底思いました。

3.山の天気のように、状況がいきなり変わるようなときでも、どこで何を決断するか、ちょっとくらいイレギュラーでもいいかも。
  私はね、自分の中ではかなり早い段階で撤退を決心していたのだけれど、ドライバーの優しさが理解できたから、少し待つことにした。おかげで、帰りのトゥクトゥクでは風が体にこたえたけれど、それでも、そう言うのも悪くない。何でも杓子定規に決めていくよりも、そういう人間らしさがあってもいい。いつも、自分は何でも秒速で決めて決めた通りにやりたい人だけれど、今日は不思議に相手の気持ちに合わせてもいいかな・・と思えた。寒かったし、風邪ひきそうだし、こういう時にお風呂の水がたまらないのが痛いなあ・・と思ったけれど、そういう論理的な思考から離れたところで決めることがあってもいい。非合理な決断も時には味があっていいかな。こういうことの方がずっと思い出になるのかもしれません。

 昔は本当に余裕のない人だったから、こういう時に、無理に我を通そうとしたかもしれません。それで台風の中、電車にも乗れたし、飛行機もちゃんと飛んでくれたし、だからこそ来れたこの土地で、そういう様々な人たちの努力の上に成り立っているこの機会を台無しにしてたかもしれません。

 年を重ねることで、出来ないことも増えてきましたが、見えなかったことが見えてくる。そういう人生のアドベンチャー、これも悪くはないなと思うようになりました。

 ここに来て本当に良かった。
 ちなみにマッサージ(これも無料サービス)のあと戻ってきたら、靴も、びしょぬれだった服も全部戻ってきていました。
 本当にこのホテルには頭が下がります。

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