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みんなで考えるFCバルセロナ#1 左SBの補強は必要か

こんにちは!Hikotaです。皆さまいかがお過ごしでしょうか。僕は本当に家から出ない時間が続いています。出ると言えば、毎日軽いウォーキングをする程度。しばらくは我慢ですね。

さて、久々のnote更新になりますが、皆さん前回の選手名鑑はお読みいただけたでしょうか。

Twitterでライターの方を募って、作り上げたこの名鑑は有難いことに好評を頂きました。まあ、僕自身はコピペしかしてないので、ひとえにライターの皆様のお陰なんですけどね笑

で、それに味を占めて(?)、再びフォロワーさん参加型企画をやっていこうと思います。前回のみんなで作るバルサ名鑑に引き続く企画として、「みんなで考えるFCバルセロナ」という企画をやってまいります。

どういう企画かというと、毎回、僕がバルサに関する何らかのテーマを提示し、それを4~5名のライターの方に書いていただくというもの。例によって、僕が色々な人の意見を読みたいので実現した企画です笑。この企画はシリーズ化する予定なので、是非是非よろしくお願い致します。

■はじめに

さて、今回のテーマは「左サイドバックの補強は必要か」ということで、4人の方々に執筆していただきました。バルサの左SBと言えば、ジョルディ・アルバが絶対的な地位を築き、昨夏加入したジュニオル・フィルポがそのバックアッパーを務める体制になっています。字面だけ見れば、補強の必要性はないように思われます。

しかし、今シーズン、レギュラーのアルバのパフォーマンスが思わしくなく、さらには今年31歳を迎えること。そしてジュニオルが期待されていたような活躍を見せていないこと。このことから左SBのポジションを補強ポイントに挙げるファンも多いようです。メディアにも新左SB候補の名前が踊るようになりました。

ということで、今回は4人の方にご協力いただきまして、それぞれ補強に賛成か反対か、そしてその理由についてたっぷりと書いていただきました。また、補強賛成派の方には、相応しい後継者についても言及していただいております。これを読んで、読者の皆様の考えに何か新しいものをもたらすことができれば幸いです。

それでは、お楽しみください。

※敬称略


クレのはらを

左SBの補強に賛成

「バルセロナの左SB」このポジションは現在、単なるSBとは一線を画すものとなっています。レギュラーとして君臨するのはジョルディ・アルバ。メッシと見せる異次元のコンビネーションは、テレパシーで繋がっているのかと訝るほどです。そんなアルバも、そろそろ後釜に座る選手が必要な年齢になりつつあります。というかバルサは彼の控えの選手を探し続けているのですが、未だに定着した選手は存在しません。CBもこなすマルチロールのジェレミー・マテュー、フランスU-20代表として世界王者となったリュカ・ディーニュは失意のままクラブを去っていきました。

今回のテーマは左SBの補強は必要か、ということなのですが、僕は補強には賛成です。ただし、アルバの代役というよりは控え兼後釜候補として計算できるレベルの選手が欲しいと思っています。ベティスから引き抜かれてきたフィルポは期待からは程遠いプレーを見せ続けており、それは当時の恩師であるセティエンがアルバを使い続けていることからも明らかでしょう。彼が大成するのを待つような堪え性は現フロントに最も欠けているものですし、いずれ放出されるものと思っています。

さて、肝心の獲得候補ですが、ここでは3人の名前を上げたいと思います。アラバはみんな知ってるだろうってこととなんかバルサにいる未来が見えないので除外です。取れたらそれが一番ですけどね!

まず1人目はフランス代表のレイヴァン・クルザワです。年齢は27歳。現在はPSG所属ですが、今夏にフリーになるということで注目を集めています。182cmとSBとしては大柄でエアバトルも期待でき、一瞬の加速にも秀でているようです。キープできる足元のうまさもあります。SBのプレー集ってクロスばっかりになりがちですが、彼の場合は守備のシーンが多かったです。作成者の好みなのか単純に守備が上手いのか、はたまたクロスが下手なのか…

