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ドクターショッピングを避ける工夫

現場で本当に役立つのは「ちょっとした説明のコツ」だったりしますが、教科書には書かれていません。

そこでブログ記事の中から、教科書には書いていない(書けない?)自分の診療テクニックをまとめてみました。


1. 帯状疱疹のドクターショッピングを避ける工夫

皮膚科ではドクターショッピングをする患者さんが多いと感じます。

ドクターショッピングにはいくつかの典型的なパターンがあり、それらを避けるためのコツを紹介したいと思います。

まず「薬を飲んだら帯状疱疹が悪くなった」といって受診される患者さんがいます。

皮膚科を受診して帯状疱疹と診断。内服薬を処方されたが、翌日症状が悪化したため別の皮膚科を受診というパターンです。

ところがこれは通常の経過で、帯状疱疹では治療開始から皮疹改善までタイムラグがあります

【治療開始から進行が止まるまでの日数】
・初日:0%
・2日目:19.7%
・3日目:44.3%
・4日目:88.6%
「アメナリーフ医薬品インタビューフォーム」より

このことを十分に説明できていないことが、ドクターショッピングの原因になっているようです。

▼詳しい内容はこちら▼
帯状疱疹のドクターショッピングを避ける工夫

2. 蕁麻疹のドクターショッピングを避ける工夫

「蕁麻疹が他の皮膚科で治らない」といって受診する患者さんは多いです。

よく話を聞いてみると、薬をしっかりと内服していない方が意外といるようです。

なぜかと聞くと「眠くなるのであまり飲んでいません」と言われます。

そういう方は毎日ちゃんと内服してもらうだけで改善してしまいます。

ドクターショッピングを避けるためには、まず眠気の少ない薬から処方するのが重要です。

抗ヒスタミン薬と自動車運転の可否
【自動車運転をさせない】
・ルパフィン
・アレロック
・ザイザル
【自動車運転時には注意させる】
・タリオン
・アレジオン
【自動車運転可】
・クラリチン
・アレグラ
・デザレックス
・ビラノア


▼詳しい内容はこちら▼
蕁麻疹のドクターショッピングを避ける工夫

3. 湿疹のドクターショッピングを避ける工夫

「湿疹が他の皮膚科で治らない」といって受診する患者さんも多くいます。

自分の経験上、一番多いのはきちんと薬を塗っていないことが原因のケースです。

もう一度仕切りなおして、1週間しっかりと外用してもらうだけで治ってしまいます。

患者さんは思いのほか外用薬を塗っていません。治療効果をきちんと出すためには、軟膏を処方するだけではなくて外用のモチベーションを上げる工夫が大事だと思います。

▼詳しい内容はこちら▼
湿疹のドクターショッピングを避ける工夫

■おわりに

自分なりの診療のコツを紹介しました。

これらを意識することで診療のレベルが上がるのではないかと思います。

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