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インナーボイスセラピー&ネイルサロン経営 kony美木さんにお聞きしました。

自分の心の声を聞く「インナーボイスセラピー」と、おしゃれでかつ爪の健康を考えた「シンデレラネイル」ができる ”麻布十番 しあわせサロン ケ・セラ・セラ” を経営するkony 美木さん。なぜセラピーとネイルを一つの店でやろうと思ったのか、インナーボイスセラピーってどんなものなのか。当初周りからは笑われたけど、ちゃんと自分の理想の場所でお店が開くことができたというその経緯などについてお聞きしました。


ー まず、インナーボイスセラピーについて教えて下さい。

インナーボイスセラピーは、今の自分の状態をそのまま知ることができるセラピーです。私はこれを心のメンテナンスだと思っています 。

心をメンテナンスする方法は、旅行や読書や映画鑑賞など、人によっていろいろありますよね。でも忙しくてそういう時間がとれなかったり、気が向かないというときでも、インナーボイスセラピーなら気軽に受けることができます。

ー カードが並んでいるところを見ると、タロット占いのようにも見えるのですが、占いとはちょっと違うんですよね?

そうなんです。例えば占いでは、「彼と別れた方がいいでしょうか?」と聞いたら、「〇〇だから、別れたら方がいいですよ」というように提示されたりもしますよね。

インナーボイスセラピーでは、今の自分は本当に彼のことが好きなのか、結婚したいのか、そういったことを自分で客観的に見ることができます。自分の本心を知って自分がどうするかを考えて、実際に行動を起こすことができる。それがインナーボイスセラピーの大きな力だと思っています。

人生の中では、何か事件が起きたり岐路に立ったりして、決断をしなくてはいけない場面がありますよね。インナーボイスセラピーはそういうことに匹敵するきっかけを自分で故意に作る、自分で自分の背中を押すようなセラピーです。

ただ、セラピーを受けたその瞬間に「完全に分かりました!」という人もいれば、その時はピンと来ないけれど、その日をきっかけに少し時間が経ってから自分の本心を理解できるようになる人もいます。

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ー カードには、いろいろな解釈ができるような絵ばかりが登場しますよね。人によって見え方が違うと思いますが、その見え方にその人の気持ちがそのまま反映されているんですよね。

そうなんです。このセラピーに使うカードは「インナーチャイルドカード」と言います。カードに描かれている絵は童話をモチーフにしています。

「このカードに描かれている女の子の絵を見た時に、あなたは泣いていると言いましたね。でも、実はこの絵を見てほとんどの人は笑っていると言うんですよ」

例えばこう言われた時に、自分がなぜその絵の女の子が泣いているように見えたのか、もしかして自分の心も泣いているのかな?と一瞬思っても、納得がいかないかもしれません。

でも、時間が経つと、自分が言ったことをだんだんと受け入れられるようになって、そこから一歩踏み出せたりします。誰かに言われて無理やり踏み出すのではなく、自分のリズムで前へ進んでいくことができます。

例えば学校で辛いことがあったけど、お母さんに心配をかけたくないと思っている子どもにも、このカードで問いかけることができます。

子どもに、「シンデレラはどんな顔をしていると思う?」と聞いたら、子どもは自分が辛いときには「辛そうに見える」と言うんですよね。その子が「私は今辛い」と言うのを我慢をしていても、カードを介して本当の気持ちを聞くことができたりします。

またインナーチャイルドカードは、カードのサイズが大きく、鮮やかできれいな絵が描かれているのも特徴です。

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そして、このカードには、否定的なメッセージが1枚もありません。くじ引きで言えば、当たりしかないようなものです。どんな当たりが出るか楽しみにしていてね、という感じで、そこも私の好きなところです。

ー お客さんはどんな人が多いんですか?

