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ディープなものこそ人の好奇心をくすぐる〜ヲタクは最強〜

ディープなものは、人を馬鹿にする面白さがない

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私はお笑いをほとんど見ないのですが(そもそもテレビを見ない)
お笑いって誰かが失敗したりする姿を見るものって印象があります。

もちろんそうじゃないお笑いがあるのも知っています。
けれど、なんとなくバラエティを見てると、
「ブス」だの「ハゲ」だのあまり気持ちが良くない。。。
(個人の感想です。私はこう思う。それだけ。)

その中でほぼ毎週見ているのが
「VS嵐」と「マツコの知らない世界」です。ニュースとかは置いておきます。

VS嵐は母も好きで、毎週木曜日の夕飯の時間に付いているから見ているのですが
マツコの知らない世界はテレビでやってるとつい見ちゃう。

なんでこの番組は興味を持てるのかなぁって思ったら
人を馬鹿にする笑いがあんまりない
からなんじゃないかって思ったんです。

マツコさんはそりゃ毒舌(という表現が合っているのだろうか)で、時には暴言も吐きますけれど
その人のどうしようも無い部分とか核に当たる好きなことの部分はあまり否定しないように感じます。

それもあるのか、毎回のゲストの人の「知らない世界」についての愛がすごい。
今まで全く興味がなかったものが、街で見かけるとふとディープな情報がよぎる。

それを思い出して「やっぱりすごいな」と思ったり、ふふっと笑ってしまったり。

ああ、私は「何かを狂おしいほど愛している人が愛をぶちまけている姿が好きなんだな」と感じたのです。
そして、それを否定せずに「面白いじゃん」と言える環境が、何よりも愛おしいものなのだな、と感じています。


存在すら知らなくても、ディープな話は面白い

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前に「サンバの世界」の回を見たとき、
「サンバってあの羽つけて踊るやつ」くらいしか認識してなかったんですけど

サンバを狂おしいほど愛している中島さんの話を聞いているうちに
サンバって奥が深いんだな、だから愛する人がいるんだな。
という納得につながりました。

何あの山車。。。かっこいいしやばすぎるでしょ。。。イケてる。。。

サンバがあまりにも自分の中で衝撃的だったんですけど
バームクーヘンとかジオラマとか、偏愛と言ってもいいほど狂おしい愛情を持っていて
それがたまらなく面白くて。

情熱大陸にも言えることで
その人と極めていることの重なるディープな点を見事に見せているというか。
毎回感動しちゃうんですよね。単純だから。

きっとある程度の人が私と同じように感じるから続いているとは思うのですが、
これってもっといろんなことに応用できない?と感じるようになりました。

今まで存在すら知らなかった(もしくは名前くらいは聞いたことがある程度)だったものが
いきなり狂おしい愛情をぶつけられ魅力を説得されると
「なるほどなぁ。。。かっこいい。。。」
となっちゃう人いると思うんですよ。

あの番組、多分同じ対象に狂おしい愛情を持っている人でも面白い番組だと思うんです。
「めちゃわかる!!!そこ!!!!そこなの!!!!!」
みたいなポイント抑えてる気がするんですよね。

それって、めっちゃ最強のコンテンツじゃない????

今、そのコトやモノが好きな人も、全く知らない人も楽しめるディープコンテンツ。
初心者向けのものは狂おしい愛情を持つ人にはつまらない。
けれど、初心者にもわかるディープな内容って、多くの人が楽しめるコンテンツになるのではないでしょうか。


中野の演習を行って、これからの未来を考えた

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4年前期、ちょうど今年の前半の大学の授業で
「中野区のサービスデザインを考えなさい」
という演習を行いました。

