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第1976回 色んな鳥の趾 ⑵

①http://www3.famille.ne.jp/~ochi/kaisetsu-01/05-te-ashi.htmlより引用のダイサギの趾の指    

   鳥の趾の指が退化する順番を哺乳類と比較してみましたら、哺乳類は1.  親指(第一趾)   2.小指(第五趾)   3.  人差し指(第二趾)  4.  薬指(第四趾)の順番であるのに対して、鳥は基本的には指が四本なので、1.  第五趾   2.  第一趾   3.  第二趾   4.  第四趾の順番となります。また指の構成は、第一趾が2節
第二趾3節、第三趾4節、第四趾は5節となります。また鳥にはよく木の枝に止まって採餌します樹上性の鳥と、あまり木の枝に止まらない地上性の鳥に分かれます。木の枝に止まることができるための後趾は樹上性の鳥は発達していて、地上性の鳥は発達していません。同じように爪も樹上性の鳥は枝に止まりやすいよるに大きく湾曲しているのに対して、小さく、直線的です。爪の湾曲度であります半径は体重に比例(0.34)致しまして、捕食性(猛禽類)、登攀性(キツツキなど)は体重と共に増加します。その反対にキジなどの地表性の鳥は体重と共に減少します。よって中趾の湾曲度は
木によじ登る種でありますキツツキは110~170度
枝に止まる種は90~140度、地上性の種のキジなどは40~90度で、今の鳥類の元と対しなりました
始祖鳥の脚の爪120度、手の爪147度であります。
始祖鳥は樹上性の鳥でツメバケイに似ています。

②-1.http://diastataxy.jpn.org/sr1444_kawagarasu_toe.htmlより引用のカワガラスのザラザラで滑りにくい趾

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②-2.https://blog.goo.ne.jp/dankai-sedai/e/57a8d56ac354a9701cf7f2a89fe52399より引用の地上性の高いヒバリの長い後趾

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②-3.https://karapaia.com/archives/52071962.htmlより引用の地上を走るキツツキの仲間のミチバシリの前二本、後二本の対趾足

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   ②-1.の写真のカワガラスは趾がざらざらで滑り止めになっています。その吸盤のように吸い付くような趾で、水上の水苔が生えた石の上や川底を歩いたり、走ったりすることができます。地上に営巣いたしますヒバリは②-2.の写真のように、後趾の爪が長いです。それは風が強くても地上で踏ん張れる事にあります。しかし、細い枝などに止まるのには不向きです。②-3.の写真のミチバシリは、よく歩く鳥は後趾が無い種が多いが、砂漠を走るミチバシリは前二本、後ろ二本で走ります。

③-1.https://blog.goo.ne.jp/asekaki-kr/e/a5d3165260278fa5f7d8e2649f617ff6より引用のカモの水掻き(蹼足)

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③-2.http://diastataxy.jpn.org/sr1134_kawau_web.htmlより引用のカワウの全蹼足

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③-3.https://www5.city.kyoto.jp/zoo/enjoy/blog/rescue-blog/20170926-26549.htmlより引用のカイツブリの弁足

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   ⑴  水掻き→(③-1.、-2.、-3.の各写真が水掻き)発生の途中では鳥類全てに有りますが、発生の進行に伴い、水鳥以外では消失するこれをアポトーシス(組織のプログラムされた死)           

④-1.https://jp.123rf.com/photo_36465478_%E9%B3%A5%E3%81%AE%E7%88%AA.htmlより引用の鳥の爪

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④-2.https://ktrsjn.blog.jp/archives/1117757.htmlより引用のゴイサギの櫛爪

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 ④-3.http://ikimono8000.blog36.fc2.com/blog-entry-1090.htmlより引用のキジの丸爪

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④-4.https://imagenavi.jp/search/detail.asp?id=58077763より引用のワシの鉤爪

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④-5.Twitterより引用のカイツブリの平爪

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   ⑵  爪(③-4.の写真)→内部には血管が通っています。飼い鳥の爪を切り過ぎると血が出ます。人間とは違い、爪の伸長と共に内部の血管も伸びます。上部のほうが下部よりもわずかに成長が早いので、爪は下方に曲がります。第三趾の爪は左右対称ではありません。種によっては、③-5.の写真のゴイサギのような櫛歯となります。スズメ目の鳥では普通第一趾が一番の大きさとなります。
1.  丸爪→キジ類(写真④-3.)
2.  鉤爪→オオミズナギドリウミウ、タカ科、ハヤブサ科、オオトウゾクカモメ第二趾(写真④-4.)
3.  平爪→アビ類、カイツブリ類(写真④-5.)
4.  長爪→ヒバリ第一趾、ツメナガセキレイ第一趾(写真②-2.)
5.  櫛爪→グンカンドリ類第三趾、カツオドリ類第三趾、ツバメチドリ第三趾、ウ類第三趾、サギ類第三趾、ヨタカ第三趾(写真④-2.)                          ⑶趾行性とは、鳥類は全ての種が踵を浮かせ、指だけを地面に接地します。ふ蹠(踵から趾上部までの部位)をつけて休息致します。
セイタカシギダイサギトウネンハマシギ

⑤https://www.birdfan.net/2020/03/27/78414/より引用の木の実を趾で抑えて食べるヤマガラ

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   ⑷  利き足→⑤の写真のヤマガラシジュウカラは、虫を食べるとき、枝の上で必ず一方の脚で押さえます。この時、どちらの脚で押さえるかは個体によって決まっています。右利き、左利きの鳥が観察されています。その鳥はシジュウカラ類、ワシタカ類、イスカ類などです。人と同じく六割が右利き。知能の高いオウムは左利きが多い。    ⑸  櫛爪はサギ類の中趾の爪の内側にある櫛状の縦筋で、羽づくろいに役立ちます。他にカツオドリグンカンドリヨタカツバメチドリメンフクロウなど。                                                      ⑹  放熱→脚が羽毛に覆われていない種では、上がりすぎた体温を下げるのには脚が有効です。40度の体温でも脚の表面は気温と同程度。飛行により代謝率は静止時の十倍、体温は4度ほど上昇します。体温の上昇に伴い脚の血流が数倍に増え、外気により冷ますことができます。                               ⑺  鱗→脚と趾の脚鱗は爬虫類の鱗と同様で、ツル、コウノトリにあり、蛇の腹部の鱗に似ています。六角形でやはり恐竜の名残かもしれません。             ⑻  趾の裏の色
   1.  タンチョウ→黒か肌色
   2.  カワセミ→赤
   3.  アリスイ→ピンク
   4.  メジロ→淡黄色                                                   ⑼  前指→元来五本でしたが、第四指と第五指が消失し、三本指です。第一指と第五指が消失という説もあります(発生学者の一部)。第一指と第三指も痕跡程度。第二指のみ機能。第二指と第三指が癒着、第一指は可動。第一指と第三指は指骨が一個
第二指は指骨が二個です。獣脚類は外側の指から順次内側に向かって指が退化消失してゆく進化傾向が明白となります。                                               ⑼  電線に止まった記録の無い種
アビカイツブリミズナギドリ、ペリカン、ガン、カモ、キジ、ツル


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