私のサロンのお客様は、男女が半々~若干男性の方が多いです。これはインナーボイスセラピーが、心理学を用いてるからだと思います。自分がもう一人の自分と会話するようなものですからね。

例えば社長をされている方って誰にも相談ができなかったりしますよね。だから、もう1人の自分と話したいという経営者の方もよくいらっしゃいます。

このカードには、チャクラカラー・数秘術・占星術・四柱推命・九星気学・錬金術といった要素が全部入っていて、カードを見た人によってどこに反応するのか、同じ人でも時間や日によって違ったりもします。

だから、以前見たときはこんなふうに見えなかった!と驚く方もいますし、あるカードを見たほとんどの人が「青」というものが、自分は「赤」に見えることもあるんですよね。

見える色にもそれぞれ理由があるのですが、その時に自分が見えた色の意味に納得できる人もいれば、納得するのに時間がかかる人もいます。

もちろん、色に限らず、数字や描かれている人物の表情が最初に気になったり、人によって反応するところが全然違います。私はそこが面白いと思っています。

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ー 美木さんはどうやってインナーボイスセラピーを知ったのですか?

最初はFacebook でたまたま流れてきた投稿で知りました。その投稿をした人は直接の知り合いではなかったのですが、私はそこに載っていたハートのカードにとても惹かれて、「このカードはなんですか」と思わず書き込んでしまいました。

その方からインナーボイスセラピーについて、詳しく教えてもらいました。

ー 偶然の出会いだったんですね。美木さんは、インナーボイスセラピーをする前は何をしていたんですか?

私は長年、大阪の北新地で3人姉妹で飲食店を経営していました。その頃は大阪出身のパートナーと結婚もしていたのですが、パートナーは東京で仕事をしていました。週末婚のような形で仕事に没頭していましたね。

でも、子どもを授かって、その子が病弱だったのをきっかけに、飲食店を辞めて東京で生活することにしました。

仕事を辞めて、子育てに向き合おうと思ったんです。

それまで私は仕事が好きだったので、子どもができようができまいが、仕事はずっとしていくものと思っていたし、子育てだけをしていたら育児ノイローゼになるんじゃないかと思っていました。でも仕事を辞めてみたら、実は自分が結構ぐうたらだったんだなということが分かりました。笑

仕事を何もしないことにものすごい心地よさを覚えて、そこから10年間何もしてないんです。

でも、いつかは子どもも巣立つので、子どもが小学6年生後半になった時に、好きなことを仕事にしたいと考え始めて、そこから2年間アンテナを立てて、いろいろなセミナーも行ってみました。

周りからは、そんなに甘くないよと言われていたのですが、儲からなくても良ければ好きなことを仕事にするのは難しくないですよね。その上で私は、もう少し欲張って、好きなことを仕事にしてありがとうと言ってもらいたいとは考えていました。

そんな中、このカードに出会ったんです。

ー そこから自分のお店を持つのはすごいことですね。しかも麻布十番に。

それはよく言われます。でも長年経営していた飲食店に比べたら、そんなに難しくないと思っていました。

私が北新地でやっていたのは、おでんをベースにした会席料理の店でした。そこでは、家賃・光熱費・人件費などで、ただ息をしているだけでも毎月150万が消えいていくんです。まあ血反吐を吐きながらやっていましたよ。笑

だからこのサロンを持とうと思った時に、まず自分1人なので人件費はかからないし、仕入れすぎて腐ってしまうものもない。この時点で全然難しくないと思いました。もしうまくいかなくても、 従業員がいないから私がひっそり辞めればいいだけですし、何も怖くないですよね。

お客さんが来なくても、私の給料がなければいいだけだし、私はパートナーがいるので食べていくことはできるし。

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ー たしかにそうですね。

セラピーを始めた時に、モニターの方50人くらいのセッションを全部自宅でやったんです。

最初は友達が多かったのですが、知り合いの知り合いの知り合いくらいまで行くと、それをすべて自宅で行うということにだんだん抵抗を感じてきたんですね。

リビングでやっていると、家が家でなくなるというか。よそ行きモードと自宅モードを交互にすることが、すごくしんどいなと感じはじめて、それでサロンを持ちたいと思うようになりました。

ー サロンの場所はどうやって決めたんですか?

