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追悼・松井守男さん「果たそうとしてくれた約束」

今日のうちに書いておきたい文章を構想していたんだけど、
結局今日も、元々の予定に加えて多方面への連絡に追われ、ヘトヘトになってしまったので、縮小した内容です。

トップ画は、2,014年にアークリッシュ豊橋で開かれた、松井守男さんと山下洋輔さんのコラボディナーの時のものです。

写真の全景はこちら・・・

背後に、守男さんのフランス担当社長のロベールさんも写ってる。

思えば初対面のこの時から、心近い方でした。
私は魂が自由な人に会えると共鳴するのかすぐに距離が縮まる。

この日は、守男さんが「豊川海軍工廠」三部作のうちの第一の「レクイエム」を公開した時だったかで、このディナーに連れて行ってくれたのは、当時アークリッシュを勇退したばかりの酒井シェフでした。

キャプションとは違うけど、二人とも若い!!!

私がなぜこの絵を載せているかというと、酒井さんと私の頭上にある男性の顔は、私の伯父の少年時代がモデルになっていました。
私の伯父(東愛知新聞の最初の社長)の圭吾は、豊川海軍工廠でまさに空襲に遭い、豊川から豊橋まで歩いて逃げてきた経験を持っていたそう。
守男さんがこの作品に着手する時に存命だった伯父の他に、私の右下に逆さに描かれているのは、なんと豊橋の様々な分野でのリーダーだった神野信郎さんらしく(伯父も信郎さんも故人)、この絵のきっかけとなった背景も、のちに守男さん本人から聞いていました。

守男さんがフランスから帰ってくると、伯父が守男さんを温かく迎えたり、豊橋市との間で何か困ると、伯父が守男さんを助けていた様子(数多くの支援者の一人として)。
伯父のおかげもあって、守男さんは私をかわいがってくださったのだと思います。

出会いから振り返ろうとしたけど、間を書く余力がないので、結果的には、叶えられなかった約束の話を・・・

昨日の投稿でも触れたけど、来週、守男さんとの約束は二つあり、
一つは、豊橋のフレンチ「アモンダン」でのディナーでした。
アモンダンの庭師さんのお父さんが、守男さんのお友達だったかで(ちょっと不確かですみません)、守男さんのお気に入りのお店でした。

そのディナーの第一の目的は、東愛知新聞編集長の山田さんのお祝いでした。
これは1年越しになってしまったもので、昨年から、山田さんの大病からの復帰、5月のお誕生日のお祝い、記事でお世話になっていることへの感謝やお礼など、守男さんはずっとずっとその会食を実現させようと、何度も何度も気にしてくれていました。

振り返れば昨年は、緊急事態宣言が何度も出されたり(レストランでお酒が飲めない、早く閉店してしまう)、守男さんも、日本にいた間、全国を飛び回っていて、なかなか機会が持てないままフランスへいったん帰国。それでも今回日本に戻ってきて、やはりまた山田さんへのお祝いを気にしてくれたのでした。

以前、守男さんとメールのやり取りをした時に
「ぼくは、家族がいないから、友達と約束は守る」
と書いてくれたことがありました。
全くその言葉の通り、こちらが恐縮するくらいに、友達を大切にし、記憶力が鮮明で、いつも明晰な頭で、古い約束を必ず叶えようとしてくれました。
*もちろん、守男さんのその思いを現実化してくれたのは、郷保社長のサポートあってのことでした。

もう一つ、4月にある用件をメールで頼まれた時に、その日が次男の誕生日で、私がちょうどケーキを買いに行くところだと返事で触れたところ、こんな風に気を利かせてくれました。

<後輩の次男さんに〔Bon Anniversaire 🥂🎊〕❗
ケーキ代は先輩のプレゼント🎁
だから今度ジャンヌダルクに逢った時に請求してね‼>

*次男は守男さんの高校の後輩にあたり、ジャンヌダルクとは私の呼び名

この思いやりだけでもうれしかったのに、いざ、来週のディナーの予約が成された後に、

<大きい🎂は当日の誕生日用 小さな🍰は次男さんの誕生日ケーキ…いずれにしろお二人には お祝い遅れ🙇🏻>

*お二人というのは編集長と次男のこと

こんなふうに次男のことまで改めて触れてくれて、びっくりしました。
本当に思いやりにあふれたやさしい方でした。

もちろん、メールを簡単には公開しないし、本来なら本人に確認することだけど、守男さんのお人柄を伝えたくて、少し添えさせてもらいました。

今回、タイトルを「果たせなかった約束」にしようかと思ったけれど、
守男さんはずっと、なんとか約束を「果たそうとしてくれた」ので、
その約束の日の前に、まさか亡くなってしまうとは思わなかったけれど、
今しかないこの期間や気持ちの時に、書かせてもらいました。

<7日は、シャネルのロングドレスか、~~で来てね!>
と、冗談を言っていたのに、今日私は黒いワンピースを用意しました。
こんなことになるなんて!!と涙がこみ上げるけど、また気持ちを、
差し支えない範囲で書かせてもらいます。



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