任意自動車保険の基本-対人賠償保険
自動車事故によって相手の自動車等に搭乗中の者や歩行者など他人を死傷させて法律上の損害賠償責任を負担することによって発生する経済的な損害を補償するための保険で、自賠責保険を超過した部分に対して支払われるため、上乗せ保険とも言われます。
被保険者の範囲
自動車は所有者以外の家族等が使用することも多く、事故を惹起する者がその所有者に限られないこと、また、損害賠償責任を負う者も現に自動車を使用している者のみならずその管理者等に及ぶ場合もあります。そのため、記名被保険者以外にも一定程度の被保険者範囲の拡大が図られています。(記名被保険者の配偶者等)
※運転者の限定などがついている場合もあり。個別の商品によって異なります。
対人賠償の免責
対人賠償は例えば家族間などの密接な関係にある中では一般的に損害賠償請求は行わないというのが社会通念であるため、加害者-被害者の関係が親子、婚姻関係などの場合は対人賠償の固有の免責事由となります。(兄弟姉妹関係は免責となりません)業務中に他の社員が運転する車両に撥ねられた、のようなケースの場合も免責になりますが、これは企業内事故を管轄するのが労災事故であるべきである、という考え方からです。
示談代行
通常、任意保険には示談代行サービスが付帯しており、保険会社の担当者が当該事故について、被保険者に対して支払い責任を負う限度において、被保険者の同意を得た上で被保険者の利益のために折衝、示談交渉、示談または調停、訴訟の手続きなどを行います。示談代行サービスの中には「一括」と呼ばれる治療費等の直接払いが含まれているため、事実上事故相手方が保険会社による示談代行を拒絶することはほぼありませんが、一応は事故相手方がそれを拒絶することもできなくはありません。(その場合、一括対応ができないので治療費は一度自費立替を行い加害者側に都度請求するより他ありませんが、事故加害者側が賠償をするにあまりある資力を有しているとは限らないためあまり現実的であるとは言えません)