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2024年に読んだ本まとめ

今年読んだ本の振り返りです。毎年記録をつけはじめて今年で5回目です。

1年間の振り返り

毎月一万円分読むことを目標にしています。
今年は87冊、164,701円分読んでいました。去年より+19冊 / +34,241円で、平均して月一万の目標を達成できました!

読書記録は今年もBookBankアプリにて

年始から面白い本に出会い読書欲が加速するも5月にガス欠。その後は低迷期に入りますが、8月の海外旅行を機に読書の習慣が戻り年末にかけて多くの本を読めました。

各月の面白かった本の振り返り

一年を振り返りながら、月ごとに一番刺さった本を紹介するコーナーです。

1月: 根っからの悪人っているの?: 被害と加害のあいだ

犯罪者=悪人?という問いをテーマに学生がディスカッションする本。ディスカッションには犯罪の加害者や被害者がゲストに加わり会話する。テーマがセンシティブなため抵抗感を抱く人もいそうだが、自分としては与えられた価値観ではなく対話を通じて自分で考える大事さを実感した。刑務所の更生プログラムの話も面白い。「あいだで考える」シリーズにはハズレがない。

2月: これは水です

リベラルアーツのスピーチ本。ジョブズがスタンフォード大学で行ったスピーチ(Stay foolish)が有名だが、実はこのウォレスのスピーチが全米卒業式スピーチランキング(謎)で一位になっているらしい。

スピーチの書き起こしのため文量は短いが言葉に力がある。
美貌を崇拝した途端自分の醜さが気になりはじめる。歳をとるごとに自分を嫌いになり、最後の息を引き取る前に何度も死を迎えることになる。権力を崇拝した途端それを失う恐怖心から支配を求め、知性を崇拝した途端周りからバカにされるのを怯える日々がはじまる。
自由とは何か?ヒントを教えてくれる一冊。

3月: 経営読書記録 表

ビジネス本の書評本。「ストーリーとしての競争戦略」やアダムグラント本の翻訳などでよく知られる楠木さんがコメントを交えながら色んな本を紹介していく。面白そうな本に丸をつけながら読み進め最後に10冊くらいまとめ買い。この本をキッカケに楠木さんの言説にハマり今も新作を読んでいる。曖昧な概念が一撃で言語化される様子にいつも痺れさせられる。

4月: 会社という迷宮 経営者の眠れぬ夜のために

今年一番喰らったのはこの本。コンサル出身の著者が、いろいろな会社にアドバイスしてきたが本当はこう思っていたよというのを赤裸々に語っていく。仕事で経営に近いこともちょっとやっていて、そこで感じたモヤモヤの正体を教えてもらった。いくつか抜粋して紹介:

  • 会社を作るからには何か成し遂げたかったことがあるはず。それが市場からの評価を受け続けるうちにいつしか自分も投資家目線で見るようになってしまう。市場が評価する統一された指標は「こういう会社にしたい」という創業時のコアとはまったく別のものである。

  • 戦略を誰かに説明するとき、同じだけ深い思考をした相手にしか本当の意味では届かない。誰にでも分かるように説明しようとすると戦略は短期的で、限定的で、確実な世界のものに押し込められてしまう。

定期的に読み返したい一冊です。

5月: なし

なし。

6月: 継続的デリバリー 信頼できるソフトウェアリリースのためのビルド・テスト・デプロイメントの自動化

技術書。Webサービスをつくるスピードは早い方だと自負しているが、リリース後にはいつも速度が落ちてしまう。さらに忙しくてそのサービスから数ヶ月離れて戻ってくると簡単な更新にも一苦労。今動いている機能が壊れないようにケアするのがサービス作りで実は難しい部分です。

テストを書く、自動化する、覚えておく内容を減らす。この本の内容を個人開発のサービスに反映したところ更新時の脳のストレスがかなり下がった感覚があった。変更が怖くない、開発の楽しい部分だけを享受できる。10年くらいエンジニアをしていて久々にピンと来たので選出。

7月: 人生後半の戦略書

高いスキルが必要な職業ではほぼ例外なく30代後半〜50代前半にキャリアが落ち込みはじめる。若くして成功した人は落ち込みの落差に耐えられず辛い人生後半を送ることもある。ではどのように心構えをしておけばよいのか?

