睡眠と学習の真実-或る寮の有る学校で

以前、寮のある進学校に勤務して寮監をしていたことがある。夜11時頃に寝て6時に起きる生活だった。

寮に住む生徒は一応勉強時間は3時間確保されているがやはり通学生よりは学力が劣る場合が多かった。寮の人数をある程度確保しないと寮の採算が悪くなるため最初の入学試験の段階で下駄を履かせているためというのもあるし、塾に通えないというのもある。
しかし、根本的に学校側の大人が勘違いしていることがあった、それは早く寝て早く起きることがいいことだという完全な間違いだ。
それは老人の生活で若い人は遅く寝て遅く起きるのが当然なのだ
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO78202910Z01C14A0000000/?page=2

本来寮に住む生徒は通学時間がないのでギリギリまで寝て学校に行けば非常にアドバンテージが有るのに、わざわざ早くおこしてやることもないので体操などさせて起きてから2時間後くらいに朝食を食べさせ学校に向かわせる

これでは普通の高校生の体内時計に合うわけがなく成績も落ちるのが当たり前なのだ。
当時はわかっていなかったが現在では体内時計というのは生まれつきのもので変えることができないというのがだんだんわかってきている。
しかも、高校生から大学生というのはもっとも遅寝遅起型になる時期なのだ。
睡眠と記憶には密接な関係があることは各種研究ではっきりとしているのだが、学校という場所は非常に科学を軽視し、習慣と世間体を気にするもので、本来遅く起きれば起きるほど成績は上がるはずなのに早起きを強制してわざと成績を落とさせていたのだ。
このような本末転倒は学校ではたくさんあるので目立たないが非常に生徒たちにとっては悪影響があっただろう、スタッフの一員として当時気づけなかったのが残念に思い、謝りたいおもいがある。
 

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