最初は自宅近くの神楽坂がいいなと思ったんです。私はビル街ではなくそういったアットホーム感が好きだなと思ったんですよね。昔ながらのお祭りとかがあったりして。でも家賃はやはりすごく高くて。

ただ私はセッションをするだけだし、使うものもカードだけなので、ワンルームでいいんだと、そしてふと麻布十番祭りに行って楽しかったたことを思い出して、麻布十番はどうかなと考えました。

私の周りの人は、何を言ってるんだろうと思っていたはずです。

でも私はこの時に自分で自分のセッションをして、すでに自分は麻布十番でサロンができると確信していたんです。そして内見の一軒目でここに決まりました。

この部屋は入り口の扉が透明だったので、外からちょっと覗いてみたらすごくかわいい壁紙が見えました。

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ここは前のオーナーの方が、自分でリフォームをしてからプライベートな高級ネイルサロンを始めたのだけど、1年で閉じることになったそうなんです。そして家賃を聞いたらちょっと背伸びすれば私にも手が届きそうで。その瞬間、ここに入りたい!と思いました。

すぐに内見をさせてもらって、前のオーナーさんに会わせてもらいました。

そのオーナーの方は、人を雇うのに疲れてサロンを辞めてしまったそうです。そして「ここを原状復帰しなくてはいけないのだけど、内装や家具を結構頑張って揃えたので、これが全部ゴミになってしまうのは寂しいわ」と言われたんですね。

あなたさえよければ、これをこのまま渡して、あなたが退去する時に現状復帰するのはどうですかと言われて。リフォームしたばかりの内装や家具や道具を全部貰えちゃったんです。

ー それはラッキーでしたね!!!ちなみにそこがネイルサロンだったからネイルをやろうと思ったんですか?

結果的にそうです。そのオーナーの方は、私がカードでセッションをするということは全然知らなくて。

その方に「ネイルってどんな資格がいるんですか」と聞いたら、 「資格なんていらないの。あなただって明日からできるからやったらいいのに」と言われて。

そこで私は、思わず「やります!」と言ってしまったんです。でもそれからネイルのことをどんどん調べていくうちにすごく後悔しましたけど。笑

私は自分の爪がよく割れるので、18歳の頃から自分の爪だけはずっと手入れをしていたので、プロ顔負けの溶剤は結構持っていたんです。そういうことがあって、簡単にやりますと言ってしまったのですが、それはとんでもないことだったとすぐに分かりました。

そこから数日後、ある知り合いがほんとうに偶然に、国際展示場で3日間行われるネイルのイベントのチケットをくれたんです。

その時、私がネイルサロンをやっていた場所と契約したことは誰にも言っていなかったのだけど、その方に「小西さんいつもネイルをしていたし、興味ありそうだから」と言われて。

その時私は、ネットで「ネイルサロン 開店」といったワードでいろいろ調べていたのですが、自分に学校に通っている時間はないことは分かりました。2カ月後には家賃が発生するから、そこでオープンすると決めていたので。

だから私はすごく安易に、このネイルのイベントに行って誰かをスカウトして、その人に2カ月間教えてもらおうと思ったんです。

あとは衛生管理という資格があることを知り、必須ではないけどこれも取得しようと思いました。

でもいざそのイベントに行ってみたら、ネイルって米粒に絵を描くようなものすごい世界だったんです。私はとんでもないことを言ってしまった、こんなことは私にはとてもできないと思いました。私が自分でやっていたネイルとは全く別物でした。

でも、私は素人だけど塗るのは上手だと思っていたので、例えば友達の結婚式に行くときにネイルをしたいけど上手に塗れない、でも1万もかけるのは嫌だとか、そういう人に対してやったらいいんじゃないかと思いつきました。1000円カットみたいなネイルをやろうかなと思ったんです。

そんなことを考えながらイベントを楽しみつつ、3日目はゲストに道端アンジェリカが出ると知って、もう遊びモードで見に行こうと思いました。そして私は道端アンジェリカが出る会場の列に並んでいたつもりが、実は列を間違えていて、違う場所に誘導されてしまったんです。国際展示場って広いんですよね。

