東洋医学講座 119
▽爪の診断と爪型
▼爪の伸び方
爪の伸びは人によって違い、また年齢によっても異なります。約3か月で伸びるのが標準とされていますが、病気のときは伸びが遅く、その人の体質によっても伸びは違ってきます。
故事に「楽髪苦爪」という言葉があります。その意味は、楽をすれば髪が伸び、苦労をすれば爪が伸びるということです。では、どうしてそうなるのでしょうか?
いきなり髪と楽を結びつけようとしてもいけません。こういう問題を考える場合には、まず初めに五つに割って考えてみます。
髪は人体にありますから、五臓が根となっています。髪を五臓に分類してみれば、腎ということになります。腎は根で、髪は葉です。腎が伸びる、つまり腎が旺気するのはどういうことか、という考えで進みます。
腎は全身運動を休めているときが旺気出来るときです。休むというのは、言葉を言い換えると、楽をするということです。したがって、楽をすれば髪が伸びるということであります。
では「苦爪」のほうはどうでしょうか?もう分かるかと思いますが、前と同じ考え方をすればいいのです。
まず、爪は肝です。肝が旺気するのは動いているとき、つまり働いているときです。苦労するというには、精神や肉体を動かしていることです。苦労すれば、精神や肉体をずいぶんと使うことになります。したがって、旺んに動けば、肝が働き、爪が伸びます。爪は、肝の葉です。
苦労している状態は、肝旺・心旺になっています。肝は体を動かさなければ運用できません。筋肉などは使わなければ発達しません。人間の体は、腎以外は適当に使わなければ発達しないようにできているのです。腎は休むことでより運用できます。
このように爪の発育もそうですが、何の場合でも、その人の体力・体質・生活状況・年齢などで違ってくるので、それらを観察する必要があります。しかし、体質などによっても異なりますが、やはり肝の旺気している人の爪の伸びは早くなります。ちなみに、肺の旺気している人は、どちらかといいますと爪の伸びは遅くなります。
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