好きでしょだって光っているわ
好きでしょ、蛇口。だって飛びでているとこが三つもあるし、光っているわ 陣崎草子(『春戦争』)
こんな歌が歌えたらいいのになと思ったことがある。
蛇口に驚いた私は、蛇口のことよりもまず君に話しかける。好きでしょ?
多分これから私の話を聞いた君は蛇口を好きになるよ、きっと。
でも私はもっと君に蛇口の秘密を教えてあげる。飛びでているとこが三つもあるし、何よりそれは光っている。気がついてる? 私は気がついた。
ある日光の中蛇口の前で一人立って凄く驚いた記憶。でもそれだけじゃ足りなくて君に伝える。蛇口はこれからも三つも飛び出ていて、光を放ち、誰かがまたこの秘密に気づくんだよ。でもその前に歌う。君に。
ある日、私は世界の秘密に気がついて、その世界の秘密を君に歌う。でも、私はそれを、好きでしょ、と聞くだけだから、君は君の好きをそのまま持っていていいよ。
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