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パクリとリスペクト-2020/07/04

最近に始まったことではないが、人様の作品に対してリスペクトの足りない事件が後を絶たない気がする。

イラスト系の創作界隈ではひっきりなしに『トレパク』の話題が出てくる…SNSで発信する為だけのものだけでなく、金銭が発生した場合でもだ。

※『トレパク』とは、トレスという図案を写し取る技法を使ったパクリ(盗作)行為のこと。

アマチュアだけでなくプロも行っているところが怖いところで、イラスト創作界隈に詳しくない人でも知っていそうな、最も有名なパクリ騒動はおそらく東京オリンピックのロゴ問題だろう。

飲食業界でも、1年前位にシンガポール発の有名人気瓶入りティラミス店『ティラミスヒーロー』が、無関係の会社にロゴをパクられ、更にはブランド名までもが商標登録され奪われてしまった事件が起きた。
現在本家は、日本では元々のロゴが使えなくなってしまったため『ティラミススター』『アントニオヒーロー』(アントニオは、看板キャラクターの猫ちゃんの名前です)と変更してお店を出しているが、こんな理不尽な事がまかり通っていいのだろうか?非常に腹立たしい。
さらに言うと商標登録したパクリ店はこれまでも同様の手口を繰り返していた"常習犯"のようだ。

そして最近は、熱狂的なファンのいるラーメン店『ラーメン二郎』でもとうとう似たようなことが起きた。
元々ラーメン二郎というのはその特徴的な見た目や味から、もはや『二郎というジャンル』といった部分があるため、直系ののれん分けした店の他にインスパイア系と呼ばれる直系とは関係の無い店、品物が多数あるため、おそらくインスパイアすることに関しては本家は問題と思ってはいないのだろう。
しかし問題の店舗は許されなかった。一体何がいけなかったのか?

問題となった店舗は『麺屋 宅二郎』という二郎インスパイア系のラーメンをテイクアウト、デリバリーできる専門店。
二郎というネーミングを入れている上に、外観は本家に類似、更にはSNSではラーメン二郎関連の投稿にアクションを起こしている為、本家の系列店と勘違いするファンが後を絶たなかったという。それで、今回は注意が入ったのだろう。

注意が入ったあとの宅二郎の主張は「不本意ながらラーメン二郎と誤認されてしまった。今後はラーメン二郎と無関係であると明記していく」といったもので、ラーメン二郎のファンからリスペクトに欠けているとより反感を買ってしまっている。

(現在は更に反感を買ってしまったことに対する追記が掲載されているが、個人の感想としてはやはりどこかリスペクトに欠け、ファンが納得出来る内容では無いように感じられた。)

便乗商法や二番煎じというのは、斬新で注目の浴びたアイデアを利用してお手軽に認知度を高められるため『賢い商売の仕方』としてある程度メジャーなのかもしれない。
しかし、アイデアを始めに思いつき世に発信した『開発者』『生みの親』の気持ち、そしてそれに感銘を受けた『ファン』の気持ちを蔑ろにして行う商売というのは、最終的には人に受け入れられることなく静かに幕を閉じるだろう。

イラストや文章という創作も、飲食店のメニューや様々な生活を便利に、そして彩ってくれる商品も、元は誰かのアイデア、『こども』のようなものなのだ。
その事を忘れてインスタントに名声を得ようとするなどという心は捨てて、人々には創作者へのリスペクトの心を忘れないでいて欲しいと、心から願う。


ここまで読んでくださりありがとうございました😊❤️