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お先に失礼


すごく盛り上がっている場所から「お先に失礼っ」という感じでこっそり帰る。

昔からスッと消えるように立ち去るのが好きです。

「お先にー!!」ってやっちゃうと、お開きの雰囲気になったり、場の空気を壊すのが申し訳ないし、怖い。

去り方になんとなく美学すら感じている。

昔から自分中心に物事が回るのが苦手で、どんな集団の中でも自分は脇役で良いし、傍観者でいいと思っている。

担がれたり頼られたりするのが本当に苦手だ。


理由は単純。

自分をよく知っているからだ。
俺はそんな人間じゃない。


こういうことを書くと自分を嫌いなの?と言われがちだが、そういう訳ではない。

俺は俺の世界の中でしか価値が無い。

他人からの評価は大きくも小さくもなって、本当の自分の評価では無い。

≒俺の本心、本音の価値というのは俺の中では常にピュア100%であり、他人に話して伝わらなければ0.1%にもなるし、勘違いされたら120%にもなる。

だから俺は基本的に本心、本音を伝える時は絶対に伝わらない前提で話している。


前置きが長くなったが、俺はいつ死んだって良いと思っている。
むしろ、いつ終わらせてもいいし、今なら良いかなって思う事は生きてきた中で多々ある。

こんな事書けば不快に思われたり、心優しい人からは心配される事もあるだろうがネガティヴな感情は無く、自然とそう辿り着いた俺のピュアな死生観なのだ。



誰にも邪魔されたく無い。



他人とのギャップを感じた事は何度も何度もある。

6年ほど前に生命保険に加入した。

その時の担当者の方に聞いた。

「自分で死んだら保険おりますか?」

どうやら今までそんな質問された事は無いらしく、かなりビックリしていた。

俺からしてみれば当たり前の事で、こっちがビックリした。

「そう言った事が無いように相談して下さいね!」

なんて言われたが、相談なんてする訳がない。



まぁ保険屋さんからしてみれば損はしたくないからそう言うだろな、と思い、当たり障りの無い返事でその場は逃げた。


話のよく合う先輩で、価値観も近いように感じた人に打ち明けた事がある。

「俺自殺願望みたいなのあるんすよねー。最期はジャマイカへ行って、小さいボートと拳銃をゲットして沖まで出たらパン ってな感じでー。」

言わなきゃよかったと後悔した。
酔いが覚め、呆れるほど自論をかまされ説教されたのだ。



2年前に高速道路で100キロ以上出してたら中央分離帯にブツかり、グルグル回って横転した。

さすがに死んだなこりゃ、と思った。

結果無傷。

車から脱出しても「生きてて良かったー!」と思わず、
未だに思った事は無い。

あー、まだ死ねねぇんだなって、ちょっと重荷を背負ったような気になった。


生きてて良かったね!と言われても、言葉が見つからず困った。



自分の死を悲しいと思えない。

なんなら人より先に行く方が良いとすら思っている。


もちろん他人の死は辛いが、羨ましいと思う事もあった。


このなんとも説明のしようが無い死生観を、理解してもえるように2度書いたが挫折した。

どうしてもネガティヴになってしまう。

今回で3度目。

やっとそれらしい、伝わるかもしれない言葉を見つけた。

I want to die

ではなく、

I want to leave

のような。


楽しくても悲しくても寂しくても腹が立っても


「お先に失礼」ってな感じで。



ほとんどの人にとって死とは

野暮ったく、また乱暴に突き付けられる最期の出来事だ。



そこと向き合えたからいつでも良い。


十分楽しんだし、大体わかった。



ただ、「きっとアイツはバチが当たったんだろう」とか、「病んでそうだった」なんて噂されるのは癪に障る。



だからもう少しだけここでゆっくりしよう。




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