dilemma-man ジレンマン

「死にたい!死にたい!だれか私を殺して!」

首都・S市。人々は”彼女”の暴走が始まってすぐ、警報とともに展開されたバリケード内へ避難し、頭突きで町を破壊し続ける”彼女”をただ傍観していた。

「今回の『ジレンマン』の症状名が政府より発表されました!『スーサイドサバイバー』!『スーサイドサバイバー』!」

バリケード内の有機EL画面でアナウンサーが叫ぶ。

「ほらな!やっぱり」「どういう意味?」
「『自殺願望』が『生存能力』に変わっちまうジレンマってことじゃねぇか?」「俺の予想通りだ!」

『スーサイドサバイバー』と名付けられたのはうら若き美少女だ。特殊部隊は彼女へ銃弾や砲弾を連射する。少女は喜びに笑いながらそれを受け……だが死んでいない!そして苛立った彼女はまたビルや戦車に自暴自棄な頭突きを加え、破壊するのであった。

「『ソーリィメン』、早くあの子を止めに行かなきゃ!」
「ダメだ……俺のジレンマじゃ戦えない!」


-[つづく]-

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