届けたい大学図書館の人

って、私なんです。すみません。

地方の大学図書館に10年くらい勤めています。(現在育休中)

司書資格を取って地元の私立大学の図書館に拾ってもらい、今はこれまた地元の市立大学の図書館勤務。規模的には今の大学の方が大きいです。市立や県立の公立図書館の経験はありません。

10年近く図書館員をやってますが、特に役職のないぺーぺーです。

今は育休で仕事と離れていますが春には復職予定。そして育休という人生であんまりない状況で職場と離れていて、ちょっと図書館や仕事が恋しい状態。

ざっくりこんな状況の私です。せっかくなので少し距離を置いたところから図書館を考えてみようじゃないかなんて。いやそんな大した考えもないけど、ちょっと個人の備忘録的に書いてみようと思い、はじめます。


なんというかシンプルに、図書館員の私にとって大事なことってなんだろうなーって、こないだ癒しのシャワータイムに頭洗いながら思ってしまいました。(もちろん大学図書館員をしていてのハナシです。前述のとおり私の勤務経験は大学図書館しかないのでした。広げ過ぎては身に余る)


やっぱり、第一には「届けること」だと思うのです。

必要とされている資料を必要としている人のところへ、使える状態で届けること。

大学図書館に来る人ってやっぱり大学関係者が多くて、学生や教員は調べたいことがあって図書館に来ることが多いんですよね。

レポートとか課題も出るしね。先生たちは自分の研究とか論文書いたりとかあるしね。

こういうのって、確かじゃないことは書いちゃいけない。当たり前ですが。

確かじゃないことというのは、誰発のどこにいつ載った情報かはっきりしていないこと。

普段ネットで流れてくる情報って結構、この確かじゃないことなんですよね。誰でも簡単に発信できるし、一度発信したものが残り続けるから要注意です。

図書館の資料はほとんどが誰がいつどうやって出した情報かわかっているので、使い易いというのがあります。

なのでせっかくなら図書館の資料を使ってね。と、図書館の人は毎年春の新入生ガイダンスでお伝えしているところです。

たぶん先生たちも学生に、図書館の資料を使うんだぞーって言ってくれてるはず。


で、課題が出たり研究をしていて必要になったりして、図書館に調べ物にいらっしゃるわけです。

だけど調べたいことはわかっててもどの本や雑誌に載っているのか、どのジャンルのオンラインデータベースを検索したら近い情報があるのかもわかってないことが結構あります。

そんなときには我々図書館員がお手伝いします!

と、いうことなんです。


図書館には紙の雑誌や本ってめちゃくちゃ沢山あります。データベースも沢山あるし、図書館によって、施設や機関によってデータベースの使える範囲とかも違うから、探すのって意外と難しい。

で、当然ながらその図書館の資料をよくわかってるのはその図書館の人ってことで。

私たち図書館員はその図書館の中であなたのほしい情報を探すお手伝いします。

必要とあらばうちの図書館にない資料もなんとか入手できるよう手配します。

あなたが必要としている情報の手がかりを教えてくれたら一緒に情報を捕まえに行きますし、情報の探し方を教えることもできます。って図書館のコンシェルジュ的な。

それが私が今一番大事だなって思う「届ける」ということです。


そのためには図書館に入ってくる本をいつでも探せるように整理しておかなきゃとか、この本いるって言われたときにさっと出せるようにもし壊れてたら修理しておかなきゃとか、オンラインデータベースなら検索できるように分かり易いプラットフォームを準備しておかなきゃとかいろいろあるんですけど、それはすべて、いつくるかわからないその情報を必要としている人のところへ届けるための作業。

よくお呼びのかかる人気の情報もひょっとしたら10年間でたった一人しか必要としないかもしれない情報も、要るんですけどって言われたら出せるように、情報が載ってる資料(紙でもオンラインでも)を整理して待っています。

誰かが要るよって言ってくれるのを待ってる。図書館の資料ってなんだか健気でしょう。


うちの図書館は有難いことにスタッフの人数がそこそこ多めなので、本や雑誌の整理、壊れた資料の修理、オンラインデータの管理、図書館利用者と接して実際に資料を探したりする担当などを分担しています。

「こんなかんじの情報が載ってるの、どこですか?」って来た人に「これはどうでしょう」って出した本がハマったときの達成感はすごいです。

即座にさっと「これは?」って返せたときも、いっしょに「そうですねぇ」って悩んで考えて「あったこれだ!」ってなったときも、本当にやったよかったー!ってなります。


これはねぇ、図書館員の醍醐味のひとつじゃないかな。

それでしばらくビールが飲めますもん。

今、授乳中だからノンアルにしとくけど。


だからってタイトルも著者もわかってる本を持ってこいって言われると「検索の仕方と館内の本の並びを説明しますね」ってなりますが。

利用者全員の簡単な検索まで対応してたらさすがに手が足りないっていうのもありますし、ある程度の検索スキルの教育というのもあります。それにプラスして私たちはブラウジングもしてほしいので。

ブラウジングなんてカタカナ使っちゃいましたけど、目当ての本を探しがてらぶらぶらと本棚を眺めてほしいってことです。

そうしたらきっと、ちょっと面白そうなタイトルの本とか、気になってた作家の本とか見つけちゃうと思うんですよね。

そんな出会いも届けたいなと思う。私、図書館員というかもはやただ図書館好きで本好き?お節介なのかもしれません。


そんなかんじで届けたいなと思って、仕事しております。図書館の人。

探し方がさっぱりわからんとか、どこにあるのよってときは声をかけてくださいね。

普段はできるだけ邪魔しないように資料の準備をしてるけど、私たちはあなたに必要な資料を届けるためにいます。

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