見出し画像

どうしても書きたいことがある

大阪へ遊びに行くときはいつも新大阪駅を使ってるんだけど、今回は年の瀬ということで指定席は行きのチケットしか取れなかった。

「まあえっか。新神戸駅から乗れば指定席もあるかもしれんよね」と思い調べてみると少しだけ帰りの指定席は残ってた。

大阪に泊まる予定だったのでめんどくさいなあという気持ちががなかったといえば嘘になるけど、三宮を経由して新神戸に行くので「いつも遊ばない場所で少しだけふらっとして帰ろうか」くらいの軽い気持ちだったんだよね。

でも実際に三宮に着いてみるとまあ歩くのがだるい。田舎もんあるあるだと思うんだけど歩くことが本当にめんどくさくて…新幹線の時間まではまだまだあるけど早めに新神戸に行くか。という気持ちになってしまった。

すっかり帰るテンションになってしまった僕はラーメンだけ食べて帰る気満々に。(チャーシュー丼も)
神戸から新神戸に行くには地下鉄に乗り換えないといけないらしく、僕は地下鉄の駅を目指して早足で歩いていた。

昼から賑わってる居酒屋やチェーンのコーヒー屋、ライバルと競うあうかのように立ち並ぶラーメン屋に昼から男を誘惑してくる人妻2500円の看板。昨日はしゃぎまわった僕にはどれも魅力的には感じなかったんだけど、その中で死ぬほど気になるお店が1軒だけあった。

小さな看板に大人1人が通れるくらいの真っ暗な地下への階段。階段の先には僕が求めていた純喫茶。

「うわ、やっば。ここ行きたい」

心の中で何度もやばいやばいやばいとつぶやき、営業時間を調べるとオープンは12時だった。時計を見るとこのときは11時半すぎ。

待つことが嫌いな僕は何度も諦めようかと思ったし、家に帰って飲めばええか。という気持ちもどんどん増してきた。

でもせっかくなら…30分くらい待つ…?という気持ちもあったので、別に撮りたくもないストリートスナップを撮ってみたり20分2500円の前を何度も歩いてみたり適当に時間を潰していた。

画像2

そしてやっと11時55分。せっかく待ったのに正直このときも迷っていた。

12時ちょうどにお店入ったらちょっとキモいよな…12時23分の電車乗れるかな…と。

そしてやっと12時。やった!待ったぞ俺は!と心の中で自分を褒めつつも1分だけずらして12時1分に入店。行くぞ!!!

入ると同時に絶望した…

なんと僕より先にカップルが1組。なんで…。1人でカウンターに座って楽しもうと思ってたのに…てか君ら待ってた?

そんな気持ちもあったけどまあそんなことはどうでも良い。大げさに書いてみただけだ。12時23分には電車が来る。

優しそうなマスターにほっとしつつ頭の中で喫茶アラジンを流しながら、久々に入った純喫茶を一人で楽しんでいた。

「雰囲気いいなあ。カップおしゃれだなあ。ああ、そういうふうに淹れるんか。豆多いな〜贅沢〜」

カリタの陶器ドリッパーで淹れられたホンジュラスのコーヒーは本当においしかった。
心から入ってよかったと思ったし、また来たいと思った。

僕は初めて行くコーヒー屋ではオリジナルブレンドを買うようにしててるんだけど、豆を注文するとだいたい帰り際に会話が弾む。

休みは長いんですか?からはじまり、今回は9連休なんです。広島から来てて、今から地下鉄に乗ろうと思ったらたまたま見つけてお邪魔しました。と答えたところでマスターの声のトーンが変わった。

「え?広島?広島ですか?どこですか?私も広島なんです」

まーじーかー!とこのときすでに鳥肌もんだったけど冷静に

「福山です」

「えええ本当ですか私も福山です」

このときの震え具合は本当にやばかった。歳も離れてるマスターだったしたった2、3分のことだったけどすごく盛り上がった。
こういう会話が生まれることも僕がコーヒー屋に行きたいと思う理由のひとつなんだけど、今回は過去最高に死ぬほど楽しい帰り際のひとときを過ごせたと思う。

地下鉄三宮駅のホームについてもまだ鳥肌が止まらなくてこんなにいい気分で帰るのは久しぶりだった。

あーまた行きたいなあ。次関西に行くときも新大阪じゃなくて新神戸だ。

画像1


プロテインがほしいですばい