こつこつハンドレビュー その1 一枚フラッシュボード

はじめに

私事で恐縮ですが初期不良により調子の悪かったpiosolver用PCの修理が完了したので、これを期にソルバーを使った毎日のハンドレビューを再開しようと思っています。これまでは、

のようにレビューの結果を簡単にまとめてときどきTwitterに投稿していたのですが、このやり方は長文が書きづらい、あとで振り返りづらいといった点で不便なので、今後はnote上の記事として日々まとめていくことにしました。自分以外にも有用な内容になれば、サポートや有料記事としての売り上げがたって、レビューをしっかりするモチベーションになるかもという下心もちょっとあります。

記事の構造としては、
- とりあげるハンドの紹介
- 実際のプレイ中の思考プロセス
- テーブル外であらためて振り返り
- piosolverによる分析
といった形式にしようと考えています。

今日のハンド BTN vs BB AT4 モノトーンフロップ​

コメント 2019-11-13 012814

Villan(BB)はVPIP/PFR/3b=20/17/7.5のレギュラー

HeroがJ♦T♡でBTNから3bbでオープン、BBがA♡8♣でコールしたハンドです。

プレイ中の考え

フロップ: モノトーンボードなので、小さいベットサイズでベット頻度も低めになるシチュエーション、とはいえAハイなのでそこそこ広くベットしても間違いにはならなそう。実際のJdThを含めてたいていのハンドでどっちでもいいんじゃないか。難しいのでとりあえずチェックバックしよう。他のハンドもチェックバックすることがかなり多い。

ターン: ターンカードはあまりボードに影響がない。50%強のBMCBは強いところはAペア, フラッシュ、ブラフはQs9cといった有象無象の♠一枚ハンドに加えて♠無しの76等かな? サイズを考えると当然コール。

リバー: いろいろ完成する。BBのxレンジはA, ストレート、弱いフラッシュあたりかな。トラッシュはほとんどブラフに回りそうなのでチェックには少なそう。ので、JTはほとんどエクイティがない。ターンのコールにより、こちらのレンジもほとんどブラフ候補がないので安めのベットでフラッシュより弱いハンドは困らせられそう、→50%強のスタブ。ちょっとエクスプロイト寄りかも。

テーブル外での検討

フロップ: JT含めてほとんどのペアはベットしたい理由を探せば、バリュー/プロテクションのモチベーションがある。ベットしたくない理由はポットコントロール、どうせ3回バリューが取れる状況ではない。
ということで♠ありなし両方ほとんど安いCB or チェックになりそうで、全部チェックしてもそこまで間違いじゃないんではないか。KsTxのようなハンドは特にチェックしたくなりそう。
ペアの大部分を全部チェックするならフラッシュ完成も一部はチェックレンジに残す必要があるはず。
ということを考えるとレンジ全体チェックバックが簡単でEVロスもそんなにないんではないか。

ターン: プレイ中の考えとさほど変わらず。
♠なしの66-99, 5X, 4Xや87sといったハンド、その他絶望的なハンドはあきらめることになりそう。♠ありオフスートハンドはおおむね喜んでディフェンス、IPだし。MDF60%強を考えるとTはコールせざるを得ない。
フロップレンジの大部分をチェックするならばフラッシュやセットの一部をバリューレンジとしてレイズできる。
KQ, KJのうち♠なしをコールするかが難しいが、全部降りちゃうと降りすぎになってしまいそう。

リバー: プレイ中の考え通り、こちらのレンジにあまりブラフ候補がない?KQ, KJの♠なしがレンジに残っているならばブラフ第一候補。
KsX, QsXは確実にバリューベットする: AxKsや♠2枚ハンドはターンまでにレイズすることを考えて除外したとしても、KsKx, KsQx, KsJx, KsTx, Ks9x,QsQx, QsJx, QsTxが24コンボある。
実戦のようにハーフポットのベットをするならば8コンボのブラフを入れることになる。♠なしのKQようなコンボがターンのコールレンジに少なければJTo 6コンボ(の一部)をブラフに回すのは悪くない?
JToとKQの両方をブラフにするならばより大きいサイズにするべきかもしれないが、お互い完成フラッシュをたくさん持っていることを考えるとポットオーバーのベットはあまり使えないのではないか。
(が、BBが強いフラッシュをxしないならすごくキャップされていることになるので、大きなベットサイズも理にかなっていることになる。実際はどっちだろう?)

piosolverによる分析

フロップ

コメント 2019-11-13 031117

ほとんどレンジ全体で小さいCB or Xの混合戦略です。明確にチェックしたいのは♠なしのポケットペアやTのペアでほかのハンドはほとんどどちらでもよいようです。
こういったケースでは、レンジ全体でチェック(レンジチェック)するような簡易戦略をとってもEVロスがほとんどないことがあるので確認しました。IP側のフロップ戦略をすべてチェックにして均衡戦略を計算しなおすと、IP側のEVは357.0で上記戦略の場合の357.8とほぼ一致します。レンジチェックが近似戦略としてほぼ完ぺきといえるでしょう。

ベットorチェックの戦略、レンジチェックいずれにせよHeroのJToはチェックバックするのが自然な選択肢になると思います。

ターン

ターンとリバーの分析結果と検討に関しては有料記事とさせていただきます。また、ご購入いただいた方は分析に用いたpiosolverのファイルをダウンロードできるようにしています。

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