見出し画像

「児童精神現場でのSDM」のセミナーに参加しました。

北海道児童思春期精神医学セミナーに参加して早5年目。

これまでいろいろ貴重なお話を聴くことが出来ましたが、それでもやっぱり新しい情報がほしい!と何度も足を運んでいましたが先日はオンラインでの参加でした。近日、まとめてnoteにアップできたらと思います。

今回はまたまた2年前のセミナーのお話です。

放デイに通われているこのでも、発達クリニックを利用している方が多く居ます。全員ではないのが現状です。児童精神科というワードへの不慣れさも保護者の方にはまだまだたり、精神科というものへの偏見もあるのか受診を拒む方もいます。

タイトルにもあるSDMとは?

シェアードデシジョンメーキング(Shared decision making)の略称で、サービスの利用者(患者)と提供者(医師)が、意思決定(治療方針の決定)に関して目標を共有し、ともに力を合わせて活動すること。つまり協働的意思決定のことを指します。

クリニックで「治療」となった場合にどのように治療方法を選択する、または考えるか?また、福祉の役割としてどうあるべきかをお話しされていたので自分の感じたことも含めてお話しします。

まずは受診までのプロローグとして

「学校では困っているけど、家では困っていない」というケースはデイを利用していても少なくありません。

また、「本人は困っているけど、家族はそんなに困っていない」等、年齢が小さいと自分で病院を受診して理由や原因を話すことが出来ないため、症状や場面を話すことが難しい場合もありますよね。

保護者自身が病院に対して抵抗があったり、甘く説明できないという声もあります。

ではこのような場合、デイサービスや学校の現場はどうあるべきなのでしょうか?

1番子どもへの理解が深いのは「保護者家庭」「兄弟」「教育機関・担任」「デイサービス」「習い事」等の、直接関わりのある人です。ドクターは人の話や本人の病院受診しに来た様子で判断します。

しかし、そういう時こそ困り感を見せてくれない・・・ということもありますよね。

このセミナーを出て、放デイとして出来ることはなんだろうと考えると

セミナーでもお話していた「様子が分かる紙面等があればドクターはありがたい」とおっしゃっていました。

この意見も踏まえ、やはりこれは「支援計画」なのかなと思います。

近年は自治体の研修などでも「誰が見てもわかりやすい支援計画を!」と言うのを推奨されています。

その市が言うわかりやすいというのは文字がひらがなで読みやすい、専門用語が少ない・・・というものだそうです。

正直なところ、分からない言葉に関して言うとSiriで大体解決する問題でもありますね。笑

なにより、保護者に理解出来るように日々の出来事をきちんとお伝えしていないからそんな困り感を生んでしまう結果になるのでは・・・と私は思います。ガイドラインでも支援計画は保護者の同意の印鑑が必要と記載されていますし、お渡しする際には児童発達支援管理者が説明をして渡すというように注意書きも札幌市のガイドラインにはありました。

では、結果的にこの「わかりやすい」を保護者だけに合わせることが本当に良いことなのでしょうか?

病院や学校、児童館の職員はそれぞれ専門の知識を持ってお子さんと関わっているはずです。

その様な方々と連携をとり易くするする意味でも支援計画は存在するわけです。

全てを理解しようとするのは紙面だけでは難しいものはありますが、お母さんたちにとって施設の様子を伝えたりするのは母子通園していない限り、難しいことですよね。

私の勤務していた放デイの支援計画はそのような困り感に役立つ、家庭だけを支えるのではなくみんなのことを考えた支援計画でありたいなと思い、現状を記載していました。

もちろん、難しいワードや内容があったら気兼ねなく尋ねるように声がけをしています。また、保護者とはいえ、専門知識をつけなければならないような場面は沢山あります。これは虐待を防ぐためでもあり、保護者の自尊心を傷つけないためのシールドとしても心理教育は必要です。

しかし、クリニックに通うのがちょっと怖い、と言う方も結構いらっしゃいます。

「何か聞かれて答えられなかったらどうしよう。」

「どういう話をしたら良いかわからない。」

その様に困った際もぜひ支援計画を使ってほしいと思います。

ドクターもその様な困り感を軽減するために現場とのつながりを強化したいと思って、ケースワーカーさんや相談室などとのつながりを増やしているそうです。

今回、コロナになって更に直接支援の大切さに気づいた医師も多くいます。教育現場はお休みになったところが大半ですが、福祉現場はコロナ禍でも稼働していました。そのような状況で主体的に動けるのは福祉です。

クリニックへの受診の際に、放デイの職員が同行してくれる場合もあります。中には保護者が聾者、盲者の場合もありますね。いろんなケースに対応していくためには福祉が幅を利かせなければならないのが現実的な日本の制度です。

相談室を通すというのも手ではあります。しかし、現場の声を聞きたい医師からすると、直接的な繋がりや、支援計画の綿密さ、普段の様子を書いたノートが現実的とおっしゃっていました。普段の様子を書いたノートも職員の関わりを記入していなければ人どう関わって、どう支援されているか見えません。

それらの情報を集めて初めて診断や服用、環境へのアドバイスが可能となります。受診したからと言ってテストなどを受けて発達障害に関して診断は本来でません。

放デイの選びかた一つに支援計画がどんなものなのかというのも見学の際に目にしておく必要があると思いました。

お掃除係の実習を体験した保育士さん、きちんとした指導・教育を受けられずも頑張る支援者さん…など現場に困り感を持っている方へサポートすることで、子どもたちに還元されるものがあるのではと信じています。よろしくお願いします。