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煙と密 第二章 【読了】

永蔵ヒロコ著(2020年7月発行)

待ってましたー!!!!もう私のバイブルです!

第二章の表紙の絵柄が公表された時「ひぇっ」と声が出ました。
前回より接近してる!!

前作がこちら。

続きは第一章最後の「3年後に結婚」することが判明したところから始まります。

まだ出会って間もない様子ですが、姫子は文治にぞっこん(死語)。
「文治様は優しくて、大人で、とても素敵な人です」と何度も繰り返しています。
その文治と3年後結婚すると知り、できるようになりたいことをノートに記したり。
何ていじらしい!!
そのノートを見た文治も笑いをこらえてました。(多分読者と同じ気持ち)



姫子が文治に抱いている感情は「戀(恋)」なのは間違いないですが、文治が姫子に向けている感情は「愛情の一種」。
loveではなく大人が子どもを見守る保護愛に近いような。
まぁ恋愛ではなく「許嫁」で「18歳差」ですからね。
本編では双方が「本物の愛」に移ろっていく様子を見守っていくことになるのでしょう。



3年というのは12歳の姫子にとっては長く感じる様子。
ねーね達やお母さんにとっては「すぐ」、「一瞬」
文治にとっても「待てる長さ」(桃栗3年になぞらえ)

3年の感じ方の違いに加え、タバコを嗜む文治やねーねに距離を感じます。


東京のお屋敷に住んでた姫子と出会った時(5歳)から娘か妹か?といわんばかりに可愛がっている龍ねーね。

当の姫子は文治と出会って以来、彼に見合う大人の女性になれるように願いっている。
ふと背格好が大きくなったのに気づく。
大人にとっての3年は短い…姫子の心も体もあの男(文治)のものになってしまう…成長が嬉しくもあり、寂しいのです。

残された時間は(大人的には)僅か。
そんな時姫子は「何でもできて、美人で優しい、龍ねーねは私の憧れ」と言われ、救われるのでした。

龍ねーねは文治のことを快く思っていないのか、他の女中と態度が違います。
それも保護愛からきてるのか…単純に文治のことが嫌いなのか(現時点では)その辺の表記はありません。

現民法では女性は16歳になれば結婚できますが(※22年から男女とも18歳になります)、姫子は1歳若く15歳で結婚予定。
現在だと早くない!?と思われてそうですが、当時ならそうおかしくなかったかもしれません。


会話中、文治と姫子の縁談について明かされてます。
本人の意思なく家同士が決めた婚姻。
文治の許嫁(姫子)は大層良家なご令嬢、対して自分は強面の軍人。
坊主姿は人相が悪い。
(軍人でありながらも姫子に)怖がられないようにという配慮で髪を伸ばしています。


季節は移ろい、二人の距離(表情や会話)が縮まっていることがあちこちに表現されています。
大人になるために悩んでる姫子に助言(+褒め倒し)
手洗いイチャイチャ
馬デート
大人男性の髭事情とピチピチ(死語)12歳のもち肌

とりあえずイチャイチャな!!!!!(大声)

萌えが過ぎていちいち大声出ちゃうからー!
姫子同様、大人に振り回されて正気を保つのが難しいです。(自分も大人)

女中たちと恋バナに花を咲かせてる姫子は乙女そのものです。
文治に対する考察が深く、ご令嬢らしく教養を感じる表現をしていました。
出会ってからの沢山の出来事が頭をよぎり「一番」は決められない様子。


前巻同様、終盤に文治の軍人としての一面が垣間見えます。
人の上に立つ者としての顔はまだ幼い姫子には見せられないですね。
姫子宅を訪れる際は仕事の顔は消し、笑顔で門をくぐります。

いつか仕事の顔を見る日も来るのでしょうが、姫子も大人になり受け入れられるようになるの…かな。


あー早くも次巻が楽しみ。
前回からのペースを考えると次巻は来年頭くらい?



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