見出し画像

一之輔チャンネル(上)

当代きっての人気噺家、春風亭一之輔。今最もチケットが取れない落語家なんて言われてますね。確かに面白いです。そんな一之輔の独演会のチケット取れてたんですけどコロナで中止。早く生で観てみたいです。
そんな一之輔が、YouTubeで10日連続生配信で落語をやるというビッグニュース。
これは観るしかないですね。

第一夜 初天神

初日、どんな感じで始まるのかな、とドキドキしながらPCの前で待機。座布団一枚であとは何もない高座。
初日のネタは初天神。一之輔の出世作?というかこれで受賞したんですよね、確か。枕はアベノマスクの話。ああ、生でやってるんだなと感じさせる。
CDとかでは何度も聴いたんだけど、映像つきは初めて。お父さんと子どもの演じ分けが上手いなあ。
とてもこどもとは思えない語彙力と叡知で首尾よくおねだりを成功させていく息子、グッジョブ。
いつもの初天神と思わせておいてまさかの大岡越前登場。ここからはもう新作落語といっていい。
見事な大岡裁きで親子の絆を教える大岡越前。こんな初天神初めて。YouTubeだから好き勝手やってるなあ。斬新。

第二夜 粗忽の釘

二日目。枕はお弟子さんの話。個性豊かで楽しい一門。
粗忽の釘。これも得意ネタですよね。色んな音源で聴いたことがある。
この粗忽者の大工演じさせるとマジで上手い。女房との馴れ初めを嬉々として話す場面とか爆笑。今日のアレンジは犬のペロ。脱線は初日ほどではなく安定してた。

第三夜 百川

三日目。東武鉄道を熱く語る。そして芝浜。超ショートバージョンの芝浜。そして芝浜dis。
今日のネタは百川。一之輔の百川は初めて聴きます。
百兵衛のぶっ飛びっぷりがスゴい。このキャラだけで爆笑誘える。それとちょっと抜けてる若い衆とのコントラスト。ドリフのコント観てるみたいな軽妙さ。いかりやさんと加藤茶のやりとりみたい。キレッキレでした。

第四夜 千早ふる

四日目。枕はだいぶとっ散らかって脱線しまくる。このグダグタ感がらしいと言えばらしい。
千早ふる。有名な話だけど話自体初めて聴きます。
人を食ったご隠居ワールド。カリフラワーのカリフラワー。きっとこのご隠居の性格はご本人そのままに違いない。いいのか?大丈夫なのか?というほどに嘘が嘘を呼んで暴走していく『これがホントの千早ふる』
アクセル全開。最後までぶっちぎった。ある意味本当の彼がそこにはいたのかもしれない。
一番怖いのは人間だ。

第五夜 青菜

五日目。このコンテンツが無料でいいのか、と俺も思ったけど世間でもそういう話は広がっているらしく、スーパーチャットの投げ銭システムが始まる。やり方よくわからないから別の方法で落語にお金落とそうと思う。
青菜。とても好きなネタです。色んな落語家さんがやってるけど、個性が見られて面白い。
そして一之輔の青菜。こういう惚けた人演じさせるとホントに上手いんだけど、今日のはスゴい。植木屋とタガメの女房。ぶっ飛んでる。くどい程に細かく植木屋夫妻を描写していくリアリティー、のなさ。やればやるほどこってりする。このこってりさがたまらない。癖になったらどうしよう。青菜なのにこってり。本領発揮である。

千秋楽まで突っ走ろうかと思ったけど、思ったより長くなりそうなので上下にわけることにした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?