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作家東田直樹「自閉症の僕が生きていく風景」文庫版について語る

文庫版最新刊のご紹介

こんにちは、東田直樹です。作家をしています。
「自閉症の僕が跳びはねる理由」 「跳びはねる思考」など
書いています。(下記の記事は2019年2月11日のものです。)


本日は、2020年7月16日に出版される文庫版
「自閉症の僕が生きていく風景」について
お話させていただきます。

2010年3月から2013年3月まで
「ビッグイシュー日本版」で連載、書籍化された
単行本「風になる 自閉症の僕が生きていく風景」が、
このたび「自閉症の僕が生きていく風景」という
タイトルに変わり、角川文庫から文庫化される
ことになりました。
僕が18歳~20歳くらいの時に書いたエッセイです。

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自分の人生を見つめ直すために書いた本


自閉症の僕がこれまで、どのような思いを抱えて
生きてきたのか、このエッセイを綴る中で
胸の中にしまっていた気持ちに気づかされ、
僕は新たな自分を発見することができました。

起きた出来事が、自分にとって、どのような意味を
持っていたのかは、人生が終わってしまうまでは、
わからないものだと思います。

その時には、坂の上から転げ落ち、
どん底にいるかのように感じていても、
少しつまずいただけかもしれません。

日常こそ、信じられないような幸福だった
と気づくのは、
予想外の不幸に見舞われた時かもしれません。

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今の僕の価値観やものの見方は、
自閉症という障害と共に、
幼い頃の育ちが影響しているような気がします。

そのすべてを書くことはできませんが、
記憶の中に残っている出来事を
文章にすることで、
僕は自分の人生を改めて
振り返ることができるのです。

木漏れ日の中に、波音に、
そして家族と過ごす普段の日常に
僕の幸せはあります。

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この本の目次


Ⅰ 風になり、花や木の声を聞く―僕のこと
Ⅱ 記憶は点、僕に明日はない―僕と自閉症
Ⅲ 色そのものになって塗る―僕と表現
Ⅳ 受け取った幸せをみんなに返したい―生きる理由
Ⅴ 地球上に存在する命に感謝―生きていく僕

対談 宮本亞門×東田直樹
あとがき

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演出家である宮本亞門さんとの対談は、
2012年5月に行いました。

宮本亞門さんは、とても気さくで思いやりのある
やさしい方でした。
お会いできて、とても光栄に思っています。

あとがきは、単行本の際に書いたあとがきと
今回、改めて書いた文庫版のあとがきのふたつを
掲載していますので、
読み比べていただければ嬉しいです。

※「自閉症の僕が生きていく風景」
手に取っていただければ有り難いです。

どうぞ、よろしくお願いします。




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