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からだの外から来る刺激

文・短歌・写真●小野田光

 はじめまして。小野田光です。
 普段は、短歌を読んだり詠んだりしています。
 短歌=韻文は12月に発売されるわたしの第一歌集(新鋭短歌シリーズ)で、エッセイ=散文はこちらでお読みいただけますとうれしいです。だらだらしないように、いつも1000字程度で書いていこうと思っています。よろしくお願いします。

 さて、当欄第1回目は、歌集をつくるきっかけについて。
 冒頭にも書きましたように、12月に新鋭短歌シリーズ(書誌侃侃房)ではじめての歌集を刊行することになりました。短歌を本格的に始めて4年での第一歌集です。
 この頃は刊行を控えて、いよいよ掲載する約320首が決定する段階まで来ています。歌集タイトルは決まって、掲載歌を選ぶとともに、表紙などの装幀作業も並行して進んでいます。
 ということで、どうにか刊行にこぎつけられそうな雲ゆきになってきたのですが、今日まで、当初は思ってもみなかった道のりでした。

 その道のりのはじまりは、昨年2月のこと。2016年に新鋭短歌シリーズの第3期で『黄色いボート』という素晴らしい歌集を刊行されていた友人の原田彩加さんから、1通のメールが届きました。
「新鋭短歌シリーズ、第4期の公募が始まるようです。小野田さん、歌集出さないかな...読みたい...と思いました」
 それまで「いつか歌集を出してみたい」というぼーっとした思いはあったのですが、原田さんからのメールで、「ぼーっと」が「はっきりした」思いに変わり、すっかりその気になったことは間違いないと思います。
 やはり、何かを決意するときって、自分のからだの外側からやってくる力が大きいと思うのです。わたしの場合は、そうです。こういう「決断方法」は、わたしの歌にも大きく影響していると思います。歌集を編むに際して、2000首程度の歌から選考を進めてきましたが、その歌稿の中にも「自分で何かを決意する!」というような勇ましい歌は、見当たりませんでした。わたしはそういう人間なのだと思います。
 人生の大きな岐路に立ったとき、自分から何かをつかむことが大事だということは頭ではわかります。でも、偶然の出来事や自分以外の方の発想が決意に影響するのって、とても素敵なことのようで、わたしはそういうことが好きです。
 新鋭短歌シリーズ第4期の公募に応募し、原田さんのメールから5か月後、「選考通過」の通知を受け取りました。それから今日まで、原田さんをはじめたくさんの方が、いろいろな方向からわたしに刺激を与えてくださいました。そういう力が浮力となって、わたしは空に飛びたてているように思います。

見上げればひこうき雲は消えてゆき他力本願ならではの青

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