古代史構想学 入門編(1)

今から3年前、とあるサイトに「男50歳からの古代史構想学」というタイトルで寄稿した15回にわたる連載記事をこの場で再掲していきたいと思います。内容に少し編集を加えたのでタイトルも「古代史構想学 入門編」と変えてみます。私が50代も半ばを過ぎてから古代史の学習にのめり込むことになった背景やその実態を綴っています。サラリーマン人生の終末期を前にして未だ第2の人生の過ごし方を決め切れずに右往左往する姿を、古代史の謎解きとともに楽しんでいただければ幸いです。

まずは1回目の記事です。

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世の中では数年前から「おやじバンド」が流行っています。会社の先輩にもはまっている人がいて羨ましいと思ってみています。

中学2年になった頃にいとこからクラシックギターを譲ってもらい、フォークソング、ビートルズ、ベンチャーズなんかを我流で弾いていました。文化祭では上級生が体育館でコンサートをやっていて、来年は自分もやりたいと思って仲間とバンドを組みました。

翌年、体育館が建て替えのために使用できなくなるというアクシデントにもめげず、先生に相談して校庭での開催にこぎつけ、本番では友達から借りたエレキギターでベンチャーズとビートルズを何曲か演奏し、締めはチューリップの「心の旅」だったと記憶してます。

文化祭が終わると3年生は受験にまっしぐら。バンドは解散し、ギターを手にする機会は激減しました。そして高校入学後はもう一度ギターをやりたいという気持ちを押し殺して勉学に励み、結局そのままやめてしまいました。だからおやじバンドが羨ましいのです。だったらやればいいじゃないか、という声が聞こえてきそうだけど、自分の腕前ではムリなのはよくわかっているのです。

そんなことでギターをあきらめた私ですが、実はもう一つあきらめたことがあるのです。それが古代史への想いです。小学校6年生のときの作文に「考古学者になりたい」と書いたくらいなので、こっちのほうが本気度が高かったかもしれません。小学6年の社会の勉強で邪馬台国や卑弥呼を習ったときに、なんともいえない興味を覚えたのです。子供の頃から謎解きが好きだったので同じような感覚になったのでしょうか。それ以来、歴史の勉強が大好きになりました。

高校でギターをあきらめてまで勉強に精を出した私ですが、考古学者や歴史学者になりたいという気持ちは細々ながら持ち続けていました。当時のいわゆる共通一次試験(今でいうセンター試験)の社会の科目選択では最も点数が取りにくい組み合わせと言われていた「日本史」と「世界史」で受験することを早々に決めて受験勉強に励みました。そして、いよいよ受験する学部を決めるときになって少し考えました。古代史や考古学をやるなら文学部。
しかし、ここで子供の頃から親に刷り込まれてきた「いい大学に入って、いい会社に就職する」という価値観に負けてしまったのです。受験した学部は経済学部や法学部。結局、ここでも自分の夢をあきらめてしまったのです。

いい大学に入って、そこそこいい会社に入った私のサラリーマン人生は概ね満足のいくものでした。だから、あのときの選択が間違っていたとは全く思わないのですが、そのサラリーマン人生もいよいよゴールが見えてきました。おやじバンドは無理だけど、古代史なら今からでも楽しめる。自分の考えを本にして世の中に送り出すこともできる。

そんなことで4年ほど前から取組みを始め、一昨年の秋頃からいよいよ本格的になってきた古代史の学習。仕事そっちのけで没頭することもしばしば。昨年の夏から自分のブログでの発信も始めました。第2の人生の入り口に立って、少しばかりワクワクしながら好きなことに取り組む様子をお伝えできればと思います。


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