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名前も声も、昨日まで存在すら知らなかったあなたに会って。

「こんにちは。はじめまして。」

そんなことすら言う前に、あなたは私を見つけてくれて、
どうしてだかわからないのに惹かれてしまったと伝えてくれた。

とても不思議なことだけれど、世の中はそんな不思議な重なりの連続で成り立っているのだと思う。SNSが広がった今、お互い会ったこともないのに、どちらかが一方的に知っている、なんてよくあることだ。

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こういう「出会い」の機会を持つたびに、私の中である曲が流れる。

ポケットモンスターのOPだ。

アニメ、ポケットモンスターの3代目OP。2000年リリースらしいから、なんとびっくり今から19年前だ(目が飛び出そうになった)。当時私は5歳。それでも鮮やかに耳に残っているし、諳んじることは容易にできる。メロディーはもちろん、歌詞がとっても好きなんだ。

OK! つぎに すすもうぜ!
OK! いっしょなら だいじょうぶ!
OK! 風が 変わっても
OK! 変わらない あの夢!

年を取ったからだろうか。昔のアニメソングは本当に良いものばかりだなあ!と贔屓してしまう。

私が初めて好きになったキャラクターはポケモンだ。山や川、ふとしたところにいそうなビジュアルや、「旅をしながら様々な人に会い、バトルでバッヂを手に入れていく」という主人公サトシたちの生活がとても魅力的だった。どうして人は年齢関係なしに"旅"や"収集"に憧れてしまうんだろう、不思議でたまらない。とにかくポケモンはすべての子供・大人の憧れのツボをついており、私ももれなくポケモンの虜で、むさぼるようにアニメや映画を観た(残念ながらゲームや漫画は読んでいない)。

OK! オレに ついてこい!
OK! 気合いなら 負けないぜ!
OK! カベに ぶつかっても
OK! 終わらない この旅!

ポケモンに限らず、アニメの主人公はひたむきで純粋で、ぐいぐいと周りを巻き込んでいくキャラクターが多い。ポケモンのOPでも、この「OK!」はまさにそんな感じだ。聞いていると、自分が主人公に引っ張られていく、頼もしさやワクワクした気持ちを抱く。

GOLDEN SUN & SILVER MOON
おひさまと おつきさま
かわりばんこに カオだして
みんなを 見守ってくれてるよ

突然横文字を入れたりして、カッコつけてるくらいが丁度よかった。語尾に「~だぜ」と付けたり、親指で鼻を「へへっ」なんて、こすったり。今だとジェンダーやらなんやら言う人もいるのだろうけど、「男の子らしさ」が男の子ではない私にとって、新鮮で頼もしく魅力的だった。だから、夢中になった。

OK!の歌詞で、一番好きなのがこのサビだ。

OK! 不安なんて 食べちゃおう!
OK! じまんのワザ 「からげんき」
OK! 名前も声も 知らない

あいつらが 待ってるはず!
あいつらに 会いたいんだ!

不安なんて、という単語が歌詞の中に出てきたとき、気づいたんだ。
カッコつけててグイグイ引っ張ってくれる主人公も「不安」がないわけではなく、ちゃんと存在を分かっているということ。「からげんき」なんて良くないよ、無理するなよ、そう言うことが"やさしさ"となることもあるのに対して、"じまんのワザ"にしている。いつでも曝け出さなくても、虚勢を張って乗り切ろうとする、そういう選択をしてもいいんだと、幼い私に気づかせてくれた。…だいたい、題名が「OK!」だもの。いわゆる、全肯定。僕らはあらゆる選択肢をもっていいんだよ、と、私はポケモンから、世の中の見方を学んできたのかもしれない。

そして、そういうありとあらゆる選択にもまれながら生きていけば、「名前も声も 知らない あいつら」が 、これから先に待っているはず。そう思いながら口ずさむと、無性にワクワクむずむずして、自分の人生を思いっきり駆け出したくなる。

「あいつらに 会いたいんだ!」って。

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とても不思議なことだけれど、世の中は出会いと別れの連続で、自分が知らない誰かは自分を見ていたり、そして"彼"とどこか思わぬところで邂逅したり、自分で会いに行きたいと思って会いに行ったり話しかけてみたり。海で光の網がゆらゆらと、重なり溶け合い、波の動きに合わせて離れることを繰り返すのに似ている。「僕・私」たちという一人一人の人生の主人公は、時間の波に合わせて、不思議な出会いと別れを繰り返す。

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日本の未来もそうだけど、自分の未来も至極不安で。やりたいこととか、本当にできるのかとか、どういう役割でどういう人間になっていくのかだとか、、さっぱりイメージが湧いてこなくて。気づいたら目の前のことだけをとにかくがむしゃらにやっていることを、"余裕を持てずに目の前のことにいっぱいいっぱいで、良くないダメだ…”なんて思ってしまうんだ。

だけど、それってもしかすると悪くはないんじゃない?って、ポケモンの「OK!」を歌ってたら思うようになる。

ここまで くるのに 夢中すぎて
気づかずに いたけれど
新しい世界への とびらのカギは
知らないうちに GETしていたよ

気づかなくてもいい。夢中すぎていい。未来を見通せる余裕があって賢いヒト、なんてものでは、残念ながら私はない。それでも、もしかすると「気づかずにいた」けれど、新しい世界への扉のカギをGETしている……なんてことに、いつなっているかもしれない。

例えば、小さい頃の卒業文集を見返したら、私は将来の夢を「小説家」って書いていた。それは純粋な、小学校を旅立つ頃の私が抱いた、好きなことでなりたいものだった。けれど大人になるにつれて、13歳のハローワークに書かれていた「小説家はどこでもできる"最後の仕事"です、他になにか探しましょう」なんていう文にショックを受けてしまったり、必要なお金や環境といったゲンジツが見えてきて、打算と妥協で夢は歪んで、「小説家」には別れを告げた。ふらふらと当てずっぽうに、いろんなものを考え目指そうとしてみた。高校も大学も、そういう風に、その時のゲンジツで「いいじゃん安全」と思ったものを選んだ。しかし今の自分を見てみると、小説家ではないけれど「書くこと」に戻っている。不思議なことに、出会いと別れ、そして再会の軌跡をたどっている。

あきらめかけたり したことも
なかったわけじゃ ないけれど
旅立ちの あの朝 もえてるオレが
それでいいのかと 問いかけてくるよ

それでいいんだぜ、って思う。不安なんて食べちゃおう。新しい世界へのとびらのカギは、知らないうちに、やっぱり、夢を抱いた瞬間にもう持っているのかもしれない。

なら、今からやることはなんだろう?

それもポケモンの歌が教えてくれた。


い・く・ぜ

OK! つぎのとびら あけようぜ!
OK! じまんのワザ 「むこうみず」
OK! いっしょに泣いて 笑った
なかまたちが ついている!
なかまたちを 信じてる!


OK!!


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