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カメラワーク入門編 Vol.2

ロサンゼルスを拠点に活動する映像制作会社、
ハイボルでインターンをしているERIです。こんにちは!

ハイボルのホームページはこちら!(www.highvoltageusa.com)

今回は、「カメラワーク用語」の第2弾をやっていきたいと思います。
またまた、赤ちゃんレベルですが…
Baby stepで少しづつ知識を増やしていけたらと思います。
よろしくお願いしまーす!

本日も3つご紹介させて頂きたいと思います。

① Static shot (Fix shotとも呼ばれます) / フィックス

カメラを三脚の上に置いて、静止した状態で画角を動かさないで撮影すること。もちろん画角の中では、俳優さん・物・背景などの動きはあります。

「フィックス」で撮影することで、画角が動かない分、
観客にシーンの内容を集中して観せることが出来るのです。
セリフだってしっかりと聞かせることも出来ますし、
状況もちゃんと噛み砕いて飲み込んでもらえます。

ストーリーを集中して見て欲しい!という時に使われるんですね。

それでは、最近再チャレンジしている映画「2001年宇宙の旅」から
フィックスが使われているシーンを見ていきたいと思います。

「お!これはフィックスだ」と思ったシーンは、有名なモノリスの登場するところ。

猿たちがモノリスを初めて見てびっくりしているシーン。
カメラワークはずーっと「フィックス」なんです。
画面がじっとして動かない為に、猿たちの動きが際立って見えると同時に、
いきなり出てきた「モノリス」の不気味な感じも伝わるなぁと。

このモノリスのシーンの動画を見てもわかりますが、
動かないから余計に、モノリスのどーん!っとした様子が感じられます。

余談ですが、私この映画何度もチャレンジしているんです。
ただ、何だか途中で睡魔が…ぜなんでしょうか…
見られない自分が、すっごく悔しいんです。
しかし!
カメラワークを勉強しているので、のめり込んで見ることが出来るのではないか!
ということで、今再チャレンジしているの最中なのです!
(最中ということでまだ見終えていませんケドネ…)

再観して、改めて思ったのですが、
なんか50〜60年前に作られた映画って感じがしないなーって。
もちろん映像の粗さは感じます
「ん?難しかったのかなコレ(当時の技術的に)」って思うところもありましたが、めちゃくちゃ古臭ーいっとは思わなかったんですよね。未だにコンセプトが新鮮だな、と。

続いて、「黒い司法0%からの奇跡(原題「Just Mercy」)」からの一場面。

実際に起きた事件から展開した裁判の話を映画化したもので、ジェイミー・フォックスさん演じるウォルターが、上訴がウォルターや家族にとってどれだけ意味のあるものなのかということを語る感情的なシーン。

この場面は、ウォルターの想いが強くこもった彼の話を聞かせるところなので、「フィックス」で視聴者の気を散らせないように撮影されています。

「Just Mercy」は、とっても、とっても、とっても素敵な映画です!!
映画館でずーっと泣きっぱなしになります。。
なんか心が洗われる感じでがして、3回も映画館に観に行ってしまいました!笑
私の隣で観ていた女性も、映画のエンドロールが始まった直後に、
誰かに電話をかけ、「I just saw the best movie ever!(今までで一番いい映画を見た)」と言っていて、
うんうん。本当にそうだよね。と思いました。
本当に本当に素敵で、そして人種差別について深く考えさせられる映画です。

映画を観た後、実際の事件についてのドキュメンタリーも観たのですが、
話し方から動きから、出てくる主要キャラクターが本人にそっくりで、
俳優さんって改めてすごいなぁと実感しました。

②Pan / パン

この言葉は、撮影に参加させて頂いた時に、よく聞く言葉でした!
これを聞いて「勉強しなきゃ」とも思った言葉。

「パン」とは、カメラを水平に左右に動かすことです。
もちろん手持ちでも可能ですが、
三脚に乗せることでスムーズな「パン」の動きをすることが出来るそう。
要は、手ブレを最小限に抑えることができ、綺麗なのです。

被写体の動きを追う時に利用したり、
視聴者に新しい情報を与える際に効果的に使えるカメラワークです。

また、カメラをスピード感をつけて素早く動かすことを
「Whip pan(ウィップパン)」と言います。
これによって、シーンにエネルギー(勢い)を与えることが出来ます
また2人のキャラクターの間で行われているアクションを撮影する場合や
ポン!ポン!とテンポの速い会話をしている時など
更にはトランジション(場面の転換)として使われることも多いそうです。

「パン」を使用した場面の例がこちら。

https://www.youtube.com/watch?v=p8FKO5tDG3I

俳優のJ.K.シモンズさんがオスカーを受賞した
「セッション(原題「Whiplash」)」で効果的に使われています。

「パン」は、上記動画の0:58から始まります。

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このニーマンとフレッチャーを行き来するカメラワークによって、
2人の発するエネルギーが画面を通して伝わってきますね。

それにしても、J.K.シモンズさんの鬼教官ぶりがすごかったですよね!
演技が素晴らしくて、観終わった後に何だかふぅーっと力が抜けて、
少しだけ疲労感を感じるようなそんな映画だったなぁと。

③Tilt(ティルト)

「ティルト」とは、パンと同じようですが、動きの方向が変わります。
こちらは、上下移動
上に上げることを「ティルトアップ」
下げるのを「ティルトダウン」と言います。

例えば、巨大な建物や絶景のスケール感を演出したり、
被写体の全容が分かるような演出をしたい時に使うのが効果的です。

スティーブン・スピルバーグ監督はこの方法をうまく使う監督だそう。
こちらの「ジュラシック・パーク」でも効果的に使われています。

こちらの映像の0:34でグラントとエリーが初めて恐竜を見るシーン。

カメラワークで一度に恐竜を見せないことで、
観客の視界におさまらないほどに
「こんなに恐竜って大きいんだよ!」って教えてくれます。

初めて恐竜を見たキャラクターの感動と、
ジリジリと全体像が見えるまでの時間があることで、
視聴者側からしても「わぁ!」という驚きが生まれます。

ところで、
来年公開予定の最新作「ジュラシック・ワールド / ドミニオン」では、
オリジナルのグラント、エリー、マルコムら3人のキャラクターが登場するとか。どんな感じで登場するのか、気になります。

最初にこの映画を観たのは、私がまだ小さい頃だったのですが、
今でも強く印象に残っているのは「恐竜の迫力がすごかったなぁ」ってこと!

それから、パソコンがハッキングされた時に出てくる小太りのおじさんの、
人差し指をフリフリしながらの「アッハッハー」って笑い声。
いやー、あの笑顔と声、憎たらしかったですねー!笑

というところで、本日はここまで。
知れば知るほど面白くなっていくカメラワーク。
そして、まだまだあるカメラワーク。
HVEの皆さんに教えて頂き、お勉強させてもらいながら、また次を書いていきます!

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