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第2040回 似てる?似てない?

①https://www.istockphoto.com/jpより引用の双子の伝書鳩のイラスト

   この世の中に①のタイトルイラストのように、一卵性の良く似過ぎた双子も有れば、二卵性の双子だから余り似てはいないという場合もありますし、また他人の空似なんですがよく似ているなと勘違いしてしまう場合ももありえます、鳥の世界でイラストのような白い鳩が、違う親から産まれてきたとしても見分けがつかないことも往々にしてあるわけです。人で例えるならば、親戚の従兄弟同士だから似ているとか、そんなに近縁ではないのに似ている、似てない等色んな鳥がいます。

②-1.https://hobbit.exblog.jp/2471588/より引用の日本画の「松に鶴」と写真の松の木の前に佇むタンチョウ(体長約130〜140㌢)

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②-2.http://www.ecovilg.jp/life/life.htmlより引用の松の木の枝に止まるコウノトリ(体長約112㌢)

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   日本画に縁起物として良く正月に引き合いに出される「松に鶴」の絵は本当に松の木の枝に鶴が止まっているんだと思っている方がいると思います。その昔に実際に何人もの人が松の枝に鶴が止まっているのを見たからこそ、日本画の「松に鶴」が今でも縁起物として、正月に紹介されます。しかし、現実には②-1.の写真のように、鶴は枝にには止まらず、地上に佇むだけです。まさかいまの文明社会のような双眼鏡やカメラなんてなかった頃には、まさか松の木の天辺に止まっている鳥は遠くからしか観察することが出来ず、また図鑑なんてないわけですから、ああ白くて細長い鳥だから鶴だろうということになったと思います。鶴の仲間の脚の第三趾はコウノトリなどの枝に止まれる鳥の趾と比べますと非常に短く、前趾は枝を掴めても、後趾である第三趾は枝を握れず、枝には止まる事が出来ないので、本当は「松に鸛」が本当ですが、縁起物であるが故に、正月に相応しい日本画として今も健在であります。

③-1.https://blog.goo.ne.jp/kimy0729/e/5ac640e7aed8e5c4f188d1debbad2ed8より引用の本当に梅の木の枝にやってきたウグイス(体長約14〜16㌢)

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③-2.http://www.worldfolksong.com/sp/calendar/japan/ume-uguisu.htmlより引用の本来なら「梅に鶯」はメジロ(体長約12㌢)

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③-3.https://mec666cem.exblog.jp/5568747/より引用の右のウグイスと左のメジロの比較

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   何回も良く間違われる鳥としては「ホー、ホケキョ」で有名な③-1.の写真のウグイスと③-2.の写真のメジロの二種が上がります、このパターンは②の項で紹介致しました「松に鶴」は鶴とコウノトリの間違いの場合と同じように思えます。ウグイスメジロもやはり仲間同士ではありません。春先になりますと、日本三鳴鳥のひとつでありますウグイスは警戒心が強くて、あまり街中へは出ず、藪中から大きな鳴き声で、さえずります。この季節には、梅の木に花が咲き誇り、甘い蜜の匂いを漂わせましたら、ウグイスとは反対に警戒心の薄いメジロは街中に出て、民家の庭に咲き誇る梅の花の蜜を甘いもの好きなメジロは、つがいで庭先の梅の木の枝に止まって、蜜を吸っている姿と、遠くから透き通る大きな鳴き声でさえずるウグイスが、この時に混じり合ってしまうのです。それこそウグイスメジロの姿形の間違いで、メジロウグイスだと思ってしまい、現在に至っています。「梅に鶯」は枝に止まったメジロウグイスと間違われた結果、絵描きさんがわざと梅の木にウグイスを描きました。縁起物の証です。

④-1.https://yacho-joho.com/niteiru-yacho-chigai-miwakekata/suzume-hojiro-chigai-miwakekata/より引用の左のスズメ(体長約15㌢)に似ているとされる右のホオジロ(体長約16㌢)

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④-2.https://zukan.com/media/comment/original/comment_3972_20170321124358.jpgより引用の左がスズメ、右が雌雄のニュウナイスズメ(左がオス、右がメス共に体長約14㌢)

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   一発で身近にいるスズメに似ている鳥はと探して一番似ていて、また比較的に身近な鳥となれば、④-1.の写真でスズメと比較写真になっていますスズメとは遠縁のホオジロだと思います。ウグイスメジロみたいに体長約4㌢も背丈の差があっても、間違われる要素がありますので、スズメは体長約15㌢で、ホオジロは約16㌢、色合いもよく似ていて、写真では似てないように思われますが、実際にはなかなか難しいかもしれません。同じ仲間同士でも、④-2.スズメニュウナイスズメは似ているかもしれませんが、よく見たらスズメの顔には黒班がありますが、ニュウナイスズメにはありません。またスズメニュウナイスズメも雌雄同色ですが、ニュウナイスズメの雌雄の判別は写真のように、メスの頭には白く棒状になっていますが、オスにはありません。近縁でも似てない。

⑤https://note.com/hiho2351/n/ncfed8e6148e8より引用のハシボソガラス(左側、体長約50㌢)とハシブトガラス(右側、体長約56㌢)

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   似たもの同士で、同じカラスの仲間であり、私たちにとっても、身近な二種のカラスといいますと⑤の写真ですべてがお分かりになると思いますが、左がハシボソガラスで右がハシブトガラスです。身体の大きさはハシブトガラスのほうが大きいのですが、こうやって写真で二種を見比べても、ハシボソガラスが小さいなとはいきません。二種の判別方法は名前が示しますように、ハシボソガラスは体長約50㌢で、クチバシが細く、ハシブトガラスは体長約56㌢で、クチバシが太くて、おでこが出っぱっています。アップして見ましたらよく二種の体型の違いがわかるかと思いますが、公園などで写真の様に並んで歩いていましたら分からないです。二種は普段は仲が悪いです。

⑥-1.https://blog.goo.ne.jp/longq/e/b39c24714f27e2b3156ee30144dac3f6より引用の左のハクセキレイ(体長約21㌢)と右のセグロセキレイ(体長約21㌢)

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⑥-2.https://yacho-joho.com/niteiru-yacho-chigai-miwakekata/hakusekirei-segurosekirei-chigai-miwakekata/より引用のハクセキレイセグロセキレイの写真比較

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⑥-3.https://yacho-joho.com/niteiru-yacho-chigai-miwakekata/hakusekirei-segurosekirei-chigai-miwakekata/より引用のハクセキレイセグロセキレイの顔の比較

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   前項のまっ黒な身体の色をした二種のカラスの判別もいざとなったら難しいと思いますが、この⑥-1.の写真のハクセキレイセグロセキレイの二種の身体の色は白黒ですし、このような写真を見て判別することは不可能に近いです。カラスは大きいので、まだ近づけるところまで行けば判別することはできますが、二種のセキレイは体長約21㌢といっても尾羽が身体の割には長く、身体自体はスズメよりも小さいです。また近づいて飛び立って逃げずちょこちょこ走り回りますが、動体視力が良くないと見分けられはしないと思います。⑥-2.の写真では、二種の全身像の写真比較です。なるほど、比べて見ますと、セグロセキレイのほの顔から胸元にかけての黒い部分は広いです。続いての⑥-3.の写真は二種の顔のアップです。写真比較の解説には納得は致しますが、この判別はセキレイの目線での見分け方で、小さなセキレイに出くわしたときにその目線に合わせるのは困難です。セグロセキレイは背が黒いから名前の由来になっていますが、ハクセキレイの背も黒いです。

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