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「妻は家庭」から抜け出せない社会制度、高まるパート女性の老後不安


東京都内で夫、子ども2人と暮らすNさん(46)は、老後に焦りを感じている。31歳でフルタイムで勤めていた会社を退職。専業主婦として10年間、子育てに専念した後、週3日のパートを始めた。共働きになったとはいえ出産後のブランクで蓄えも少なく、「長い人生どのように生きていくのか」と不安を募らせた。

  急速に高齢化が進む中、公的年金以外に2000万円の自己資金が必要とした試算が話題になるなど、老後への不安が高まっている。家庭との両立のために非正規雇用の割合が高い女性は厳しい現実に直面している。

  世界経済フォーラム(WEF)が先進6カ国を対象にまとめた報告書によれば、老後資金が尽きてから平均寿命までの期間は、日本女性が約20年で最長となった。老後貯金は寿命の伸びに追いついていないのが現状だ。  

寿命の伸びに追いつかない老後貯金

老後資金と平均寿命のギャップ、日本女性は20年と最長

安倍晋三首相が「ウーマノミクス」を掲げ、女性の社会進出を後押しする方針を示してから6年。日本女性の就業率は過去最高の71.8%に達し、新たに約350万人以上の女性が働くようになった。しかし、3分の2は低賃金の非正規労働者が占める。背景には「男性は仕事、女性は家庭」の価値観を後押しする社会保障の仕組みや職場環境が根強く、キャリアを積む女性が増えていないのが実情だ。

  経済協力開発機構(OECD)加盟国の半数以上で、女性雇用者のうち非正規が占める割合が減少傾向にある中、日本では2005年と18年を比較すると6.6%上昇しており、34カ国中で伸び率がトップだった。

自民党女性活躍推進本部長なども務めた上川陽子元法相は昨年12月のブルームバーグとの取材で、出産や育児で休業し、再就職した女性は「極めて就業形態が悪いところに押し込められている」とし、女性の「能力が生かされていない」と強調。正規と非正規、男女間の賃金格差が海外と比べて大きいことを指摘し、社会の意識や社会保障制度の改革を通してその差を埋めなければいけないと話した。

  労働政策研究・研修機構(JILPT)の周燕飛研究員は、著書「貧困専業主婦」(新潮選書)で、正社員を続けた女性と30歳で正社員を辞めた後、40歳からパートで仕事を再開した女性の生涯所得の差額は1~2億円に上ると試算した。近年、夫の賃金の伸び悩みを背景にパート主婦世帯の貧困率か高まっており、「パートだけで老後資金をためるのは難しい」と警鐘を鳴らす。

国際医療福祉大学の稲垣誠一教授の試算によると、65歳以上の高齢女性の貧困率は現在の12%から60年ごろでは約25%まで上昇する。さらに、今後ますます増えるであろう未婚や離別の高齢女性に限ると、ほぼ半数が貧困に陥る状況が見込まれるという。


収入の壁

  専業主婦が主流だった1980年代までに「内助の功(こう) 」への配慮として導入された配偶者控除や国民年金の第3号被保険者制度が結果的に女性に就業時間や年収の調整を促している側面もある。

例えば「150万円の壁」と言われる個人所得課税の配偶者控除。妻の年収が150万円以下なら夫の年収から一定額が差し引かれ、課税所得を圧縮できる。201万円未満であれば、所得に応じて段階的に受けられる配偶者特別控除もある。
  社会保障負担も年収130万円以下であれば、第3号被保険者として国民年金に加入することができ、公的年金や医療保険の保険料は免除される。企業による家族手当もある。収入の限度額は企業によって異なり、103万円が51.7%と一番多く、その次が130万円で33.8%となっている。
  夫の扶養から外れてこうした制度の対象外となると、働いた方が手取りが少なくなる逆転現象が起こる場合もある。
  事務パートのFさん(43)は、最低賃金の引き上げで時給が上がった際、年収が103万円以下になるよう調整した。自分が働くことで「家族に負担をかけたくない」という思いから、扶養内にとどまることを選んだ。本音は複雑だが、扶養内の主婦は「老後の保障よりも今の生活費の足し」を考えているとFさんは話す。
  17年の就業構造基本調査によると、非正規で働く女性のうち約3割は就業調整をしていると回答。そのうち9割強の女性は50~149万円の間で収入を抑えていた。

