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第2033回 意外な仲間シジュウカラ、ヤマガラとコゲラ

①https://www.google.co.jp/amp/s/miyakejima.seesaa.net/article/411942494.html%3famp=1より引用の混軍の仲間のイラスト

   シジュウカラをはじめとしますカラの仲間という鳥の分類があります。「カラ」と名前の一部につきます鳥の仲間たちです。①のタイトルイラストではシジュウカラメジロコゲラヤマガラを表しています。「カラ」の仲間にはシジュウカラヤマガラ、コガラ、ヒガラ、ゴジュウカラたちが日本の「カラ」です。「カラ」とはついていませんが、エナガも仲間にはいります。このように「カラ」の仲間といいますのは、体長約14㌢前後の小鳥たちをいいます。タイトルイラストにあるのは、この「カラ」の仲間たちと群れを形成して冬の餌の乏しい時期にこの集団で、協力して餌を探すのです。この仲間にタイトルイラストのメジロコゲラが加り混軍を形成し餌を求めます。

②https://ameblo.jp/enaga-chan/entry-12265122536.htmlより引用の左シジュウカラ(体長約14㌢)と右ヤマガラ(体長約14㌢)の喧嘩

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   ①のイラストをご覧になられましたら、小鳥は小鳥同士で仲が良いのだと思われる方もさぞいらっしゃると思います。しかし現実には普段からこんなに仲が良いのならば、冬場の餌が乏しい時期にわざわざ混群を組まなくても、餌の心配はないはずです。非繁殖期と繁殖期に鳥たちの生活を分けるとしましたら、繁殖期にはつがい相手や生まれてきたヒナや幼鳥を守るために、餌の確保は重要で、繁殖期に縄張りを授けるのはその意味合いもあります。反対に食性が雑食ではなく、肉食のモズカワセミなどは繁殖期を終えて、秋から冬に突入します頃には、つがい関係を解消し、雌雄が別々の縄張りを持ち、乏しい冬の時期に自分の餌を確保する領域を守るため、元のつがい相手も敵に回します。よって②の写真のような、互いの営巣先である木の鉾らの奪い合いは、混群の際には仲の良いヤマガラであろうと、別のシジュウカラであろうとも、手加減なしに喧嘩して奪います。

③-1.https://www.birdfan.net/2018/08/03/64251/より引用のつがいのシジュウカラ(手前がオス、奥がメス)

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③-2.https://turubei.exblog.jp/238644150/より引用のシジュウカラの営巣

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   シジュウカラといいますと、最近では毎日のように見かけるほど、街中に進出して来た鳥といえます。そんなシジュウカラの繁殖は、③-1.の写真かのように雌雄同色で、見分け方は喉元から首にかけての黒いネクタイのような帯状の模様がメスより太いのがオスです。さえずることによりメスを求めますが、さえずりは甲高いよく通る鳴き声で「ツーピツーピ」「ツィピーツィピーツィピー」「チュチュパーチュチュパー」「パチュパチュパチュパチュパチュパ」「ツーピピッ」「ジャージャー」など約20種類ほどあり、同じさえずりを数回繰り返します。 危険を感じた時などに鳴き声が変わります。混群を率いる時には、この鳴き声を組み合わせ多種のカラ類の仲間に発信します。③-2.の写真のように、樹洞やキツツキ類の開けた穴の内側などに、メスが主に苔を組み合わせ、覆うように獣毛やゼンマイの綿、毛糸などを敷いた椀状の巣を作り、日本では4〜7月におよそ7〜10個の卵を年に1〜2回に分けて産卵し、メスのみが抱卵します。人が用意した巣箱も勿論使います。

④-1.https://blog.goo.ne.jp/kiyosato_001/e/db5517003062076bd0c2a3db989e4a9eより引用のつがいのヤマガラ(左がオス、右がメス)

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④-2.https://okaelin.cocolog-nifty.com/blog/2010/04/post-e92e.htmlより引用のヤマガラの営巣

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   ヤマガラの食性は雑食で、昆虫、クモ、果実などを食べます。主に樹上で採食し夏季は主に動物質を、冬季は主に果実を食べます。堅い果実や大好物のエゴの実は後肢で挟み、クチバシでこじ開けて中身を食べます。また樹皮などに果実や木の実を貯食します。雌雄の見分け方は体色がメスと比べて濃いものと、④-1.の写真のように、繁殖期の求愛行動にメスへの給餌が挙げられます。ヤマガラは繁殖期である4月〜7月頃になると、④-2.の写真のような、樹洞やキツツキの古巣などの穴で営巣します。 苔などを組み合わせ、獣毛などを敷いた皿状の巣を作ります。 一腹卵数は3〜8個で、メスによる抱卵期間を経て孵化します。シジュウカラ同様に人が設置した巣箱も良く活用します。ヤマガラの鳴き声は「ツイッ、ツイッ」「ニーニー」や「ビィービィービィー」です。鼻にかかったような声で地鳴きします。また、「ツツピー、ツツピー」を繰り返したゆっくりとしたさえずりで、とてもシジュウカラの鳴き声に似ています。

⑤-1.https://ameblo.jp/babatorizuki/entry-12585872822.htmlより引用のつがいのコゲラ(左がメス、右がオス共に体長約15㌢)

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⑤-2.http://nf-world.cocolog-nifty.com/blog/2009/05/post-d36f.htmlより引用のコゲラの営巣

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   カラ類の仲間ではなく、キツツキの仲間に当たりますコゲラの雌雄の見分け方は、キツツキ全般に言えることは、オスの後頭部には赤い班があるといいますが、コゲラには両脇部分にある、ほんの数本の赤くて細い羽が興奮したりした時に見える程度で、⑤-1.の写真から、右側のオスの外見では確認出来ません。キツツキが枯れた木の幹を嘴で繰り返し叩いて連続音を出し、メスに求愛行動します。このことをドラミングといいます。キツツキには、さえずりが無いので、木を突くことで縄張り宣言や求愛をしていると考えられています。コゲラは、広葉樹の枯れ枝などの菌が入って柔らかくなった部分に営巣します。巣の大きさは入口が約直径約3㌢、深さが約15㌢ほどで、毎年新しいものをオスとメスで協力して掘ります。一回の産卵は4〜6個で、雌雄による約14日の抱卵期間を経て卵は孵化します。郁雛も雌雄で行います。こんなコゲラは非常にカラ類の近くで同じような食性である為に、カラ類ではないですが参加します。

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