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第3章:小樽から紡がれるゲーム

本記事は『ボードゲームと文学展@小樽文学館_Web版』の記事のひとつですhttps://note.com/hilow_zero/m/m51eaca69998f

 小樽市を舞台にしたゲームを集めてみました。ゲームで遊んでいく中で、なんとなく小樽という街の概要が理解できていく。現実社会への理解を深めるためにゲームというツールを使う。その実践例という視点もあるかと思います。

 ともするとゲームは現実逃避の象徴のひとつとして捉えられがちですが、決してそんなことはありません。ゲームの持つ「物事の敷居を低くする機能」に着目し有効に使うことで、ゲームと現実との有機的な接点が生まれます。そういった観点からも、この章をご覧になっていただければと思います。

○ 小樽切り絵カルタ

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 小樽在住の元小学校教諭・高橋悦郎さんと主婦の高田幸枝さんが制作した小樽を題材にしたカルタです。高橋さんが切り絵、高田さんが読み札の文章を担当。歴史や観光に限らない小樽にまつわる様々な事柄がカルタの中に綴られているので、遊んでいくうちに自然に小樽への理解が深まっていきます。ユニークなのは、文字によって対応する絵札が複数あること。頭文字だけではなく、読み札にきちんと対応するイラストを見つける必要があります。また全64枚中、3枚の切り絵には対応する文章がない空欄の読み札になっています。この3枚には読み手が独自の文章を自由にあてがうことが出来るのです。切り絵カルタのいくつかは都通りに大看板として設置されています。ぜひ展覧会の帰りに、ご覧になってみてください。

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○ ヲタブンQuest 往きて還りし物語

 2012年に当文学館で開催した『テレビゲームと文学展』内で行なった企画です。郵便やインターネットを使って遠隔地のプレイヤーどうしが遊ぶプレイバイメールいう方式を採用した来場者参加型のゲームでした。小樽(ゲーム内での表記はヲタル)が舞台となっています。北海道大学RPG研究会が協力、20名の方々に参加いただきました。第2章で紹介した「物語を生み出すことが目的」となるゲームのひとつでもあります。



○ なまらや大双六・オタルスゴロク・旅人カード

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 『ボードゲームと文学展』では、「洋食台処なまらや」さん・「小樽の宿とまや」さんのご協力のもと、「なまらや大双六」「大判!オタルスゴロク」「旅人カード」の展示も致しました。こちらは企画担当とは別に準備したものなのでテキストや画像データを担当が所持していません。そこでなまらやさん・とまやさんの各ブログで発信していただいた紹介記事をリンクさせていただきます。改めまして、なまらやさん、とまやさん、ありがとうございました。

・終わってしまいましたが「ボードゲームと文学」展(なまらや的日々)
https://namaraya.exblog.jp/20815649/

・小樽文学館にベルすごろくが(小樽の宿・とまやあれこれ)
https://tomayako.exblog.jp/22002157/


○ 小樽実業名家案内双六

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 会期途中から追加した展示です。小樽市総合博物館からお借りしました。明治35年に作られた双六です。55のマス目には、振出しである汽車、塊陽亭、三井銀行小樽支店、今井合名会社といった呉服店や小間物店、銀行、旅館等が描かれています。上がりの小樽全景では、多くの船舶が描かれていて、当時の小樽の賑わいがよく分かります。

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