鍵となるのは深く長期的な人間関係。義務ではなく喜びでつながる関係性、内発的動機が人生を豊かにしてくれる。

8月: 継続するコツ

今年の後半は毎日日記を書いたり英語の勉強をしたりしていたが、そのきっかけとなった本。文章を書くには文才が必要だと思っていたが、そうではなく思い浮かんだことを次々と書いていけばいい、というのが著者の主張。好きなものは続けられる。続けていればいつか花は咲く。

9月: いまだ成らず 羽生善治の譜

面白すぎました。羽生善治という人物を、周囲の人へのインタビューにより浮き彫りにしていくノンフィクション本。自分こそが将棋のナンバーワンだと思って世界に入った人たちが羽生善治に出会う。自分より大きな存在に会うことで変容を求められる。羽生さんの素直さ、強さ。綴られる文章自体の魅力もあり、厚めの本ではありますがあっという間に読み終えました。

10月: 愛を伝える5つの方法

恋愛体験の平均寿命は2年。運命的な出会いで「恋に落ち」ても時間が経てばそれは必ず落ち着く。良い関係性を作れるかは、その後に心から愛し合えるかどうかによる。そして心からの愛とは、本能ではなく相手のために時間を使うという理性による愛。

では相手のためにどう時間を使えばよいか?「自分がされて嬉しいことを相手にもする」ではダメ。なぜなら人によって喜びを感じる方法が違うから。著者はそれを5つの方法に分けており、巻末には診断テストもある。相手が何に喜びを感じるかを理解し、その方法で愛を尽くす。いろんな人たちに読んでもらいたい一冊だと思ったらやはりAmazonのギフトランキングで上位に入ってました。

11月: Simple「簡潔さ」は最強の戦略である

著者はアメリカで急成長する人気メディアの中の人。ニュースを短文にしてニュースレターとして配信するサービスをやっており、そこで使う要約のテクニックを惜しげもなく紹介する。文章を短く読みやすくすることは読み手の時間節約につながる。ブログでもWebサービスの中の文言でも、短く簡潔に表現する練習をしていきたい。

12月: 生き心地の良い街 この自殺率の低さには理由がある

日本で一番自殺率低い町、徳島県海部町。隣接する町は特段自殺率が低いわけではない。ということはこの町に何かがある?著者がフィールドワークで実際に町で暮らし、気づいた5つのポイントを整理してまとめていく。

ポイントの1つが「赤い羽根募金が集まらない」。ユートピアを想像する住民の助け合い精神が強いボランティア精神に溢れた町な気がするが、他と比べても明らかに募金額が少ない。これは「みんなやってるからやろう」という精神がないため。右にならえではなく自分で考えて募金する。何に使われるかよくわからないお金は払わない。対象が町の祭りであれば喜んで協力する。
地域のゆるいつながり、オープンなマインド、幸せでも不幸でもなくニュートラルだと答える住民たち。病気や辛いことはどこにでもあるが、それをどう受け止めるかは文化や環境によることがよくわかる。年末シーズンのベスト読書でした。

おまけ: 紹介できなかったもの

今年はアクセシビリティ、政治・選挙に興味を持っていろいろ読んだりもしました。どの分野でも良い本がたくさんあり、著者のみなさんに感謝!

まとめ

AIブームにより生成AIやChatGPT関連の本も読みましたが、心に刺さる本は一冊もありませんでした。AIはまだまだ手探りの状態。体系立った情報を探すより自分で試して理解していく状況に思います。

単純作業をAIがやる世界に向けて人間は何をすればよいのか?各分野の基本的な知識を身につけ、本質を考える力を身につけること。こなせる仕事の量が10倍になってもひとつひとつの仕事の質は自分の能力が上限になる。興味・関心をもとに世の中への理解を広げていく。そういう意味で、新しい世界を学ぶのに本はベストです。来年もたくさん読めればと思っています!

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