私の班は2人だけで、2人で全部やるぞ!!(課題量的には5人ぶんくらいはある)という割とガチで取り組んだ課題です。

中野区のサービスデザインなので、中野に実際に行ったり中野区民にお話聞いたり
最終的にはカフェあめだまさんでイベントを行わせて頂いたり。。。

中野区を歩いていると、ものすごくディープなお店がたくさんあったんです。
球体人形の専門店が印象的でした。
球体人形って持ってます・・・?私は持っていません。

中野区には「中野さん」というドールのキャラクター(?)がいるのですが
ドールの歴史や中野区との関係、ドール好きな人のブログとか読むと

それはそれは面白い。

「これだけでマガジン一冊作れるよ・・・?」
みたいな分量と熱量があるんですよね。

私は、そんなディープなものに狂おしい愛情を注いでいる人ともっと出会いたいと思ってしまいました。

現代は情報が洪水のように溢れている世界。
その中で「自分の興味が何かわからないけれど、なんか面白そうなものないかな」って探るのって割と難しいと思うんです。

インターネットって、調べる対象があるときは多くの情報が出てきて便利なのですが
何を調べたらいいかわからない状態ってどうしようもないです。
Twitterのリツイート任せ。インスタのストーリー。
でもそれで、狂おしいほど愛情を注げるものに出会える確率って少ないと思うんです。

ならば、テレビなんかには取り上げられないけれど
狂おしいほどの愛情を持っている人を何らかの方法で伝えることはできないのか。

そんな魂胆もあって、私の卒業制作に繋がります。


卒制「Logic Expression」は芸術だけのものではない

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これは将来展望になってしまうのですが、
私が企画している「Logic Expression」というメディアは、最終的には芸術という枠も外そうと思っています。
卒制なので絞らなきゃいけなかったんです。演劇でも広いと言われる。

狂おしいほどの愛情をもつ人々が「どうしてそれを自分のコンテンツとして表現しているのか」ということを書きたいと思っているのです。

間口を広げる、と言ったらそれまでなのですが、
すでにその界隈に住んでいる人も、全く知らない人も楽しめるコンテンツである
「ディープに狂おしいほどの愛情を注いでいる人の語りを聞く」というものは
これからもっと情報が溢れていく中で有益な情報になり得るのではないでしょうか。


演劇にどう活かしたらいいんだろう

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小劇場の中にも日々観劇をしてくださっている方が多くいらっしゃいます。
その方達が「これは面白い」というコンテンツは
きっとちゃんと発信すれば全く知らなかった人にも「面白いかも」と思ってもらうことができるのではないでしょうか。

ロイヤリティの高いファンの方は、有益なコンテンツがあればもっと楽しめる。
有益なコンテンツがあれば、一見さんもちょっと興味が湧くかもしれない。

小劇場演劇において、間口を広げるということは関係者の生活を間接的に豊かにすることです。
役者はチケットを売ることで商売をして、売った枚数や過去の実績でギャラが決まります。
もっと芝居に専念するためには、多くのお客様を獲得する必要がある。

けれど、観劇する人側から見れば
「自分はいつも観劇してるのに大切にされてない。。。」
と感じると、良い気分ではなくなると思うんです。

間口を広げることは、ひいては小劇場界の発展に繋がる。これは間違いないと思います。
けれど、その前にいる「すでに足を運んでくださっている人達」に、どんなものを提供できるのか。そこをちゃんと考えなければいけないと思うんです。

芝居だけで良いという人もいるだろうし、もっと推し役者の情報が欲しいという人もいると思います。
役者は板の上以外興味ないという方もいらっしゃれば、毎日の自撮りが癒しみたいな方もいる。楽しみ方は人それぞれ。

板の上以外興味ない派の方たちは、ちょっとこのターゲットからは外れてしまいます。
(板に立つ情報の整理とかは必要だと思うけれどそれはまた今度。)

ロイヤリティが高い、いわゆる「よくチケットを買ってくれる人」や「物販のブロマイド全種類複数枚購入してくれる人」は、
言い換えれば「その役者に興味がある」という一言に尽きると思うのです。

その役者の、演劇や他のことに関するディープな愛情。
それを聞いたら、板の上の役者がちょっと変わって見えるのではないか。
それを楽しめる人がいるならば、
ディープでちょっとオタッキーな愛情をぶちまけられる場所があったらいいんじゃないのか。

その情報が、今好きな人がもっと好きになってくれて
その先に「ちょっと興味あるかも」と思ってくれる人に繋がるのなら。

私は
「ディープでちょっとオタッキーな、でも狂おしいほどの愛に溢れる人」
のそばに寄り添いたいな、と思います。


いただいたお金は!!!全て舞台裏のためのお金にします!!!!殺人鬼もびっくり☆真っ赤っかな帳簿からの脱却を目指して……!!!