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おわりに/日記の更新をやめることについて

 クリスマスイヴの日記を最後に、「姫乃たまの日記」は更新を終了します。

 アカウントは存続しますが、定期購読マガジンは廃刊となります(記事は非公開にはなりません。今後も単品での購入は可能とのことです)。

 「はじめに/日記を販売することについて」にも書いた通り、日記はどんなに他愛ない内容でも、その日そこにしか存在しなかったことの貴重さを教えてくれます。

 日記は美しく面白いからこそ、最初から今日までずっと書き過ぎてきました。

 地下アイドル卒業前の怒涛の現役生活から、地下アイドル最後の日、卒業後の急激な精神病の悪化、現在まで続いている闘病生活を二年以上に渡って綴れたのは、とても貴重な経験でした。

 二年分の日記が全てインターネットに公開されているのもしみじみ恐ろしいですが、その日記を公開直後から数百名の方が常に読み続けてくださったことに何より驚きつつ感謝しています。

 もともと地下アイドルを卒業する2019年4月30日を目処に、記録目的で公開をはじめた日記でしたが、予想もしていなかった購読者数と、途中で購読をやめられる方の少なさ(!)に後押しされて、今日まで書き続けることができました。

 同時に、卒業の日で終わらせておけばよかったと悔やむ気持ちも常にありました。

 あんなに努力して実らせた華々しい日に毎日泥を塗っているようで、ここまできたら治療に蹴りがつくまでは書き続けなければと思っていました。

 しかし、今日でいきなり病気が終わりという日は来ません。

 地下アイドルを卒業してから最もよく聞かれたのが、「卒業して何が変わりましたか?」でした。地下アイドルのライブに出演しない/できないなど、変化がなかったわけではありませんが、成人していきなり大人にはなれないように、卒業公演の1日だけで決定的に何かが変わるわけではありません。

 私は卒業して二年以上も経ったクリスマスイヴに突然、自分がもう地下アイドルじゃないことをはっきりと自覚しました。

 ちっとも華々しくないけれど、それでも本当の最後まで書けて本当によかったと思っています。そして病気にもそのような日が来ることを願っています。

 これからはまとまった文章の執筆に時間を割く時期だと思っています。

 生活の中で絶えず自分の書きたいことを考え、自分の救いになる文章を書き続けたいです。それがいつか誰かにとっての文章にもなったらいいなと思います。

 日記を読んでくれる人がいたこと、忘れません。本当にありがとうございました。

2021年1月 姫乃たま

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