2人目はアルゼンチン代表、アヤックス所属のニコラス・タグリアフィコです。年齢はこちらも27歳。クロスが上手く、正統派の攻撃的なSBといった感じ。代表でメッシと、クラブでフレンキーとプレーしたことがあるのは好印象です。アヤックスのチームカラーなのかもしれませんが、クロスに詰めたりミドルを狙ったりとシュートの意識が高めです。守備ではスライディングで上手くボールをカットして奪い返すシーンも見られました。身長、体重はアルバとあまり変わりませんが身体つきも華奢な感じはせず、昨季はヘディングで3ゴールをゲットしているようです。アヤックスとは2022年まで契約しており、移籍金は約3500万ユーロのようです。

ラストはポルトガルのベンフィカに所属するアレハンドロ・グリマルド。24歳と若いプレイヤーです。ドリブルが得意なようで、マルセロのように内側のレーンにも積極的に入ってきます。運ぶドリブルだけではなく剥がすドリブルもやってのけるアタッカー気質の選手です。直接FKも蹴れるようですが、あいにくメッシがいるので出番はほぼ無いでしょうね。実は2015年までバルサBに所属しており、ベンフィカに150万ユーロで売却されています。過去に「今のバルサはアカデミーを見ていない。クラブを去っていく選手はトップでプレーするクオリティがある」と耳に痛い批判コメントを出しており、帰ってきて!と言って来てくれるかは未知数。現在ベンフィカとは2023年までの契約で移籍金は約6000万ユーロ。彼がどこに移籍するにせよ、その移籍金の15%はバルサに入ってくるそうです。

いかがだったでしょうか?僕の一推しはタグリアフィコなので良かったら注目してみて下さい!もちろん他の2人もですけど…。

↑はらをさんのブログです。

PDR17

左SBの補強に賛成

【はじめに】
現代サッカーにおいて、SBの重要性は日を追うごとに増している。数年前、ペップ・グアルディオラがSBであるカイル・ウォーカーやバンジャマン・メンディー、ダニーロなどに対して総額億180円の補強を行った。その時に聞かれた、「SBばかり集めてどうするの?」「SBにそこまでお金使うなんてどうかしてる」などという批判を真っ当なものだったと感じる人は今いないはずである。現在世界最強のチームであるリバプールの攻撃も、2人の若きSBが多くを担っている。私が史上最強のSBと考えるダニエウ・アウベスのいるチームが常に常勝軍団であったのも偶然ではない。

では、今シーズンのバルセロナの左SB事情はどうであったのか、まずはそれを振り返ってみよう。

【19-20シーズンの振り返り】
ジョルディ・アルバ
リーガ17試合1G1A
国王杯 3試合0G1A
CL 3試合0G0A
攻撃的SBとしてマルセロと世界最高の座を争い続けた言わずと知れた存在。
31歳となって迎えた今シーズンは、タイミング良い飛び出しやメッシとのホットラインは健在であったが、怪我にも苦しみ、数字の上では凡庸極まりないものとなってしまった。ここ3年のバルベルデ政権で見せていたパフォーマンスから考えれば、衰えを指摘されても仕方ない。

ジュニオール・フィルポ
リーガ12試合1G0A
国王杯 2試合0G0A
CL 3試合0G0A
昨シーズン、現バルセロナ指揮官であるキケ・セティエンのもとブレイクした23歳の攻撃的SB。スピードとテクニックを兼ね備えた期待の若手という触れ込みだったが、蓋を開けてみればご覧の通りの成績である。1年目であることを考慮しても、全くの期待外れと断言していい。何よりも酷いのが、まともにビルドアップに参加できないことだ。キケ・セティエンのやろうとするサッカーで最も重要な部分が欠落してしまっている。彼は基本的にWBで最も輝くタイプの選手であり、ボールを受け取る側はできても、SBとしてボールを配給することが不得手なのだ。

【補強の必要性】
前項で書いた通り、今シーズンのバルセロナは、2人の攻撃的SBがいながら、その2人で合計2得点2アシストしかしていない。もちろん、得点とアシストが全てではないのは百も承知だが、守備で貢献できるタイプの選手ではない2人が、このような凡庸な成績しか残せないことを座視してはおけない。

私は、明らかに補強が必要であると考える。
では、どのような選手が最適なのだろうか?

