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信越五岳トレイルランニングレース100mile/20230916-18

結果はゴール手前でタイムアウトでした。33時間、159.3kmこの数字は最後までずっと手首の時計を見ながら走り続けていたので忘れない。

ゴールまであと5kくらいの地点でレースが終わりました。

タイムアウトの原因は完全に僕の時間配分ミスである。言い訳もない。準備不足。

二日目の夜、「ラスボス」瑪瑙山をクリアしたあと、最後のセクションはゴールまで7キロの林道である。最低1.5時間残しておけばなんとかなると思っていた。今考えるとそれすら甘いんだけれど、それでも。

なので最終のエイドステーションで「残り13kです!頑張ってください!」と言われた時にはちょっと理解ができなかった。半分くらいスタッフさんの距離間違いだろうとすら思った。あと7kだろう、7kだよね、7kじゃないの。

でもコース表記を改めて見ると13kって書いてあるのだ。

予定通り1.5時間残してあるので、それだけの手持ちで13k行くことになった。これは近所のフラットな道を練習で走る速さである。無理なのか、いや、つまり近所を練習で走る速さで1.5時間走り切ればいいんだろう。やってやれないことはない。

両胸に下げていたドリンクホルダーの水をぜんぶ捨てた。これで1kの減量である。なだらかに上下する砂利道の林道を、文字通りなりふり構わず、けものみたいな形相で走り始めた。

最初の1kは6分、悪くない。このまま続けたら間に合う計算である。2k13分。まだある。しかし3k目に入ったところで足が止まり、そこから結局一度もまともに走ることができなかった。

宿に帰ったら爪がほぼぜんぶダメになっていました。

この時点でタイムアウトは免れなかったのだけれど、ゴールが見たかったので進むことにした。もしかしたら僕が見落としただけで、昼間の土砂降りを考慮してゴール時間を1時間伸ばしました、なんて全体連絡メールが飛んでいやしないだろうか。そんなことを考えつつ、もう誰も走っていない林道を、暗闇に向かってとぼとぼと歩いた。忘れていた足の痛みと眠気が急に襲ってきた。

制限時間1分前となった3時29分、下から車で上がってきた誘導スタッフに会った。「あと1分ですが、まだ行きますか」そうか、やはりゴール時刻は変わらずなのだ。そりゃそうだよな。「行きます。まだレース中なので」

そう告げたあとで時計を見たら3時半になっていた。そこから3歩くらいふらふらと歩いて路肩にしゃがみこむ。「すみません、ここでおしまいにします」そう告げて時計を止めた。それが159.3k地点。

悔しい。こんな悔しさが自分の中にまだ残っていたのかと驚くくらいに。練習不足の認識があったのならなぜスタートラインに着いたのか。その前になぜもっと練習しなかったのか。

言い訳はぜんぶ自分に戻ってきた。これはすべて自分が悪い。

次の目標はまだたてられていません。また信越五岳を目指すよと言えるほどの自信も根拠もない。ただ、これだけ悔しいってことは、まだ次行けるかもな、と翌朝になって思いました。行けるのかな、どうなんだろう。

とにかく、もっと速くなってからである、次のことを考えるのは。


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