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チーム目標を形骸化させない!4Dxのススメ

こんにちは!株式会社POLの橋本です。
今回は「自社で目標管理を担当しているけど、上手く運用できない...」という方向けに、「4Dx」というオススメの運用方法を紹介します。
昨年夏にスモールチームの新規事業部に異動になってすぐに4Dxを導入したので、今回は具体的な使い方も含めた内容にしようと思います。

結論

長くなるので先に結論を述べます。
①目標の運用に苦労している方は「戦略を、実行できる組織、できない組織。」を読みましょう
②文中に書かれている「4Dx」という運用方法をそのまま応用しましょう

4Dxとは

上述した「戦略を、実行できる組織、できない組織。」では、4Dxは「日々の多忙な業務の中でもチームが遂行すべき重要戦略を明確に捉え、フォーカスし、実行するための4つのルール」と記述されています。

具体的には以下の4つの規律を守ることで、戦略を正しく実行できるとメッセージングされています。
①最重要目標にフォーカスする
②先行指標に基づいて行動する
③行動を促すスコアボードをつける
④アカウンタビリティ(説明責任)のリズムを生み出す

今回はこの4つをどう運用していくか、詳しく書いていきます。
↓社内チーム向けに作った資料も貼りつつ説明

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そもそもなぜ4Dxを導入したか

私が昨年夏に異動してきたチームは「LabBase Now」というオンライン採用イベントを運営する事業部でした。
昨年1月に立ち上げた事業でしたが、コロナウイルスによる採用方法の変化も相まって事業は急成長しており、それを数人の社員とインターン生で回している状況でした。

異動した時点の課題感としては、
・リソースに対してやるべきこと/やりたいことはたくさんあるが、どの戦略に注力すべきか決めきれていない
・OKRは立てたものの、達成のための打ち手が明確でない
・忙しすぎて、年間予算を達成するために重要なアクションになかなか時間を割けていない

というものでした。

POLでは目標管理方法としてOKRを導入しているのですが、まさにOKRと正しい運用方法が必要だ!と考え、数年前のチームでも使っていた4Dxを導入しようと試みました。

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第一の規律:最重要目標にフォーカスする

「戦略を、実行できる組織、できない組織。」では、まずWIGと呼ばれる最重要目標を最大3つまで選択することを示しています。

「チームがより多くのことを達成するために、リーダーはより少ないことにフォーカスする」という思想のもと、目標を3つに絞ります。(ここらへんはOKRの考え方と一緒)

また、最重要目標は「日々循環的に発生する大切な業務の他に、確実に達成しなければいけない目標」であり、最重要目標を選ぶためには「他の全ての業務が現在の水準を維持するとして、変化することで最大のインパクトを与えられる一つの分野は何か?」という問いを課すことが必要と文中には書かれていました。

もともとOKR自体は作っていたため、今回はWIG=KRと置いて運用することにしました。

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第二の規律:先行指標に基づいて行動する

4Dxの考え方で最もユニークなものの1つは、先行指標の考え方だと思います。

例えば売上のような遅行指標を目標にしてしまうと、目の前のアクションが目標に反映されるのが遅く、結果的に未達ペースに気付いた頃には手遅れ...ということにもなりかねません。

そこで4Dxでは多くの場合遅行指標である最重要目標(WIG)に対し、目標達成に向けてインパクトの強い行動、つまり先行指標を設定することを促しています。

分かりやすい例を出すと、
最重要目標:売上 N万円(=遅行指標) に対して、
先行指標:1営業メンバーあたり週10件のアポを設定する
というようなものです。

かつ、任意の期間変化させるべきでない最重要目標に対して、先行指標は「それが実行されることが習慣化されたら他の指標に変更すべき」と示されていました。

私たちもこれに則って各KRに対してそれぞれ先行指標を設定し、「先行指標を達成できているか?」を週次でウォッチすることにしました。
また、そのアクションが習慣化された時は適宜内容を変更していました。

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第三の規律:行動を促すスコアボードをつける

最重要目標と先行指標が決まったら、次は「目標の標準進捗に対しての勝ち負けが分かるスコアボードをつける」ことを促されます。

例えば月の売上目標が1,000万円だとして、半分終了時点で標準進捗の50%、500万円に対してチームの進捗は勝っているのか負けているのかが分かり、かつそれが全メンバーに一目で分かる可視性を要求されます。

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私のチームはこの時点でOKRをメインで運用するのは5人ということもあり、可視性の強化はおサボりさせてもらい、スプレッドシートをスコアボード代わりにしていました。

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第四の規律:アカウンタビリティ(説明責任)のリズムを生み出す

運用面で最も重要だと感じたのが、この第四の規律です。
第四の規律では「WIGセッション」と呼ばれる週に一度の進捗報告の場を設定し、継続し続けることを重要視しています。

このセッションの目的は「先行指標を動かし、忙しい日常業務の中でも目標を達成するための活動を相互報告すること」と置きました。
セッションでは目標と先行指標に関する報告とともに、「今週のPriority=スコアボードに最大のインパクトを与えるために、今週できる1つか2つのアクション」を報告していました。

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↓実際に報告に使っているシート

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また、チームのセッションは毎週月曜日の10:30-11:00に固定で実施していました。
ふと気が緩むと、OKRをないがしろにして目の前の業務にただ取り組むという「楽」に流れてしまうので、このセッションはなるべく欠席しないこと、止むを得ず欠席する場合はしっかりと記入すべきことを記入することをメンバー間で徹底するようにしていました。

また、セッション中に生まれた論点はその場で議論するのではなく、議論のMTGを別で設定して、セッション自体は延長せず30分で終わらせるというのもユニークなところでした。

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以上の4つの規律が4Dxのまとめとなります。

4Dxを導入してどうなったか

4Dxはあくまで目標管理の補助でありますが、自チームの場合OKRをしっかりと運用することができるようになったことで、OKRの良さをしっかり享受できるようになったと思います。

具体的には「優先度を下げる業務を明確にすることで、より重要な目標に集中できる」であったり、「戦略に対してしっかり実行ができるので、少なくとも"あの目標忘れてた"という状況がなく、実行した上でヒットなり三振なり結果が出る」という状況を作ることができました。

僕が半年担当していたイベントの売り上げ周りの目標に関しても、4Dxによっていくつかの戦略を実行でき、そのうちの一定数が上手くいったことで、以前の2~3倍の月売上水準を安定して維持できるようになりました。
今は注力ポイントを営業から別の指標に変え、同じように4Dxを運用しています。

最後に

改めて結論になりますが、「目標は立てたけど形骸化する」「どう運用していいか分からない」という方には「戦略を、実行できる組織、できない組織。」は超オススメの本です。

ぜひ読んでいただいて、4Dxを試してみてください!

戦略を、実行できる組織、できない組織

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