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秋風はとたんに

季節がひとつ きしりとずれ込んで 私はとたんにうろたえました
ひとよひとよに そっと仕度をつづけてた 夏が余白をうしなったのです

今度こそ燃え尽きてしまったのではないかと おもたい秋を憎みます
今度こそ燃え尽きてしまったのではないかと おもたい秋を憎みます

覚えていますか 真新しいベッドの上 いつまでも愛を誓ったふたりの春
忘れていますか 真白い高原のかなた いつまでも愛を誓ったふたりの春

懺悔は秋に似合います 秋風にまたさみしく
あなたのたよりを待っています
懺悔は秋に似合いますから 季節がきしりと音たてるまで
届かぬたよりを待っています

今度こそ燃え尽きてしまったのではないかと おもたい秋を憎みます
今度こそ燃え尽きてしまったのではないかと おもたい秋を憎みます

楽しんだもの勝ちの時代に 冬の毛虫の毒のように
私は生き続けるのでしょう
必ず古びてゆくと分かっていながら あの春の日を夢にだきつづけて

文章は他の創作物に比べ、古都のようなもので、お金を頂くのはもう粋じゃないのかもしれません。 ただ、あなたのサポートで、私が未来の古都づくりに少しでも参加できるのなら、こんなに嬉しい事はありません。私は文章の住人であり続けたいのです。 あたたかなご支援の程、よろしくお願い致します。