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ニューヨーク、34歳から歯列矯正。デート可。

コマコです。

自己紹介をすっ飛ばしてでも「これだけはまず書かねば」と心に決めていました。歯の矯正 についてです。

家なし・彼氏なしで歯を矯正

私、歯並びは決して醜悪なレベルではないと思ってました。前歯2本がちょっと前に出てるかしら、でも小動物キャラでいけますよ、くらい。

それが2016年3月、ニューヨークで歯列矯正を始めていました。

きっかけは失恋です。あーダサいったら。その年の1月に長年同棲していた彼氏から「浮気したら本気になっちゃったン」て聞かされ、もうダンサーインザダーク。家を出て親友イチ子(♂)のアパートに尼寺として身を寄せていた際、イチ子の実姉(豹柄系美人)が話の流れで「大人の矯正をしていかに良かったか」を顔にスチームをあてながらとうとうと語ってくれて。

日本で「噛み合わせが悪いから、アメリカで歯列矯正も考えてみたら?」って言われてたしと、屍のようだったコマコは 矯正=新しい挑戦 と飛び付きました。失恋の痛手でハイになっていた、というのが正解ですが。

上の歯の自己主張よ

思い立ったが吉日、病院Orthodonticsはレビューサイトyelpを参考に直感で。無料の初回コンサルテーションで、私は上の歯列が完全に下の歯の前にかぶさるオーバーバイトだとの診断。前歯は後年もっと出る可能性があるとまで。ひぃん。それでも乙女心に、透明なマウスピースをはめるだけでいい「インヴィザライン」で治療かなとのんきに願っていましたよ。が。

「貴方の噛み合わせは極めて深刻で、インビザラインは無理。ワイヤー矯正一択

ちょっと気軽に来てみたよって相手にずいぶん無情なお言葉。笑顔を見せるスタッフの歯を見れば、憧れの透明なマウスピースがしゃなりとはまってるじゃない…

でも、突きつけられたX-ray画像がこれ。思わず爆笑。スタッフも半笑いでした。
ちょっと出っ歯とか小動物どころの騒ぎじゃなくってよ。前へ前へ。

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ハロウィンか何かの出し物にお使い下さい。

日本よりお手頃な値段

そうして提案されたコマコのお口変身プラン
・表側ワイヤー矯正、上の歯はクリア+下の歯はメタルブラケット
・上の歯2本抜歯
・治療期間は3年から3年半(絶望的長さじゃない?)
・値段は調整費なども全部込み込みで、6250ドル。

一括で払うなら10%ディスカウントだけど、分割の場合も手数料なし・何回払いでもOKという太っ腹な病院でした。先生はもちろん、大勢いるスタッフもいい人ばかり。日本で受けるよりはずっと安いし、アメリカの歯学は進んでいるから大船に乗った気分でサインしました。

引越し先も決まってないのに矯正しようっていうのだから、あのレントゲン画像の威力はすごいですね。

3年半の治療

実際に歯に器具が着いてワイヤーをキリキリ締めていくと「お粥しか食べれないほど痛い」なんて話も聞きますが、幸運にも私はそんな痛みはほとんどなく。ニューヨークが誇るベーグルだって普通にかぶりついておりました。矯正で頬の肉が一気に削げて痩せて見えたものの、実際に痩せることもなく。

何が一番辛かったか、それは自尊心の欠落。矯正器具をつけた直後から、鏡を見ては「何でこんな見苦しいものをつけてしまったのか!」と後悔の念。いきなりシングルになって、これからさあ相手見つけるってときに、このざまよ?

「3年半で37歳、さすがに結婚するだろうけど、この歯じゃドレス着れない!  あ、 結婚式の日だけ外してもらうとかできるのかな?」

杞憂でした。4年経って矯正終わってるけど、結婚してないから!!もう38!!
矯正器具ついてる自分に胡座をかく方が早かったです。

で、矯正中にデートできるか? 

最初こそごちゃごちゃ悩みましたが、余裕です。
歯にあんなのが着いてても、やることできますから。ありがたや、ありがたや。

歯の審美性を追求するのはこちらでは特別なことじゃないし、子供の頃に矯正をやる人がほとんど。「矯正中? へー痛いよねー」くらいの反応です。綺麗になるために投資しているものであって、恥ずべきものではなし。

ただ、オンラインデーティングに参戦するのに、プロフィールに書くかどうかは悩ましかったです。でも、自らを難あり物件に仕立てる必要はなかろう、と矯正については触れず、しれっと歯の見えない写真をアップ。最初のデートで、「矯正中だから、コーンとかケール食べると地獄」と言っておいて事実を押しつけておけば、もう一仕事終わった気分です。ただ「どれくらい着けるの?」て質問にはいたたまれず、「あと数ヶ月で終わるはずなの」って嘘を重ねていたため、恋人からはいまだに詐欺師扱いです。デーティングについては笑える話が色々あるので改めて。

恐怖の証拠画像

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結局私は抜歯後の隙間がなかなか埋まらず、3年8ヶ月くらいかかって去年の11月に矯正が終了しました。長かったけど…右の方が断然美人でしょう? 左のブス加減。

歯並びと噛み合わせがよくなったことで嫌な肩こりもなくなったし、心からやって良かったとしみじみ。顔の造作はもう”エキゾチック&個性”でねじ伏せられるけど、口元ひとつで損するのは嫌だったから。(とは言っても胸も尻もない)

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お見苦しい写真で申し訳ないのですが。

歯並びや噛み合わせを直すのに年齢は関係ないです。仲間になりましょう。

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ほら。


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