  慶応義塾大学の土居丈朗教授はこれらの制度のせいで「女性が自由な選択ができていない」ことが一番の懸念だと指摘。手取りの逆転現象を意識しなくてよい仕組みに改める必要があると言う。その上で、今月5日、自民党がとりまとめた厚生年金のパート適用拡大は、副次的に第3号被保険者が減ることから評価できるという。
  厚生年金に加入すれば、基礎年金に加えて報酬に比例した年金額を老後に受け取ることができるなどメリットは大きい。
  日本女子大学の大沢真知子教授は、これまで女性はいったん結婚すれば夫に養われていればよかったが、現在は「夫が失業する危険、あるいは賃金が上がらない職業に就く夫が増えている」など安定が保障されない社会になっており、世帯ではなく個人を中心とした税や社会保障制度への転換が必要だと話した。

男性や職場の意識改革も必要 

  女性の就労を妨げているのは制度だけではない。2児の母であるMさん(43)は、扶養内で時短勤務のパートとして働いていたが、いったん働く時間を増やして扶養から外れた。社会保険に加入し、将来の年金給付を増やそうと考えたからだ。

仕事にやりがいを感じていたMさんだが、家事を手伝わない夫と口論になり、離婚話にも発展。「家庭を継続するために自分が時間に余裕のある働き方をした方がよい」と思い3年後に週2、3日勤務の仕事に転職した。
  日本人の男性は世界一家事をしない。教育社会学者の舞田敏彦氏がISSPのデータを元に計算した「子どもがいる共働き夫婦の夫の家事・家族ケアの分担率」では、日本男性が18.3%と最下位だった。

子育て中の女性が仕事をしやすいように時間や職務を限定した新しい働き方も出てきたが、復帰後にキャリアコースから外されてしまう「マミートラック」といった課題は残る。
  時短正社員として3年前に職場復帰したKさん(42)は、自身のキャリアにもどかしさを感じている。慢性的な人材不足から、同僚からのサポートは見込めず、自分から「新しい業務に手を挙げるのは難しい」という。

  NPO法人「Arrow Arrow」代表理事の海野千尋氏は、柔軟な働き方を選んだ人が「生き生きと働ける」ための環境づくりが急がれると話す。例えば、フルタイムを基本とした「時間軸の評価」は改める必要があるとし、「短い時間できっちり成果を出す人こそ評価されるべきだ」と述べた。

長期のメリット

  総務省の労働力調査特別調査によると、1997年頃に共働き世帯が専業主婦世帯を上回っている。しかし、男性がフルタイムで働くように主に仕事をしている女性の数は1970、80年代も今も変わらず少数派だとJILPTの周燕飛研究員は分析する。「家庭と育児のかたわら働く女性は増えているが、キャリアを積む女性は今も昔も大きくは変わらない」と話した。
  仕事を辞めることで、家庭との両立による苦労から解放されるが、辞めないという選択肢がもたらす長期のメリットに目を向けるべきと周氏は指摘する。働き続けるか専業主婦になるかは、最終的には「女性個人のチョイス」だとしながらも、「20代の努力は30代〜40代の年収や役職に現れる」ことから、「辞める以外の道を探っていく。苦しくても辞めないで」とエールを送る。
  Arrow Arrowの海野氏が携わる「ママインターンプロジェクト」は、子育てが一段落した女性を対象に全国で職場体験を通した再就職支援をしている。中には企業から高評価を得たにもかかわらず「夫に確認しなければ」と言ってインターンを辞退した女性がいたという。

海野氏は、女性が就労について自己決定権がないことに危機感を持っているとし、自ら「どのような選択肢があるのか、一歩前に出て行動すること」の重要性を強調した。扶養内パート、時短正社員など、雇用形態に関係なく「就労の軸が一つあると大きく変わる」とし、長期的なキャリアの展望を描いて、いくつかの選択肢の中から「私がこれを選んだ」と言えることが大切だと話した。

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既成概念を捨て去れ!
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■証券外務員一種 ■株式投資(信用)平均年利70%前後 ■外国為替証拠金取引(FX)平均年利300%前後 ■年間読書数200冊以上 ■【予測や分析は一切行わない】非常識な投資手法を確立 ■株やFXを教える講師としても活動中 ■2019年11月よりYouTubeにて情報発信を始める