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コミックエッセイを出版して変わったこと

イラストレーター&文筆家&漫画家の陽菜ひよ子です。
このnoteでは、今までしてきたお仕事をご紹介しています。
主な内容は、お仕事の詳細や感想、依頼されたきっかけなど。

イラストをご依頼される方にとってのサンプルとなるだけでなく、イラストレーターを目指す人が参考にできるような内容を目指しています。
今までの記事は、コチラからご覧になれます。


実話コミックエッセイを出版

今から5年半前、初めての単著であり2冊目の著作である「アトピーの夫と暮らしています」(PHP研究所)を出版しました。

この本については、このnoteには何度も何度も何度も書いているので「もういいよ」って方は読み飛ばしてやってください。

本の出版までに至る経緯ついてはコチラの記事が詳しいです。本を出したいと考えている方には、お役に立てるかもしれません。(有料記事です、すみません。。。)

今までは、本が「出るまでの経緯」について触れることが多かったので、この記事では、本が「出てからの状況」を中心に書きたいと思います。

まずは軽く内容に触れますが、興味ない方はこれも読み飛ばしてください。

本書の内容

この本は、2011年の初めから2015年の春にかけて、約4年半にわたる夫の「アトピー闘病記」です。

夫のアトピーが重症化し、会社を辞めました。東京から私の地元名古屋に引っ越し、カメラマンとして活動を始めるまでの経緯を、妻である私の目線で描いています。

アトピー患者さんだけでなく、全くアトピーに関わりのない方にも興味を持っていただけるように、という想いで企画しました。

医学用語なども登場しますが、コミックエッセイのため、サラリと読みやすいことがポイントです。

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全力で推されたアトピー本

この本を出版した時に、当時の丸善名古屋本店のS店長(現・エリアマネージャー)が気に入って下さり、(コミックエッセイ作家の)新人の本としては異例の大々的な展開をしてくださいました。

周りに錚々たる方々の本が並んでいます。左が「半沢直樹」奥が「孤独のグルメ」右は村上春樹!!

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写真の全体図です。ドドドーン!

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丸善名古屋本店さんに入ってすぐ目の前の一番目立つ陳列台に、このように並べていただいたのでした!!

まさか自分の本が、こんな風にベストセラーに囲まれて売られる日が来るとは!これはもう家宝です。S店長には足を向けて寝られません。。。

丸善名古屋本店さんでは、サイン会&トークショーも行っていただき、お陰さまで満員御礼。ありがたや~~~。

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地元・中日新聞にも取材いただき。。。感謝感謝。その後書評も掲載いただきました。

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CBCラジオ(「広瀬隆のラジオで行こう!」)にも初出演!

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お呼びくださったCBCアナウンサー・渡辺美香さん、ありがとうございます!!

同じく、名古屋リビング新聞社の編集長主催のラジオ「よかよかnight」にも呼んでいただきました!

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それだけではありません。

愛知県豊橋市が本拠の精文館書店には、カリスマ書店員さんがいます。昨今の文芸小説の帯の書店員レビューには大概名を連ねている、というスゴイ方!

そのカリスマ書店員さんがご自身の担当された「女性自身」(光文社)書評レビューで、この本を取り上げて下さったのです!

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ただナゴヤに住んで本を出したことで、こんな風に「推して」もらえるというのは、うれしい誤算でした。


アトピー本を出したことで起きた変化


この本は2015年の秋に出版し、ちょうど5年後の2020年秋には、3冊目の本であり新刊の「ナゴヤ愛 地元民も知らないスゴイ魅力」を出しました。

アトピー本を出さなければ、次のナゴヤ本を出すことはなかったかもしれません。アトピー本を出したことで、私の「ナゴヤ」に関する気持ちに変化が起きたからです。

カリスマ書店員さんをはじめとする、ナゴヤの書店員やメディアの皆様の力強いバックアップは、それまでどちらかというと「アンチナゴヤ」であった私の気持ちをとろっとろに溶かして行ったのです。

私はいつのまにか「ナゴヤ愛」にあふれた人々に囲まれて暮らしていることに気づきました。その衝動のまま、ナゴヤ本の企画書を書いたのです。


著者とイラストレーターとの違い

10年以上イラストの仕事をしてきて感じるのは、イラストの仕事で関わる人って本当に少ないということ。

ライターさんであれば、インタビュイーや著者に取材するし、カメラマンは被写体となる人を撮影します。

でもイラストレーターは、出版の場合、編集さんかデザイナーさんとのやり取りだけで完結することがほとんど。中面イラストなら、編集さんとのやり取りでイラストが完成し、見本誌をいただいたらそこで終了です。


イラストで一冊の本を担当しても、それは「私の本」ではありません。本は著者さんのものであり、私の名は奥付(本の最後のページ)に書かれるだけで表に出ないのです。

自分がイラストを担当した本を書店で見かければうれしいですが、だからといって、イラストレーターが何か書店に働きかけるという事はありません。以前は本の挿絵を何冊も描いても、書店員さんとのかかわりはゼロでした。

でも著者として本を出すと、それまで関わりのなかった書店員さんや出版社の営業の方との関わりが大きくなります。こうやって本は作られ、売られて行くのだということが、肌で感じられるようになりました。

出版後、ナゴヤの書店さんは、私がイラストを担当した本も推してくださるようになったのです。これもとてもうれしいこと。

つまり、私がイラストを担当すれば、ナゴヤの書店では結構いいところに置いてもらえるってことですよ!(。。。たぶん)

クリエイターにとって、東京に住む恩恵って本当に大きいです。住んでいたからこそわかります。それは今も否定しません。けれど、地方には地方の持つ良さもあります。

ナゴヤの場合は、他と比べて「地元の作家推しが強い地域」であることもそのひとつです。このシアワセは、東京に住んだままだったら、味わうことはできなかったでしょう。


サイン会&トークショーと同時に丸善さんでは個展を行いました。その搬入の様子。

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担当編集Tさんと一緒に。Tさん、本当にありがとうございました。

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足を向けて寝られない、丸善名古屋本店さん(2020年10月・宮田雄平撮影)

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