「うろんころん高瀬」で感じた玉名の魅力
昔とても栄えていた熊本の玉名・高瀬町。
訪れたことがある方に当時の高瀬について話を聞くと、
まるで夢の町に行っていたかのような情景が浮かびあがってきました。
友人から高瀬エリアを堪能できるツアーがあると教えてもらい、
それならば是非!と今回参加したのが
「うろんころん高瀬」です。
▲昔の中町商店街の写真(昭和30年代)
噂には聞いていましたが、まるで日本橋のようです。
最初に訪れたのは手造りの高瀬飴を作っている「田尻高瀬飴本舗」さん。
創業当初から60年程使っているという機械や作業場がかっこいい。
▲1日に3000本近く作られる日もあるそう
▲飴に使用されている麦芽水飴も販売
お砂糖よりも血糖値の上昇を抑えてくれるそうなので、購入しました。高瀬飴は料理にもおすすめです。
続いて案内していただいたのは、「柳屋茶舗」さん。
▲茶葉が入った木箱のショーケース
店内に入った瞬間、お茶の良い香りが迎えてくれました。
ご自宅用から贈り物まで、お茶に詳しくなくても
お店の方がお茶について丁寧に教えてくれます。
お茶の話に聞き入り、いただく一杯は
なんだか味わい深いひとときになりました。
続いて案内していただいたのが、「荒木直平商店」さん。
明治3年創業のお酢屋さんです。
▲建物は江戸中期のもので、300年の歴史を感じさせる佇まい
▲季節の果物を使った「高瀬の誉 飲む酢」は女性ファンも多いとか
▲うわさの飲むお酢を飲み比べ
「お、おいしい!!!」
季節ごとにその時期のおいしいものを使ってお酢を作られているので、毎年の楽しみになりそうです。
いつまでも飲んでしまいそうでしたが、次の「本田帽子店」さんへ
こちらは帽子屋さんですが、
玉名市で育った人なら見覚えがある(であろう)
あるものに目がとまりました。
名札の刺繍です。
▲玉名市内の小中学校の名札
話を聞いていると、小学校の頃の名札も店主さんが毎年縫ってくれていたようです。
(小学校時代の謎の1つだったので、ようやく解決しました。)
この刺繍の名入れ、元々は帽子が盗難品でないことがわかるように、名入れのサービスをやったのが始まりなんだとか。
まるで筆で書き下ろしたいような、お見事な手さばきでした。
続いて向かったのは、「菓舗 菊水堂」さん。
▲高瀬に菊水堂の店舗
じっくり歩いてまわっていたので、店内へ入る前からなにを食べようか考えてしまいました。
▲玉名のおいしい果実などを使ったアイスキャンディー
▲店内奥の隠れ家のような喫茶スペース
▲3周年記念売り出しの時の写真(昭和25年)
菊水堂さんの人気商品で長者饅頭が有名ですが、今回初めて知った商品やお店の中をじっくりと紹介していただきました。
いよいよツアーの最後のお店、「錦の露」さんへ。
▲店内の壁一面にずらりと各地のお酒
隠れ家のような落ち着いた店内に、ずらりと各地のお酒が並んでいました。
実は、夜はバーになりカクウチが楽しめるそうです。
元々は酒蔵でここで玉名の銘酒「錦の露」を酒造されていました。
酒造場所を移し、平成22年に約70年ぶりに復刻して現在もその味を楽しめるようになりました。
▲大正15年、全国酒類品評会において日本一に輝いた玉名の銘酒「錦の露」
ここで「うろんころん高瀬」は終了!
2時間じっくりといろんな方に案内してもらったおかげで、
普段通り過ぎていた景色を歴史や人を通して改めて見ることができました。
次に来る時はまた新しい視点で高瀬エリアを楽しめそう。
営業中にも関わらず、ご案内いただいお店の方には本当に感謝です。
(今回残念ながら伺えなかった「港屋」さんもいつか行ってみたい)
お土産
ツアーの最後に素敵なお土産をいただきました。
「ん? このコースターの柄、どこかで・・・」
と思ったら
毎年五月に開催する高瀬裏川花しょうぶまつりで立っているのぼり旗でした。
綺麗にしたのぼり旗をコースターにし、参加者の方に渡しているそうです。
そして最初に案内してもらった田尻さんの高瀬飴も!
町のことや商いの歴史を聞いた後なので、さらに嬉しい。
うろんころん高瀬
玉名観光協会の方がツアーをまとめて受付をしてくれるようです。
参加は少人数から可能なようですが、複数人での申し込みがおすすめです。
開催期間:通年
料金:500円 / 1人あたり
申し込み:電話
所要時間:2時間程度
開催場所:玉名・高瀬エリア一帯
主催者:高瀬商店会・高瀬まちづくり協議会
HIKE
文:中田馨
写真:佐藤 充, 佐藤 陽子, 中田馨
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