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第2048回 変わりゆく鳥の環境 ⑵

①https://www.google.co.jp/amp/s/diamond.jp/articles/amp/187843より引用の見たことのない鳥のイラスト

   ①のイラストについてはネットで「ニュージーランドにはコウモリ以外のほ乳類がいなかったため、天敵がいない環境で多くの飛べない鳥が進化した。モアのなかまはその代表で、中でも最大のジャイアントモアは知られる限りもっとも背の高い鳥だった。体重も230kgに達し、まさに無敵の存在だったが、9~10世紀に人間がやってくると、その大量の肉を目的に狩られるようになり、絶滅してしまった」とあり、この鳥を食肉にしようと、歯がないので、石を飲みこんで胃の中で植物をすりつぶして、砂嚢の役割をしていたのを見た人間が、熱く焼いた石を用意して、殺害しました。これが代表的な人的被害であり、これから紹介致しますのは、同じ人的被害でも、このジャイアントモアのような日本にいるはずがない洋鳥が人の手により、日本に持ち込まれた外来種による環境への影響も大きいですし、彼らも同様です。

②https://nori0429.exblog.jp/29710836/より引用のつがいのソウシチョウ(左がオス、右がメス共に体長約15㌢)

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  インド北部、中国南部、ベトナム北部、ミャンマー北部に自然分布しています②の写真のソウシチョウは外来生物法で特定外来生物に指定されており「日本の侵略的外来種ワースト100」の選定種の一種です。日本国内では「かご抜け鳥」とも呼ばれる外来種で、留鳥として住み着いています。現在、関東、東海、近畿、中国、四国、九州の各地で繁殖が確認されており、関東では筑波山、近畿では六甲山系、九州では九重山系によく見られます。この鳥が及ぼす自然体系への影響は、ソウシチョウは追われ身で、日本の藪中に目立たぬように隠遁生活をしています。そんな生活域には日本の三鳴鳥のウグイスがいます。ウグイスは一夫多妻、ソウシチョウは一夫一妻の繁殖形態ですが、ウグイスも通った鳴き声でさえずりますが、それ以上にソウシチョウは集団行動で大きな鳴き声で雌雄で鳴き合わせしますから、ウグイスにとっては、自分より大きな鳴き声がウグイスの自信喪失に苛まされ、繁殖に影響を及ぼすと言われます。

③https://www.birdfan.net/2015/07/24/36580/より引用のつがいのガビチョウ(左がメス、右がオス共に体長約24㌢)

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 ③の写真はやはりソウシチョウと同じ外来種のガビチョウです。仲間のカオグロガビチョウカオジロガビチョウと共に外来生物法で特定外来生物に指定されており、日本の侵略的外来種ワースト100定種にもなっています。この鳥は中国南部から東南アジア北部にかけて広く生息し、日本ではペットとして輸入された個体がかご脱けにより定着しました。日本国内では留鳥として生息し、南東北、関東、中部、九州北部で見られます。本種が多く観察される場所として、東京都内では高尾山が有名です。日本では里山など、人家に近い低山の雑木林が主な生活域で、営巣場所もそうした藪の中で繁殖します。この鳥もソウシチョウと同じく、大きな鳴き声で、近所迷惑だと野に放たれたのもひとつの理由です。このガビチョウソウシチョウと同じく、ウグイスの繁殖に関わります。

④http://www.cec-web.co.jp/column/bird/bird119.htmより引用のコジュケイのつがい(左がメス、右がオス共に体長約28㌢)

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   どうやら、日本の生態系を脅かしています外来種のひとつの共通点は、あまりにも大きな鳴き声にあります。④の写真のコジュケイはもともとは中華人民共和国南部に分布していましたが、鳴き声が大きく、居場所を特定しやすいので、ウズラと並んで、狩猟の鳥として、野に放たれました。日本の本州より、北陸地方以北を除く、四国、九州に移入され定着しました。ソウシチョウガビチョウと違うのは、本来ならさえずりや、ほかの鳥の鳴き真似の上手さをかわれて、飼鳥になりましたが、とどの詰まりはすべて大きすぎる鳴き声が野に放たれ理由です。またこの三種は示し合わせたように、草原、森林、竹林、農耕地などの見つかりにくい所に生息し、コジュケイは秋季から翌年の春季にかけて、小規模な群れを形成します。

⑤-1.https://blog.goo.ne.jp/kochian6d/e/ffa60217dfb1df688ead3cb78268d972より引用のつがいのワカケホンセイインコ(左がオス、右がメス共に体長約40㌢)

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⑤-2.http://marandr.com/26438010より引用のワカケホンセイインコの大群 

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   最後の⑤-1.のインコの仲間のワカケホンセイインコは、北緯20度以南のインド、スリランカに分布していて、世界各地でペットとして飼われていたものが野生化する現象が起きています。日本でも1969年に東京都で初めて定着が確認され、現在は、神奈川県、埼玉県、群馬県、千葉県でも生息が確認されています。他のインコの仲間と比べ、大型で、気性が荒くてある意味で凶暴と言われ、飼い主の指を噛んだりし、野に放たれたりしました。よほど関東の気象環境が合ったのか、どんどん数を増やし、⑤-2.のような大群を結成することがあり、低地から標高二千㍍までの森林、樹木の多い市街地などに生息します。食性は植物食で植物の種子や花、果実、芽、穀物、餌台に置かれた餌などを食べ、電柱への営巣による漏電事故、農作物への被害、オウム病の媒介などの問題も指摘されています。数が数だけに今後の繁殖形態が、心配されます。しかし日本の環境に適して、繁殖数を増やす鳥ばかりではなく、人間の責任です。


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