今さらですが「令和」について

今さらですが、新元号が「令和」に決まった時に記したことをあらためて書いて、それに少し言葉を添えてみようと思います。

まず、「令和」に決まった時の第一印象は「ええんちゃう」でした(私は根っからの大阪人です)。漢字から受けるイメージ・音の響きなど、どれも「ええやん、ええ感じ」というものでした。「明治」「大正」「昭和」のどれもが角ばったイメージの漢字で、伝統や格式といったちょっと堅苦しい印象がありました(私は昭和生まれなので「昭和」には愛着がありましたが)。それが次の「平成」になった途端にカドがとれて剛から柔に急に優しくなって、ちょっと締まりのない印象を受けたことを覚えています。こういった過去の経験も含めて今回の「令和」の印象は「昭和」でもない「平成」でもないちょうどいい感じ、と思ったのです。

英字表記は「Reiwa」です。この「R」の響きも軽やかでいい。調べてみると「大化」から「平成」までこれまでに247個の元号が制定されていますが「R」で始まるのは3つしかないのです。ひとつは奈良時代の「霊亀(Reiki)」、ふたつめが鎌倉時代の「暦仁(Ryakunin)」、みっつめが南北朝時代に北朝が制定した「暦応(Ryakuou」です。

話は少しそれますが、学生時代に車を運転するようになって車の名前に興味を持ったことがありました。そのときに、各メーカーが多くの車種にラ行の文字を入れるケースが多いことに気がつきました。今では聞かない車名もありますが、カローラ、カリーナ、クラウン、セリカ、コロナ、センチュリー、カムリ、ランドクルーザー、スカイライン、ブルーバード、パルサー、セドリック、グロリア、フェアレディZ、プレジデント、レパード、ローレル、スタリオン、デリカ、シャリオ、ミラージュ、ランサー、パジェロ、ギャラン、コルト、レジェンド、プレリュード、、、各社がラ行を意識していたのか、それとも偶然なのかわかりませんが、この時代の車でラ行のついていない車名を挙げるほうが難しいと思います(サニーとかシティとか少しはありますが)。当時、私はこのラリルレロの音から軽快に颯爽と走る車をイメージしていました。「令和」の「令」の音にそのイメージが重なりました。

そして恥ずかしながら、この歳になって初めて「令」という字に「良い」とか「立派な」という意味があることを知りました。「命令」「法令」「号令」「発令」など、どれも上意下達のようなニュアンスで使うことばかりだったので少し意外でした。この「令」の字が元号で使われるのは初めてのことです。

「和」は、やわらぐ、なごむ、穏やか、仲良くなる、混ざり合うなど、争うことなく良い関係になること、良い関係でいることを表していて、この「和」の字が使われるのは過去に19回ありました。いつの時代にあっても争いのない平和な時代が望まれたのでしょう。

「令和」は、新しい時代を今までよりもいい時代にしたい、平和な時代でありたい、という私たちの願いを上手く言い表した良い言葉だと思いました。しかし、その「令和」の時代が始まってからわずか1年しか経っていないのに、私たちは今、大きな試練と向き合わなければならない現実があります。明日を今日よりもいい日にしたい、今よりもいい未来を作りたい。そういう想いでこの試練に立ち向かいたいと思います。




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