コラム展示

本記事は『ボードゲームと文学展@小樽文学館_Web版』の記事のひとつですhttps://note.com/hilow_zero/m/m51eaca69998f


■ 移動とボードゲームと物語

 ボードゲームの特徴のひとつとして「盤面を何かが移動する」ことが挙げられます。自分や相手の駒が盤面を動くことでゲームが展開し、そこで生じる駆け引きや会話がプレイヤー間の中で独自の物語になっていく。そう考えると「移動」と「物語」には関連がありそうな気がします。移動は物語を生む源泉である、とでも言いましょうか。
 例えば、旅行。見知らぬ土地で起こる出来事や見知らぬ人々との出会いから生じる感情の動きは、物語として構築しやすいでしょう。実際に、それらを題材にした文学作品もあります。
 旅行とまで言わずとも、近場を散歩するだけでも感情に訴えかける些細な出来事があるでしょう。些細なものだからこそ、物語になりやすいという側面もあります。特に小樽市内にはそういった物語のきっかけ足り得るものがたくさんあります。
 この展覧会をご覧になった後、ぜひ文学館を起点に市内を思い思いに移動してみてください。自分を駒に、施設や建物をマスとイメージして、現実に当てはめたボードゲームを頭の中で楽しんでみてください。そして、そこからは必ず何らかの「物語」が生まれることでしょう。


■ ボードゲームで遊ぶには

 ここ数年、ボードゲームの人気は潜在的に高まっています。その影響を受けて、ボードゲーム専門店が各地で営業されるようになり、ゲーム好きな人が集まるボードゲームサークルが活発に活動し始めています。
 今回、展示にあたって協力をいただいた小樽のおもちゃ屋『ハンズオントーイ キンダーリープ』では子ども向けドイツゲームが多数販売されています。また2階の有料プレイスペースで実際にゲームを遊ぶことも出来ます(詳細はキンダーリープのチラシ・ホームページをご覧ください)。
 「ボードゲーム専門店」、「ボードゲーム サークル 札幌」といったワードでインターネット検索をすると、実際にゲームを購入したり、遊んだりするうえで役に立つ情報を得ることが出来るでしょう。専門店はたいてい通信販売をしていますので、家の近くにお店がなくてもゲームを購入できます。プロ顔負けの面白さを持つ同人ゲームも通販で手に入れることが可能です。
札幌にはいくつかのゲームサークルがあり、定期的にイベントを開催しています。ゲームに詳しいスタッフが丁寧にルールを教えてくれるところが多いようなので、初心者も気楽に参加できます。
 本展覧会でボードゲームに興味を持っていただけたようでしたら、ぜひ思い思いのアプローチで実際にゲームを遊んでみてください。


■ドイツ年間ゲーム大賞

 1979年から開始された権威ある賞。選考委員会はゲーム評論家・専門家で構成されています。2001年からはドイツ年間キッズゲーム大賞というカテゴリも創設されました。各賞にノミネート・受賞したタイトルのパッケージには賞のロゴを表示する権利が得られます。

ドイツ年間ゲーム大賞 受賞リスト
1979年:ウサギとハリネズミ
1980年:ラミーキューブ
1981年:フォーカス
1982年:ザーガランド(本展にて展示)
1983年:スコットランドヤード(本展にて展示)
1984年:ダンプフロス
1985年:シャーロック・ホームズ 10の怪事件
1986年:アンダーカバー
1987年:アウフアクセ
1988年:バルバロッサ
1989年:カフェインターナショナル
1990年:貴族の務め
1991年:ドルンター・ドルーパー
1992年:ホーマスツアー
1993年:ブラフ
1994年:マンハッタン
1995年:カタンの開拓者たち
1996年:エルグランデ
1997年:ミシシッピークイーン
1998年:エルフェンランド
1999年:ティカル
2000年:トーレス
2001年:カルカソンヌ
2002年:ヴィラ・パレッティ
2003年:アルハンブラ
2004年:チケット トゥ ライド
2005年:ナイアガラ
2006年:郵便馬車
2007年:ズーロレット
2008年:ケルト
2009年:ドミニオン
2010年:ディクシット
2011年:クゥワークル
2012年:キングダムビルダー
2013年:花火
2014年:キャメルアップ
2015年:コルト・エクスプレス
2016年:コードネーム
2017年:キングドミノ
2018年:アズール
2019年:ジャストワン

ドイツ年間キッズゲーム大賞 受賞リスト
2001年:クロンダイク
2002年:おしゃれパーティ
2003年:ねことねずみの大レース(本展にて展示)
2004年:オバケたぞー(本展にて展示)
2005年:小さなおばけ
2006年:海賊ブラック(本展にて展示)
2007年:やぎのベッポ(本展にて展示)
2008年:誰だったでしょう?
2009年:魔法のラビリンス(本展にて展示)
2010年:ドラゴン・ディエゴ
2011年:もぐりイモムシ
2012年:フビを捕まえろ!
2013年:お姫様を助けるのは誰だ
2014年:お化け屋敷の宝石ハンター
2015年:スピンデレラ
2016年:ストーンエイジジュニア
2017年:アイスクール
2018年:Funkelschatz
2019年:バイキングの谷

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