見出し画像

東洋医学講座 299

〇脾と中央

春夏秋冬の方位は、東、南、西、北に当たり、両者の働きは同じですが、その基盤となっている大地は土盤であり、全体でもあり、中央に位すると考えていいのであります。

脾の働きは、人体の中央的存在であり、中央指令を発しています。方位では、東西南北の四隅にその働きの一端を現しながら、中央に座して、四季のコントロールを司るものであります。

▽脾は人体全体をコントロールする

中央という考え方を、中央は一つの場であるので方位的に説明しますと、土盤上に春夏秋冬があって、大地の上で四季が働いているとします。そうしますと、脾は全体の土盤となり、中央というよりも、むしろ全体を把握する中心者という風に考えられます。

東には春気が、南には夏気が働いているように、これらを人体に置き換えますと、東の春気に当たるのが肝気であり、南の夏気は心気であります。そうしますと、土というのは脾盤で、肉体全体であります。脾という肉体の中で、肝心肺腎の四臓の気が働いていて、それに脾自体も働き、合わせて五臓の気が働いていることになります。結局、脾は全体をコントロールしていることになります。

1年においても、脾は春夏秋冬のコントロールをしています。東西南北の四隅に土用があって、土用は春から夏、また夏から秋というように変化させる働きがあります。人体においても、脾の中央的な働きは、四臓を営々するために消化・吸収作用をして、また脾臓は、四気によってその働きを完全なものにするという相互関係にあります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?