バルセロナのSBとして最低限必要な能力は、3つあると私は考える。
①ボール回しに参加できるインテリジェンス
②攻撃の横幅を確保できるだけの攻撃力
③裏のスペースをカバーするための走力

この3つを高水準で兼ね備えた選手は多くない。
候補として3人挙げてみようと思う。

①ダヴィド・アラバ(バイエルン・ミュンヘン)
言わずと知れたオールラウンドプレイヤー。バイエルンとの交渉が上手くいっていないようなので、手に入る可能性があるならば絶対に取るべき選手。

②ホセ・ルイス・ガヤ(バレンシア)
バレンシアが誇るリーガ随一のSB。本人はバレンシア愛に満ち溢れているようで、実際問題取れるのかどうかは不明。コロナで陽性らしく、がんばって復帰して欲しい。

③マルク・ククレジャ(ヘタフェ)
今回もフロントの金策に使われそうな気がしてならない気の毒な選手。能力的には上記の2人には及ばないが、カンテラーノということもあり、ククレジャを戻してアルバという手本の近くで成長させるのが1番だと個人的には思う。

【おわりに】
実際のところ、ジョルディ・アルバがシーズン通して健康であり続けるのが1番の補強だと思う。
しかし、彼のレギュラーの座を脅かすような選手がいなくては、復調もありえないのではないかと思う。メッシに残された時間は少ない。来シーズンの栄光を勝ち取るためにも、思い切った補強を実行して欲しい。

↑PDR17さんのブログです

名もなきクレ

補強反対派

突然ですが、みなさんはSBに1番必要な能力は何だと思いますか?運動量、守備への献身性、守備力、周りとの連携… SBは様々なタスクをこなさなければならないため、必要な能力が何かを断言するのは難しいポジションですが、やはりDFとして守備能力を重要視する方が多いでしょう。なので、今のアルバやフィルポのパフォーマンスに満足いっていない方も多いと思います。特に最近のアルバは以前ほど攻撃面での尖りがなくなり、メンタル的な弱さも度々露呈してしまっていますからね。

だから、アルバの後継者となる存在が必要であり、「補強が必要だ!」と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、僕は新しく左SBを補強する必要はないと思っています。

・ミランダ、ククレジャ、ウンティティの存在
バルサには自慢のカンテラがあります。そして、現在バルサにはミランダやククレジャ、アキエメなどの有望な選手が所属しています。ですから、新たに選手を獲得するのではなくカンテラーノたちに出場機会を与えても良いのではないでしょうか?フィルポもまだ加入して1年ですから見切るにはまだ早いでしょう。しかし、それでも左SBの守備に不安は残るかもしれません。もしネイマールが今夏加入したら左SBの攻撃力はあまり活かされなくなり、尚更守備力が重要になってくるわけですからね。ですが、バルサには左SBができるウンティティもいます。そしてウンティティの左SBでのパフォーマンスが悪くても最悪、3バックを用いれば守備に不安があるSBでもWBとして起用すれば問題ありません。

・補強最優先のポジションは最前線
このように左SBにはある程度バックアッパーがいるわけですが、一度バルサの前線の状況を思い出してみてください。純粋なウィンガーは17歳のファティと怪我がちのデンベレ。唯一の9番タイプの選手だけど守備に不安が残るスアレス。完全に能力を発揮しきれてはいないグリーズマン。このように、どういうサッカーをしたいのかよくわからないスカッドになっています。
ですから、メッシを0トップにしたり、グリーズマンを活かしたサッカーをするにしても前線の人員整理が最優先になるのではないでしょうか?そして、今夏はコロナウイルスの影響によりいつもよりお金を使うことができません。実際問題、左SBを補強するお金が残るほど余裕はないでしょう。

このような理由から僕は左SBの補強は必要ないと思っています。
余談ですが、アルバの攻撃面の不調はスアレス不在の影響が少なからずあったのではないかと思うのです。なので、僕はアルバの調子が戻ることを期待しています笑 そして、セティエンがフィルポらの覚醒を信じて継続的に起用してくれることを願いたいです。

↑名もなきクレさんのブログはこちらです。

més que un club〔バルサ関連〕

どちらとも言えない

今回は、スポーツ的側面と経営的側面の両方から考えてみたいと思う。また、文字数の都合上あくまでも「“今夏“に補強が必要か」ということと「20/21シーズンでCL獲得を目指す」という前提で考えてみる。

