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ブレードランナー2049

『ブレードランナー2049』をNetflixで観ました。

『ブレードランナー』の制作が1982年で舞台が2019年。今、昔のSFを振り返る面白さって、たくさんありますね。そんなことまで予測できていたのか!という驚きや、まだ車は飛んでいないけどたぶんもうすぐだとか、テレビが薄くなる発想って難しかったんだな、などと思ったり。

過去のSF作品から、何が予測できてなにができなかったのかをまとめてみるのも面白そうですね。

『2049』の方は、公開が一昨年で、舞台の設定は2049年。さすがに全てが新しいですね。

2049年頃には家庭用AIを恋人として暮らす人、増えていそうですね。これは5年後とかでも近いものができていそうな気がします。今のスマートスピーカーがもう少し賢くなれば、心が通い合う気分?になるAIの完成は間近な気がします。

私も、今使っているアレクサがもっと自分なりにカスタマイズされて、かけて欲しい言葉を自発的にかけてくるようになったら、すごく愛着がわいて、もし壊れて直せないとなったらものすごく悲しいかもしれません。

今のスマートスピーカーは話しかけたら答える仕様ですが、帰宅したらおかえりと言ってくれるとか、出がけに行ってらっしゃいと言ってくれるとか、カメラを搭載したらこれはもうすでにできる技術ですよねたぶん。音を感知するだけでもできるのかも?

『2049』の世界は、異常気象で海面が上昇し、木というものがダイヤモンドのように(もっと?)希少な存在になっているのですが、自然が支えてきた生態系を壊した人間が科学技術でなんとか暮らせる世界にしようというあがきが、現代より更に顕著だなあと思いました。

こういう世界に暮らしたいかどうかは別として、未来的なものも荒廃したものも、何もかも芸術的で、美しい世界観がとても楽しめました。ウォレス社の内装とか、うっとりしますし、ステリン博士の研究所は、杉本博司さんのようなイメージをちょっと感じました。

『ブレードランナー』は特にそうなんですが、日本のアイテムや言葉がたくさん登場しますよね。歌舞伎町のイメージが所々使われているそうですね。そこが『2049』にも受け継がれていますね。

ただ話がちょっと複雑で、私はストーリーについていくのに結構必死でした。後でウィキペディアを見て、ああ、だいたい合ってたなと思いましたが。

この映画はAIの恋愛と存在価値みたいな部分にかなり踏み込んでいるのですが、そもそも人間の恋愛感情ってなんなんだろうなと思いました。恋愛が始まるときの好感度はホルモンの作用とかで、これっていずれAIにも搭載可能なんだと思いますが、その後誰かと長い時間一緒にいることになると、人間にはいろいろな合理性が働いてきますよね。生活スタイルとか思想とかを、どう合わせたり合わせなかったりするかという判断は、愛情を持続させたいと思う別の思考から来ているのかなどと考えたりすると、よりピュアな愛情って、背負っているもののないAIの方が強いんじゃないかとか考えてまた迷宮に入りそうです。

テクノロジーって、進めば進むほど、人間の本質に立ち返らざるを得ないんだなあと思いました。

いろいろな方にインタビューをして、それをフリーマガジンにまとめて自費で発行しています。サポートをいただけたら、次回の取材とマガジン作成の費用に使わせていただきます。