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第2105回 腹話術師の鳥

①http://robotoria.blog14.fc2.com/blog-entry-668.htmlより引用の音声多重放送対応のブラウン管テレビ

   ①のタイトルは白黒写真の今は過去のものとなりましたブラウン管のテレビです。こんなテレビを今でも食卓で見ていますのは、ダイヤル式の黒電話を使っています「サザエさん」の一場面でしかありません。この当時のテレビの放送形式はアナログ放送で、現在のデジタル放送はまだ実現しておらず、アンテナが放送局が設置しています、出力塔に向いてなければならず、その方向に遮蔽物がありますと、映りが良くないという現象がありました。そんな時代に「音声多重放送」対応テレビは貴重なステレオのテレビでした。音楽放送はステレオ放送し、臨場感を視覚並びに聴覚で楽しめ、また画期的でありましたのは、主音声と副音声の2チャンネルを供えて、それを切り替えて楽しめるというものです。例えば主音声を日本語、副音声を現地語とかにすれば、洋画を満喫することができます。また主音声を中立な野球中継の音声を流し、副音声をホームグランドのチーム寄りの放送をする等、その形式は今も受け継がれています。そんな「音声多重」の鳴き方の鳥がいます。

②https://ikkokudou-official.themedia.jp/pages/2314324/profileより引用の腹話術の人気者いっこく堂

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   音声多重放送対応のテレビは、ステレオ放送にも対応していて、ステレオの2チャンネル音声や、多重放送対応の主音声と副音声は、このテレビの両脇についたスピーカーがその役割をしています。ステレオのL(左)chと主音声は左側のスピーカー、R(右)chと副音声は右側のスピーカーで、モノラル音声や、多重放送でない放送はLRの両スピーカーから流れるという仕組みで、人間で言えは二つの『口』を持ち合わせているということになります。その音声多重的な人の話のやり取りをひとりコントにしたのが、お笑いでいう「腹話術」です。②の写真はその分野での一任者のいっこく堂です。普段の腹話術師は自分対相方の人形のふたりの会話に対し、いっこく堂は写真のような複数の人形と自分との、真の『多重放送』なのです。

③-1.https://amanaimages.com/info/infoRM.aspx?SearchKey=32218000077より引用のつがいでききなすフクロウ(後ろがオス、前がメス共に体長約50㌢)

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③-2.https://www.birdfan.net/2018/06/08/63016/より引用のミソサザイ(体長約10㌢)

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③-3.http://blg.okinawabbtv.com/blog/4533.htmlより引用のつがいで子育てするサンコウチョウ(左がメス体長約17㌢、右がオス体長約45㌢)

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   鳴管筋を持つ鳥は殆どが鳴くことができます。鳴くと言っても、スズメのような地鳴きも有れば、美しくさえずる鳴き方もあります。普通は地鳴きは雌雄共に致しますが、さえずりは一般的にはオスです。繁殖期にオスがさえずることで、つがい相手を探します。メスがさえずらないのは、外敵に目立たないようにすることで、子育てがしやすくなるとも言われています。また時には雌雄共にさえずる種もいます。メスもさえずりますのは、フクロウアオバズクコジュケイタマシギモズヤイロチョウカヤクグリイワヒバリカワガラスミソサザイイソヒヨドリマミジロコルリオオルリコマドリサンコウチョウイカルウソ等がつがいの絆を深める為や、ライバルのメスに対する威嚇の意味もあります。

④-1.https://nori0429.exblog.jp/29710836/より引用のつがいでさえずるソウシチョウ(左がメス、右がオス共に体長約15㌢)

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④-2.https://www.birdfan.net/2017/10/13/56084/より引用のつがいでさえずるイソヒヨドリ(左がオス、右がメス共に体長約25㌢)

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   二つのスピーカーが左右に設置されています「音声多重」テレビからは、ステレオ放送や洋画の他国語や日本語がより分けすることが出来ます。しかし生き物には口はひとつしかありませんから、音声多重に似た鳴き声はつがいでデュエットすることがそれに当たります。上記の野鳥の中で的確にデュエット出来ますのは、④-1.の外来種で、ウグイスのように藪中で隠遁生活を送っていますソウシチョウがそれに当たります。この鳥の漢字表記は「相思鳥」で、つがいをわざと分けてみると、一方がさえずれば、それに応えるように、もう一方がさえずり返すのです。これはソウシチョウだけでなく、④-2.の写真のイソヒヨドリも行うようです。ソウシチョウは雌雄ともに綺麗な同色です。イソヒヨドリはオスは幸せの鳥の代名詞の青い色で、対しますメスは地味な色合いとなっています。イソヒヨドリは街中に進出してきました鳥です。コンクリートの塊のビルの屋上なんかに止まり、翼を広げ「ピーツツピーピー」「ピュルピュルピピーポー」「ヒーチュリツチーチュルリル」など複雑な通った大きなさえずりをします。

⑤-1.http://alcyon78-32.blogspot.com/2010/03/blog-post_28.html?m=1より引用のワキアカトウヒチョウ(共にオス体長約20.5㌢)

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⑤-2.https://m.youtube.com/watch?v=IaBm71IDoqwより引用の鳥の鳴管のイラスト

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   鳥はつがいで「音声多重」のようにつがいとの共同作業で、デュエットすることしか出来ません。なぜなら、私たち人間も鳥もそのほかの鳴き声を出すことが出来ます生き物には口がひとつしかないからです。しかし、人間の中にはいっこく堂のように「腹話術」を使って、主音声や副音声をひとつの口で操ることが出来ます。鳥の中でも、日本の身近な鳥のホオジロの仲間に⑤-1.の写真のワキアカトウヒチョウがいます。同時に全く異質な音を二つ以上出すことができます。これは左右の鳴管や鳴管の各部を別々に振動させて発声していると考えられています。まるで鳥の中の「腹話術」のいっこく堂みたいです。なお、その不思議ワキアカトウヒチョウの「音声多重」の鳴き声はYouTubeのhttps://m.youtube.com/watch?v=IaBm71IDoqwでどうぞご拝聴頂きますように。


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