まず、スポーツ的側面から。結論から言うと、補強は“必要“だと考える。現在スタメンのアルバは近年パフォーマンスが落ちている。その原因の一つとも言えるのが、エストレーモやインテリオールとの連携不足だ。アルバはそもそも個で打開する選手ではない。そのため、味方との連携を駆使してプレッシングを潜り抜けていた。だが、最近ではラテラルやインテリオールが固定されず、特にアンスとはお互い大外レーンを使いたいという点で相性があまり良くない。それらにより、個人で持ち運べて1つ内側のレーンでもプレー可能な選手が今のチームには望まれている。アラバはやタグリアフィコはその筆頭候補だろう。また、31歳であるアルバを脅かす立ち位置になるはずの選手はフィルポ、アキエメ、ミランダ(ローン期間は2年だが、早期に戻った場合)の3人。しかし、フィルポは足元の技術や判断力の面で、アキエメは経験不足で、ミランダは対人守備で、アルバの存在を来シーズン脅かせるようにはあまり見えない。

これらから、スポーツ的側面であれば補強は必要だ。

今度は経営的側面から。こちらは補強が“不必要“だと考える。主な論点は2つ。

1つ目は、補強の優先順位だ。左ラテラル補強は必ずしも最優先事項ではない。デランテーロはラウタロなど多くの噂が出ている通りクラブの最優先事項だ。次に、放出されるであろうビダルの後釜的存在も多く話されている。これらに加え、セメドが左ラテラルでバックアッパーとしては高パフォーマンスを見せていたことが左ラテラルが優先順位が低くなる要因だ。

2つ目は、財政的観点だ。コロナウイルスの影響で、どのクラブも例外無く収入が減少するのは間違い無い。それ故、今まで続いてきたバブル的な移籍金や年俸をかつてより少ない予算で賄わなければならない。バルサは特にその影響が大きく、予算の70%以上を選手の年俸が占めてはならないという規定に反してしまう恐れがあったほどこのウイルスの影響で財政が圧迫されている。また、来シーズンはコウチーニョなどのローン選手の帰還やテアの年俸大幅増額などがあるのに加え、選手を放出しようにも他クラブにお金の余裕がないため買い手が少ない。今シーズンよりも総年俸が増える可能性は大いにある。

このような理由から、経営的側面で見ると補強は不必要と考える。

以上の2つの側面を考慮すると、一概に補強が必要かどうかは断定できない。他の様々な要因もある。どちらを選ぶかは読者に判断してもらいたい。また、筆者は来シーズンに焦点を当てて書いたが、長期的目線で考えるとまた違った結論も見えてくるかもしれない。

■おわりに

いかがでしたか?今回は4人全員がブログ経験者もしくは前回の選手名鑑の執筆者ということで、初回からいきなりレベルの高い出来になっちゃったなという印象です笑。今回もライターは公募制にしたので、意図せずですが、賛成2、反対1、どちらとも言えない1、と理想的な配分になってくれたのも良かったです。

ざっくりとしたテーマだったにも関わらず、4人の方はそれぞれの色を出しながら、記事を作成して頂きました。どの意見にも頷かされました。改めて、感謝を申し上げたいと思います。ご協力、本当にありがとうございました。

ちなみに僕の意見を簡単に申し上げると、左SBの補強にはどちらかと言えば、消極的です。少なくとも今夏に関しては補強の優先度は低いのかなと。僕の補強についての考え方は先日ブログの方に書かせていただいたので、そちらも宣伝させてください笑。

第2回についても既に準備を進めております。僕の中で、いくつかテーマ案はあるので、惜しみなくじゃんじゃん進めていきたいなと思います。バルサの試合がない今だからこそ、このような企画で日本のファンが少しでも盛り上がってくれたら嬉しいです。

ライターへの立候補はもちろん、拡散やコメントで応援していただけたら、とても喜びます。ライターの方は特別な事情がない限り、毎回違う方にお願いしたいなと思っています。より色々な人の意見を見ることができる企画でありたいので。是非、ご協力ください。

では、次回もお楽しみに~!

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