私が間違えて入ってしまったその会場が、実は今私がやっている、新しいネイルの技法の発表会だったんです。

司会の人が出てきて「皆さんお待たせしました。これから最新のネイルについて...」という説明が始まって。

ー これは道端アンジェリカじゃないなと。

そう!でも私は前から3番目に座っていたので、場所を間違ったからといってもう立てないと思って。

そして説明を聴いていると、これは爪の縦線や二枚爪にコンプレックスがある人や爪が弱い人、そういう人のための最新のネイル技術「時期世代 未来型ジェルネイル」の発表会だと分かったんです。

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私はこの発表会を聴いて、これは最新の技術だから始める人はみんなスタートが一緒だと思ったんです。他のネイルは何年も学校に行っている人や既にキャリアがある人と勝負しなきゃいけないけど。

今多くの人がやっているジェルネイルは、爪を削ることで爪がボロボロになってしまうことも結構あるんですよね。「時期世代 未来型ジェルネイル」は爪を削らなくてもいいし、爪の悩みがある人に特化したネイルなんです。透明で、自分の自然な爪の色を生かすというのもすごくいいなと思って。

私は塗るのは得意だったから、これしかない!と思いました。

お客様のジェルネイルをオフするにあたっては、通常のジェルネイルのことも最低限はできなければいけないのですが、インナーチャイルドカードの縁で、それに関しても2カ月で教えていただける人に出会えました。本来は1年間学校に通うところなんですけどね。

その上で、時期世代 未来型ジェルネイルの学校にも通い、2カ月間頑張って店をオープンさせました。

私はこのネイルを、ボロボロになっている爪が綺麗になるということと、カードにもあるおとぎ話からとって「シンデレラネイル」と呼んでいます。

ー すごい偶然の重なりですね。でも本来やりたかったのは、カードですよね。最初はネイルサロンを始めた上で、インナーボイスセラピーも並行して同じ場所でやろうと思ったんですか?

前のオーナーさんが「ここにある溶剤も全部使ってもらえたら私にとって最高」と言ってくださって、まずネイルはやろうと。

インナーボイスセラピーって、最初はお客さんが安定しないと思っていたんです。でも爪は伸びてくるものなので、一度ネイルをやってもらえたら、次回も予約してもらえる可能性が高いですよね。

インナーボイスセラピーを受けてもらうには、今話してきたように結構長い説明が必要なんです。この説明を、ネイルをしている間にもできるなと思って。

もちろん興味のない方に進んで説明はしませんが、サロンの壁には大きなインナーチャイルドカードが何枚も貼ってあるので、ネイルをしている間そのカードに興味を持ってくださった方にはお話しをしたりしています。

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シンデレラネイルでベースになるお金を作って、インナーボイスセラピーの宣伝もしていこうと考えました。そして今では、うちのサロンにネイルで来てくださっている方は、ほぼ100%インナーボイスセラピーも受けてくださっています。

ー 入り口はネイルで、興味を持ってもらえたらインナーボイスセラピーのCMができる。そしてセラピーも受けてもらえるって...完璧ですね。

私の周りの人たちは、このスタイルをよく考えたね!と言ってくれるけど、実は何も考えてないんです。いきあたりばったりにやってきただけで。

私はこれまでにいろいろな人の話を聴いてきて、全部揃えてからやりたいことをやろうと思っている人がすごく多いなと感じています。

でも私は、全部が揃ってからでは絶対できないと思ってるんです。自分にとって、全てが整ったと思える時なんて来ないんですよ。

スポーツで言えば、自分が何の競技が得意かはわからないけど、とりあえず泳いでみたりすることが大事だと思います。頭で考えるのと、実際泳いでみるのは全然違うから。

だから私も、とりあえず泳いでみようという感じで飛び込んで、ネイルとセラピーのサロンに行き着くことができました。

今年の7月でサロンを構えて丸5年になりますが、これからもセラピーとネイルをずっと続けていくという覚悟でいます。

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麻布十番 しあわせサロン ケ・セラ・セラ
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いろいろな方にインタビューをして、それをフリーマガジンにまとめて自費で発行しています。サポートをいただけたら、次回の取材とマガジン作成の費用に使わせていただきます。